2014年8月4日月曜日

創作の極意と掟

 多分、twitterあたりで知ったんだと思います。いやね、ちょっともう覚えてないんですが、筒井康隆が自分の小説観をこの一冊に込めました、みたいな感じの話だったんでしょうか。どんな本なんだろう、そう思って調べたら講談社BOOK倶楽部に紹介ページが作られていて、読もうかなあ、どうしよっかなあ、迷ってたところ、『「創作の極意と掟」について』というエッセイが公開されてるのを発見。ちょいと読んでみて、ああ、本、読んでみるかあ。そんな気になった。さいわいなことに、電子書籍でもリリースされていましてね、ええ、嬉しいですね。即座に購入したんですね。

それ以来、少しずつ、少しずつ読んでいます。ひとつひとつの章というかトピックは、4ページとか5ページくらいですかね、短くまとめられてるから、寝る前にちょっとだけ読むとか、時間があいたから読むとか、そんな感じで読み進めて、もう半分くらい読んだかな? いえね、さすが筒井康隆だ、そう思うほかなかったです。

昔は筒井康隆の書いたのが好きで、友達から貸してもらって読んだりしてたんですよ。短編が多かったなあ。けど、なんか断筆宣言とか、その他、なんたらかんたらでいろいろなっちゃって、ちょっと気持ちが離れてしまっていた。それで久しぶりに読んだ筒井康隆はどうだったかというと、面白い。読ませますよね。極意や掟といってますけど、決して仰々しい話じゃない。むしろ、なるほどこういう趣向や意図でもって書かれた小説があるのか。紹介される例が興味深くて、その本もちょっと読んでみたくなる。また例として取り上げられる本もですね、すごく幅広い。古典から最近のラノベまでカバーして、いやもう、この人はどんだけ本読んでるのだろう。心底感心しました。すごいね。

この本は、小説を書く、小説を書きたい、そういう人向けに書かれている? そんな感じの売り文句ですけれど、普通に小説が好きで読んでいる人であっても面白く読めるんじゃないかと思います。いや、むしろこっちがメインか。だって、書いてる人より、読んでるだけの人の方が圧倒的に多いわけですしね。実際、私もそちら側。書き手がどう思うかとか、わかるわけないですしね。

この本でいろいろを知って、なるほどこういう仕掛けがあったのか、そういう時代、そういう思想があったのか、などなど、そうしたことだけでも面白かった。また、作者本人が体験したこと、うまくいったこと、あんまりうまくはいかなかったこと、そうしたことも知れて、なるほど、筒井康隆という人を知りたい人にもいいのでしょうか。いや、そういうファンの人にとっては、もう知ってる、そんなエピソードばかりであるかも知れません。ともあれ、ちょっと文芸というものに興味ある、そういう人には楽しく読める本なのではないかという感触ですよ。

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