2015年2月16日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2015年4月号

『まんがタイムきららミラク』2015年4月号、発売されました。表紙は『幸腹グラフィティ』、リョウときりんがウサギのフード、ネコのフードをかぶりまして、かまくらの中、七輪で餅やらおにぎりやら焼きましてね、食べているんです。楽しそうにしてるリョウ。対して、すっかりネコっぽくなってお餅食べてるきりん。なんかいつもの雰囲気と違って、コミカルさ際立って、これはこれで実に可愛い。いいなって思える、そんな表紙でありますよ。

幸腹グラフィティ』は進路に悩むきりんであります。しかしそれをスケッチブックに描いちゃって、どちらかというと逃避? 大人ぽくした自画像に、なんだかちょっと欲張りな設定つけちゃって、いやもう、これはこれで可愛いですよ。気分転換に麦美大にいくっていうんですね。ユキ先生の妹に会おうっていうんだけど、その妹、アキの描いたリョウの絵、それがもう雄大で、おおすごいな。自分の友人も美大いってて、でかい絵を描いてるの何度も見たけど、こんなにもでかいのはちょっとなかったな。すごいな。アキときりん、その背丈でもって共感、仲良くなるっていうんだけど、ほんと、おかしいなあ。ラーメン屋で会った友人からきりんを妹と勘違いされて、それが嬉しいとかね、そういうアキの可愛いところも実によかったです。でも、やっぱり一番おかしかったのはリョウときりんの食べ方、その様子をアキがもう本当に面白がって見ていて、今までこういう反応をあからさまに示す人もいなかったから、これが実に新鮮でよかったですよ。そしてきりんの悩みにもひとつ解決の道筋が示されたようで、これからのきりんの選択、どうなるか期待高まりますね。

城下町のダンデライオン』は、光のアイドル活動の顛末でありましたよ。選挙を有利にしたい一心ではじめたアイドル活動。桜庭らいととして活動してきた、それを今、光でしたというべきタイミングなのではないか。けれど、光は乗り気でないんですね。光と一緒にアイドルとして頑張ってる紗千子。光とマネージャーの会話を断片だけ聞いてしまって、らいと引退と勘違い。それからの紗千子の悩み。光のアイドルに対する気持ちのしっかりと固まっていこうという展開も実によくって、ああ、光の決心は、紗千子の持っていた王族への気持ち、誤解を溶かして、そしてふたりの気持ちの繋がるあの瞬間。ほんと、これはいい話でしたよ。光の物語、そのひとつの到達点があった。そう思わされて、見事でした。ぐっとくるものありましたよ。

ハルソラ行進曲』、面白いなあ。冬休みの過ごしかた。みんないつもどおりの感じなんですけど、楽しそうに年賀状作る若乃の様子、実に素敵で、朱莉は朱莉で思いがけずサヤを動揺させたり喜ばせたりね、ほんと、このふたりの関係、大好きですよ。もう断然サヤのこと応援しちゃいますよね。ふたり、水泳部としての活動、でいいのかな? 頑張って、やなぎも吹奏楽部の活動、練習頑張って、その時に若乃との約束、しっかり守ろうとしてるやなぎが本当によかった。そして皆で初詣。若乃が後先考えなしに動いてるの、実にらしい、そしてよい。進級、クラス替えを思って涙目の若乃、ちょっとほろりとさせるものありまして、いや、浮かべた涙もすぐに乾くんですけどね、この展開、もうなんかこちらまで嬉しくなるものありました。

アンネッタの散歩道』、今回はメイヴたちの様子ですね。街に向かって旅するメイヴたち、ついにといっていいんでしょうか、街に辿り着くんですよ。轍をみつけて、そして通り掛かった荷馬車、こっそり便乗させてもらうんですね。モリーのいう、人間の育てる作物は、異様に大きくて不気味だわ、という言葉。ああ、確かに人は野菜を自然のものから、より人にとって都合のいい、実も大きく、収穫量も多い、そんなものに変えていってしまいましたね。そうした人と妖精の自然に対する向きあい方の違いなどがよくわかる一コマでした。そしてメイヴたち、街にやってきて、これまで見てきた世界とはまるで違う景色の広がっている様に驚くやら興奮するやら。しかし、これはまだ目的地ダブリンではない。もっともっと先までいかないと、というメイヴたち一行、ダブリンに向かうという紳士を見付け、ということはこの人の荷物に紛れ込む? くっついていく? 汽車か? 汽車に乗るのか!? メイヴたちの旅、これは一気に歩を進めますよ。はたしてメイヴたちの見る、知る、人の世界のもろもろ。彼女らがどんな風に思い、考えるのか、その様をはやく見たい! もう、わくわくさせられっぱなしですよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第4巻第4号(2015年4月号)

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