2015年2月17日火曜日

『まんがタイムファミリー』2015年4月号

『まんがタイムファミリー』2015年4月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』、最終回ですよ、最終回。だからなのでしょう、水泳部、メインの面々勢揃いしまして、ええ、皆の卒業写真といった風情であります。カツ代を中心にわあっと集まって、それぞれにいい笑顔見せてるそうした様子がとても素敵で、いい表紙でありますよ。そして『宅飲み残念乙女ズ』のカット、『軍神ちゃんとよばないで』単行本表紙も掲載されていますよ。

『かなみ育成中!』、かなみの弟ばなれですよ。一泊二日の林間学校にいきます、と、ここまではいいんだけど、いきなり欠席しようとするかなみ。あかん、あかんわ、この子。子育てにアイデンティティーを依存している! 見事に核心突かれてるわけですが、とりあえずこの林間学校を機会に、弟たちへの依存心をなんとかしようってことになるんですね。結はかなみに彼氏を作らせようと思ってるようですが、やたらハードなハイキング、やたらハードな飯盒炊さん、恋だの弟だのいってる余裕はないっていう、その勢い、面白かったです。しかし、かなみ、深刻ですよね。滝の涙、そしてあの真顔。ほんと、かなみのこれから、心配されるのもわかろうものですよ。

『カラフルぶらぱん』、おお、扉絵、めちゃくちゃ可愛い! って、おっとあぶない、こいつ男だったー! 女装して下着屋で働いてるナツ。スポーツブラを扱えるようになった! といって、店長にアキ、心底感動してるっていうのがおかしかったですよ。しかし、こんなあかんたれなナツ、彼がひとりで店番している時にやってきたお客さん、はじめての下着屋に緊張して心配して、その不安をうけて、力になってあげたい、おお、ナツ、頑張った! 頑張ってる! 店長にアキの反応もおかしかったんですけどね、それよりもずっとナツの成長がよかったです。そして店長のやせ我慢。ええ、いいお店、いいスタッフたちだと思いましたよ。そしてナツとアキの恋。いや、そういう話にはならないの? ならないのかなあ。

『火消しなでしこ』、めちゃくちゃ面白かったですよ。みんなで焼き肉にいきますよ。っていうんですが、見事にみんな職業病的視点でものを見るようになっちゃってて、未成年は酒を飲むなよ、騒ぎすぎもあかんで、そんなところかなと思ったら、いやいや、のっけから、あかんここ危険や……。通路に置かれた物の量に避難時の心配して、そして住吉梢、消防用放水口の前にも物が! 店に怒られてもいいといってどかしはじめる。いやあ、この子、ほんとにいい子だ。実際、なんの気もなしに積まれたもののせいで、逃げられない、防火扉が動かない、なんて話、ありますもんね。そして店の中でもおかしくって、変な男女比、不思議な集団。そう思われたところにはじまり、店の中じろじろ観察するわ、メニューかたっぱしから頼むわで、あー、それでグルメ関係の覆面調査員とか思われるのか。みんな、消防的見地からの評価してるんですけどね。あのダクト内の火災とか、怖いなあ。住吉たちの会話に一喜一憂する店員がほんと大変で、けどなにがよかったって、ラストですよ。通路がきれいになってる! ああ、住吉、いいことしましたね。みんな、いいことしましたよ。

『先生と星が教えてくれたこと』、いよいよ佳境といった雰囲気がありますね。北海道の冬到来。受験を控えた皆はまだ秋だっていいはってますけど、先生も杏ももうすっかり冬気分。でも、杏は卒業を思う先生を前にして、いろいろ内心複雑そうなんですね。杏の作った雪だるま。って、自分の知ってるのと違う! もう進路の決まってる杏。そんな自分もなにかやりたい、そう思っての活動がこのだるまだったんですが、それを先生に否定的にとらえられて、ショックだったんですね。そして杏の態度が先生にもショックを与えて、ああ、天川先生の天文台時代のこと。その時の失敗が明確に描かれて、これは先生の心の傷なんだろうなあ。けれど杏とのこと、それが過去を乗り越えるための後押しになってる。また杏の本心、それもしみじみと感じ入るものありまして、ここで北極星、ポラリスが出てくるのですよ。ああ、旧題『教壇のポラリス』、その意味するところを強く思って、先生がポラリス、皆の導き手というだけの意味ではなかったんだ。ポラリスが三重連星ということ、それが天文同好会の皆に重なる。本当、ポラリスひとつとりあげて、それがひとつ意味に留まらない。その豊かな広がりに、もうやられっぱなしでした。素晴しかった。

  • 『まんがタイムファミリー』第33巻第4号(2015年4月号)

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