2015年7月1日水曜日

アットホーム・ロマンス

   アットホーム・ロマンス』が電子書籍になったらしいですよ! 電子化ですって! 素晴しい! いや、ほんと、嬉しいなあ。そうかあ、最終の3巻が出たの、もう5年以上前のことになるんですね。そうかあ、十年一昔、というにはもうしばらく時間がかかるけど、それだけの時間が経過して、それでもまだ記憶に鮮かな漫画。ああ、ほんと、あの頃の『きららキャラット』には魔法がかかってた。そんなことも思い出されたりしまして、ああ、また読み返したい。よし、電子で揃えるか! みたいな気持ちになっています。

思い出語りするほどには昔じゃない、そんな風にも思ったんですけれど、それでも確実に時間は経過していて、だから久しぶりに読み返すと、印象もまた違ってくるかも知れない、なんて思ったりもするんですね。

『アットホーム・ロマンス』の前に『DESTiNATiON!』って漫画があったんですね。いやもう、初回のインパクト、今でも忘れられない。生徒会長が喜びのあまりジョーッ! って、いや、なにがジョーなのかはあえて触れずにおきますが、ものすごいインパクトで、ど、どうしよう。そんな戸惑いを覚えたことも懐かしい。そんな忘れられない漫画『DESTiNATiON!』、けど、本当に忘れられないのは、その中盤から終盤にかけてだったんです。ヒカルコバイト編。裕福でないヒカルコが、工事現場にてバイトをしつつ、よりよい明日を目指す! その描写、展開に心ひかれて、毎回を楽しみにしていて、残念ながらこの漫画は単行本にはまとまらなかったんですけど、ああ、好きだったなあ。だから『アットホーム・ロマンス』がはじまった時、私の中では序盤、導入、初回からフルスロットルだったんですね。

この漫画も、強烈なインパクトあって、忘れられないものいっぱいありますけど、まずは、あれ、マムーン。これ、最高ですよね。姉プレイなる概念が提示されたりも。娘好きすぎるあまり、訴えるぞ、弁護士の父が無茶苦茶いうとかもねおかしくて、けれどそういう面白い、おかしい、笑ってしまう描写、見せ場だけがこの漫画ではなかったのでした。

忘れもしませんよね。父とのプロレス対決。主人公竜太郎が、元プロレスラーだった父とプロレスで対決する。そのエピソードを超えて、ずっと酒びたりだった、くよくよと過去をひきずり、決別もできず、かといってその過去をもろともに背負うこともできずにいた父が立ち直る。タイトルにあるアットホーム。それが、十全に発揮されていた。そう思うんですね。そのアットホームは、母との、姉との関係にも、さらには竜太郎の恋人、奈津子との関係にも発揮されて、この漫画のテーマ、家族とは、その関係、つながりとは、人と人との思いの交錯、などなど、見事に描かれていたよなあ。

人は弱くて、どうしても踏み出せない、頑張れない、そんな時だってあるんです。そうした弱さをきちんと描いて、人が自分の弱さに立ち向かい、克服する、それを可能にさせる原動力とはなんなのだろう。それがアットホームだったというこの漫画。いまだ変われていない、立ち向かえていない自分には、その足踏みしていた時間の長さだけ、強く、きびしく響くのではないかなあ。そんな予想させるのですね。ええ、読めば、変わらなきゃ、自分も頑張らなくては、そんな気持ちを奮い起こさせてくれる漫画。だから、あえて今また読んでみたいと思ったりするのですね。

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