2016年4月25日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年6月号

『まんがタイムきららフォワード』2016年6月号、一昨日の続きです。

夢喰いメリー』、なにか予想外の動きになってきましたよ。人の姿で人の街を散策するレガレスク。これまで王として振る舞って、望みのすべてを叶えてきた彼女には、いまさらやりたいことも残っていないということで、なんだろう、唐突に無害な人っぽくなってきたよ? でもこうした彼女がメリーや夢路たちに、どのようなかたちで介入するのか、その行方を見守る気持ちで読み進んで、ああ、スケボー少女、チカ、この子が登場して、え? まさかここで介入? 酷いことになっちゃったりするの!? 不安にかられて、そして不幸に襲われたチカの窮状に、さあどう介入する!? またもハラハラさせられて、え? そっち? なんだ、え? レガレスクさん、なんだかすごくいい人よ!? 独特な思考、独自の価値観を持った彼女、自身の思うところにまかせて人の窮地を救って、こうしたところに和解の可能性など思ってしまうんですが、はたしてどうなるのか。エンギさんはただですますつもりはないみたいですよ? そしてジェイスが見ていた! ほんと、どう転がっていこうというんでしょうね。

『鬼が出るか蛇が出るか』、街に出て、自分はまだ人の社会が、女性たちの振舞いが怖いのだと明確にされてしまった優が、状況の打開を計って動きはじめましたね。自分も妖怪である。しかしどういう妖怪であるかはわからない。その状況をまずはクリアにしたい。そうすることで、自分の問題、コンプレックスを解消ないしは軽減できるかも知れない。なんていうんです。そうした優の姿を見て、落ち着かないのが女子たちで、無理はしないで欲しい、そういう鈴にドキリとしたり、親身にアドバイスしてくれる霞の本心に赤面してみたり、積極的な未来にぞくぞくしてみたりと、ああ、もうね、いいじゃないの、ここで、この村で! と思ってしまう自分は、だいぶんアレなやつだと思います。悠理も、いったいなに飲んでるの? 優に本気の思いをぶつけてくるしで、もう、ほんと、みんな優への気持ちをストレートに出してきてるんですね。しかしこの状況はなんなのか。しろさんが説明してくださるんです。その時のしろの美しさ。ああ、この子は一番年若いんだけど、その性質からか中身はずいぶん大人びてますよね。優の好きにやればいいんだよ。なにかあっても私が優の味方になる。そうした言葉、本当にぐっときて、ああ、この村の娘たちの抱えた気持ちのいろいろ、それぞれの違い、それぞれの大切にしたいこと、そうしたことが優を中心に浮かびあがるようになっている。この漫画は恋愛もので、優のハーレムシチュエーションを楽しむ都合のいい漫画で、けれど本質は、優に向き合う彼女らの心の情景、そこにこそあるのかも知れない、なんて思わされたのでした。悩みもあれば不安もある、そうした子らの救いに優はなってるのかも知れないですよ。優がそうしたこと気づけば、なにか変わるのかな、なんて思いますよね。

『ようこそ幻界集落へ!』、合同祭、本番ですね。大きなテント、たくさんのお客さんを迎えて、サーカス要素を加えた劇を見せますよっていう展開。なるほど、『不思議の国のアリス』モチーフ。けれどオリジナルの要素、村の皆の見せ場を用意して、見た目にも麗しい、そんな物語に仕上がっていました。もっと、もっと、彼女らの能力、それを前面に押し出してくるのかな、みたいに思っていたから、物語の方が主になっているのが意外で、けれどその物語でもって彼女らが伝えようとしたこと、それがまさに村のこと、状況、そして魅力であったとわかれば、ああなるほどと、この試みの意味に理解がいたったのでした。しかし、催しも成功、ああよかった、そう思っていたら、最後にドッって雷? これ、えらい予想外の展開で、ああ、次回に期待せざるをえません。

そこテストにでます!』、数馬とかえでの関係が、数馬のまわりにいる女の子たちに知られてしまった。泣いてしまういろは。落ち込み、そして塾にこなくなってしまったもみじ。ああ、もみじのこのところの勉強への意欲、その支えは数馬であったのだから、自分の恋の成就しないということを知ってしまえば、こうなってしまうのもしかたないと思えます。こうした状況、数馬は気にはしているんだけど、理由にまでは至っていない。そこで、いろはたちが、そして椎夏が大きな役割を演じるというんですね。いろはがいい、茜の受けた言葉、それがこの漫画のタイトル、いわばテーマを物語って、そして数馬ともみじの対話。ああ、もみじ、ついに自分の気持ちを言葉にして伝えましたね。自分のこれまでの振舞いを悔いて、しかしたとえそうだったとしても、今の状況は覆せたのか? もみじの後悔、数馬の心痛、それらが描かれたラストを見ながら、しかし今のこの状況以外の、いわばもみじが勝利を収める、そんな展開はありえたのだろうか。彼彼女らの過去に目を向ければそうした思いがふくらむし、また反対に、これからのもみじ、それから数馬を思えば、どうした可能性が見出されようというのか、諦めなのか、逃避なのか、あるいはまた違った道筋を辿るのか、思うところが複雑に絡みあうのです。

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