2016年6月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2016年7月号

『まんがタイムきらら』2016年7月号、昨日の続きです。

『オリーブ! — Believe, “Olive”?』は面白い展開でしたよ。あおば先輩、格好いいよねってツバサちゃん。そうか、あおば先輩が魔法使いなんじゃないか、そんな疑惑持ってるんだ。不思議が好きで、UMAやら魔法やら好きで、でもそれは作り物や誤解の産物、これまでずっとがっかりしてきた。そんな彼女があおば先輩に向ける視線の熱さですよ。あれはきっと本当の不思議だっていうの、ひとり自室でホウキにまたがる様子なんかにも、彼女の夢や憧れがあらわれて、ほんと、この子の言動興味、すごくわくわくさせられるものあったんですね。というか、あおば先輩、不用意すぎます。スズはさ、なにを見せられても魔法じゃないと思うようになっている。でも、ツバサはそうじゃないじゃん。なのに、そんなツバサの前で魔法の道具ばんばん使ってみせたりね、そして落ちそうになったソフトクリーム! うかつなあおばの行動、目撃されちゃった! そこからのツバサがよかったなって。問い詰めるではなくて、むしろ自分の気持ち、夢や憧れ、それを真摯に語る彼女の言葉が胸に迫って、ああ、あおばがほだされて話しちゃったその気持ちもわかる気がする。あおばも自分の気持ちを言葉にして、ええ、このふたりの意外や似ている、そんなところが垣間見えて、そして気持ちの交差した、そんなエピソード。とても素敵だったと思います。

『神様とクインテット』は、女子高生ですよ! みたいなこと散々いわれてたわけなんですけど、なんだよ! またひとり、変人仲間が増えただけじゃん! うん、そんなこったろうとは予想してました。というか、期待してました。美大志望の女の子。芸祭にやってきて、それ、学校見学? と思ったら、そうじゃない。大学生のお姉さんを見にきたっていうんだ! この子、水張はる、いきなり池に頭から突っ込んでたり、助けられたと思ったら、滝のように水を吐いたりと、とにかく酷い絵面! 言動も酷いし、もう最高でした。そして、こももちゃん。パワースポットになってる。教祖みたいになってる。それもたいがいな絵面だったんですけど、やっぱりここでもはるが酷くって、ほんと、でも、りんはもっと酷いから、みんな慣れてるのか……。嫌な慣れだな。ともあれ、なんだか感動的な展開にしたかと思ったら、その雰囲気をぶち壊しにしてみたりなど、ありきたりな紋切り型におさまらないところ、とてもよいと思います。

『泣きむしストラテジー』、本編に入ったって感じですが、いや、これ、いいですよ。優しい悪魔のクレアさん。牡丹のこと泣かさないと魔界に戻れません。でも、人間界に追放みたいな状況を楽しんじゃうとか、このポジティブさ、まぶしいです! そしてターゲット、牡丹と同じ学校、クラスに転入してきて、そこからの活動、面白かった。怖れられつつも大人気の牡丹さん。いや、これ、畏怖されてるってやつじゃないの!? おそれおおくて近付けないってやつじゃないのん!? ほんと、あらゆる行動に補正がついて、授業中の居眠りでさえかっこいいって! しかしこの漫画、あがめたてまつられている牡丹、この子の孤独さをクレアが救ってくれる、そんな展開になりそうで、今回のドッジボールでも、負傷をかえりみず牡丹の相手をしてみたりね、そのポジティブさ、熱意、本当にまぶしかった。ふたり、素敵な友達になれそうで、それじゃいかん気もするんだけど、いや、ほんと、ふたり、いい感じです。

『ヒトより私はそれが好き!』、なんか、今回のラストの落ち、面白かったですよ。綴月さん、新しい扉が開きましたね! さて、皆で集まっての勉強会ですよ。ミュエルも芽々も自由すぎるというか、はじめて訪れた人の家で、庭木に興奮してみたり、ジャパニーズイヌゴヤに入りこんでみたりと、ほんと、迷惑なお客です。本来ならふたりで勉強するはずだったのに、あのふたりも呼んだのはなぜか。いよりの本心、身の危険を感じてというのがおかしくって、ほんと、ちょっとずつ距離を縮めて、仲良くなりつつある、そんな様子のほほえましさと、フェティシズムに突き動かされるままに奇行に走る彼女らの言動、そのギャップが面白い。それに今回はいよりにも、特殊フェチの彼女らの観察し理解するという目的があるという、ええ、せめぎあいですよ。意図と意図がすれちがい、時にぶつかる、そんな様子に引き込まれるみたいに読みましたよ。

  • 『まんがタイムきらら』第14巻第7号(2016年7月号)

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