2016年8月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年10月号

 『まんがタイムきららフォワード』2016年10月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし!』。これ、面白いですね。表紙誌面、この四角が限られたスペース、とでもいった感じになっておりまして、ゆきさん、箱に入ったみたいに、右背表紙側に背をもたせかけて、そして反対側も足を持ち上げて、ちょっと窮屈そうにしてるんですね。こうしてみると、ゆき、意外といってもいいものか、ちんちくりんみたいな印象はなくって、ほんと、素敵なお姉さんですよね。

『ヨツコト』、新連載です。女性ふたり、旅の途上。魔法の師匠が姿を消した。師匠の言い付けにもとづいて、師匠の友人を訊ねていこうというのですね。かくして最初の探し人、ヒルムヘイトを探してこの町にきたという。主人公はヨツキ? その先輩がコトワリさん。ヨツキとコトワリで、タイトルがヨツコトなのでしょう。今回はふたりの少しマイペース? のほほんとした人柄が紹介された。そして迷子の女の子のお母さん探しに魔法を使ってみせた。なるほど、この世界における魔法、どういうものか、その雰囲気がわかったように思います。気持ち、感情、心情、そうしたものが優位と思わされたこの漫画。ヒルムヘイト氏との出会いがなにを彼女らにもたらすのか、旅の行方に興味津々です。

『春よ、ふたたび』、ゲストです。なんともいえない読後感がありますね。朝、汚ない部屋で目覚めた、うだつのあがらなそうな中年男性。もともとは妻も子もいたようだけど、今は別れて、気持ちはすっかりネガティブになってしまって、SNSにもそのネガティブをどしどし出していくスタイルです。と、そんなポストを評価してくれる人がいる。どうせ出会い系だろう、そう判断する主人公、正しい判断だと思います! 自分だってそう思う。コミックマーケットに出展。島中にて同人誌を頒布していると、さっき出会い系業者認定した女の子がやってきた。これ、主人公が警戒心丸出しで応答するのはいいんだけど、結構ヤバめの言動にまるでひかないこの女の子、すごいな! 強いよ! これね、最後までハラハラがとまらなかった。正直いって、到底まともにコミュニケーションとれてるとはいえない主人公に、なぜか理由がわからない好意を抱いて、いろいろ親切にしてくれて、と、これ、最後の最後にひっくり返すやつじゃないの? 実は主人公以上にヤバい、そんな子なんじゃないの!? みたいに警戒して警戒して読んでしまいました。いやあ、ほんと、どうもこの子、普通にいい子だったみたいなんですが、ほんと、ハラハラしっぱなしでした。別れた妻と一緒に出ていった娘とか、そういうのかなあとも思ったのですが、ええ、最後まで謎の女の子でありました。あ、そうか。これ、妻に捨てられたと勝手に思い込んでたけど、死に別れの可能性もあるんだ。となると、パパ、次は殺さないでね、パターンかも知れない! いや、考えすぎですか。

『はるかなレシーブ』、はるかかなた組と愛衣舞組の決着ですよ。愛衣舞には負けられない理由がある。あの時の自分の言葉、それを証明したい。一緒に戦っている相手のためにも負けられないんだ。そうした思いがあれば、はるかな組にも同じく負けられない、後ろ向かず前へ前へと進んでいくんだ、そういう意気込みがある。だからこそ、はるかなには負けて欲しくない。なんだけど、愛衣舞が負けるのも嫌だ。こうして、双方に思い入れ持って読めるのは、キャラクターをうまく際立たせて、読者すなわち私にとって感情移入できる、好感持って応援できる、それだけの存在にふくらませるのに成功しているってことですよね。ほんと、うまいわ。してやられてます。前回はかなたに見せ場がありました。彼女のポーキー。妙に拾いやすい、そんなかなたのポーキーがゆっくりとダメージを与えつづけていた。そして今回ははるかに見せ場がまわってきて、ああ、攻めていきます。これまで受けて、守ってきた、そんなはるかのブロック。それを攻めのブロックに変えて、マッチポイントからの攻防を制する。勝てた。そのことを喜ぶはるかなの姿があれば、負けを悔しく思う愛衣舞の姿も描かれて、けれど愛衣舞はこの負けもまた前に進む力に変えるんですね。ほんと、はるか、かなたも、愛衣、舞も、皆、まぶしいですよ。

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