2016年9月2日金曜日

『まんがホーム』2016年10月号

『まんがホーム』2016年10月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがサンマを七輪で焼いているところです。心穏かに、落ち着いているように見えるこの子ですが、きっと内心は小躍りするような高揚に満ちているんでしょうね。ということで、今回は秋の味覚、みたいですね。『けいさつのおにーさん』はちんまりデフォルメされた手塚さんと穂苅くんがマスコットみたいになってリンゴから登場。『ローカル女子の遠吠え』りん子さんはおひつにいっぱいの栗御飯ですね。『孔明のヨメ。』孔明、月英のふたりはブドウの収穫の模様です。そして『マツ係長は女ヲタ』の新連載告知カットもありますよ。

『ローカル女子の遠吠え』は台風の情景描いているんですが、いや、こんな日は休もうよ。車が動くかぎりは出社するよう通達があるんですが、雲春、恐怖でいっぱいの通勤しまして、りん子ともなれば、まさに災害対応ばっちり。遭難した時のための笛もありますね。というか、ほんと、休もう。休みにしよう。台風中継の定番、御前崎が扱われましたよ。そうか、あれ、静岡だったんだ。東名高速が通行止めになる理由が語られたりもしてるんですが、高波! いや、ほんと、そんな日は休もうよ。実にやばい。そうか、高波をかぶるのか。こわいな。停電時の役立ち情報なんかもあって、ほんと、台風、出社で、気分は避難所。停電怖れながら仕事をするのも大変そうで、ほんと、これ、出社して、それではかどってるんでしょうか。なかなかいろいろ思わせる、そんなエピソード。でも、りん子さん元気そうで、この人はこの人でマイペースですよね。母に似てるのかもなんて思いました。

敗者復活戦!』、しみじみいろいろ思わされる、そんな回でしたよ。まず、夕記ちゃん、気の毒すぎ。父ちゃんよ、娘に甘えすぎだよ。弟たちも、姉に甘えすぎだよ。そんな夕記が榎本につかまる。月穂サマに会いにいきたいっていうんですが、この執着、うん、たしかに尋常ではない。なにがこの人をここまで駆り立てるのか、と思ったら、また別に思い詰めた人がいたというんですね。桑原先生。田邑家に気づいた。交流のなかった祖父母、そして姉がいる店へとやってきた。あまりに繊細な問題、重い状況、なんとか逃げ出したい夕記なんだけど、榎本に買い物袋持っていかれちゃってて逃げられない! ほんと、事情わかってるからなおさらで、わかってない榎本をとどめるので精一杯な夕記が気の毒というか、ほんと、気苦労山盛りですよね。さて、この状況、奥様が対応することになりました。それで月穂サマは桑原先生にあうことはなかったんだけど、粧子さんからの情報で状況は察したみたいですね。奥様は決して良い顔をなさらなかったということですが、その心中、はかりきれない。いずれ描かれること、説明されることあるのだろうか。ほんと、こうしたところ、ただ面白おかしいばかりじゃない。そんなところが光ります。

『マツ係長は女ヲタ』、連載になりました。嬉しいですよ。失敗した部下を元気づけるマツ係長。その言葉は推してるアイドルしろたんの言葉で、ほんと、この人、しろたんのこと大好きですよね。放っとけない、そんなところが好きなんだろうなあ、そう思わせる言動もろもろありまして、これ、なんかちょっとわかる気がするからいけません。大金持ちだったらなあと夢想するマツ係長。うん、その気持ちもわかるんだよな。扶養したい、生活を支えたい、それだけじゃないんだ。むしろメインは、この子の活躍の場を作りたい。そうした気持ち。うん、わかるんだよ。この漫画が連載になるほど人気があるのだとしたら、マツ係長に共感する、そんな人が多いのかも知れませんね。今回は渋部長がだいちゃん推しであること、それが判明して、そうか、マツ係長、知っていたのか。通勤の電車にて、たまたま出会ったファンと無言で通じ合う、その様子などもいかしました。これほんと、ちょっとした夢ですよね。こんな経験したいものです。

『座敷童子あんこ』、ゲストです。旅行先で出会った座敷童子に懐かれて、家に招くことになったという高校生、吉田幸太郎が主人公。その座敷童子、名はあんことつけられたこの子、妖怪というにはあまりに人らしい存在で、ご飯食べて、お風呂はいって、そして寝かしつけてやってと、なんか妹を世話してるようで、こういうのはほのぼのであります。イケメン大好き、友達の大和がきたら、がらっとよそゆきの顔しちゃったりしてね、こういう現金なところ割と好き。でもこうしたところがあって、そして気の抜けた普段の姿があってという、その落差、大きく崩れるところ、それが好きなのだろうなあって思います。あんこのもたらす幸福は、実にささやかなものではあるけれど、そのささやかな幸福をわかちあって、幸太郎もあんこもしあわせという、そういうところが好きだって思いましたよ。

  • 『まんがホーム』第30巻第10号(2016年10月号)

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