2016年11月6日日曜日

『まんがタウン』2016年12月号

『まんがタウン』2016年12月号、昨日の続きです。

『ほぼほぼ商店』、よかった、ちゃんとものが売れている! 夫はファンタジー、妻はファンシー、それぞれ好みの商品展開をしている本保商店ですが、やっぱり売れるのは普通の金物。まあ、そらそうだろうなあ。うどん用の湯切りザル。針金。とにかく金物ばっかり売れて、まあ、そら金物店なんだもの、当たり前よ。でも、そのことに対する夫、太郎の葛藤がおかしくて、いや、そこはもう素直に継いどこうよ。ファンタジーなノコギリを作ってみました。けど、売れるのは普通のノコギリ。そんな中、妻の商品は結構売れて、というか、これ妻の人の営業力だ! 50の娘さんに、ファンシーグッズ。26のお孫さんにはファンタジーグッズ。それらしく売り付けるのに成功してるけど、やっぱり実用品となると普通の金物。うん、実用品にファンタジー盛り込むのは諦めましょうぜ。

『新婚のいろはさん』、夫、始のペンネームは軒並ライジ。仕事頑張ってるんですが、その作風はといいますと、おや、なんか、見覚えがあるようなないような……。妻いろはさんには、夫の漫画がよくわからん。でも、そういわれると夫、喜ぶんだ。面白いなあ。今回はお隣さんが夫の仕事に気づいてた。しかもファンだった。その絶賛ぶりにいろはさん、嬉しくってしかたないっていうのがね、ほんとよくよく伝わってきて、こちらもにまにましてしまいそうになる。そして最後のね、大好き、そこからちょっとムカついてもいるけど!! このくだり! ほんと、なんだろう、実に可愛い、実にほのぼのとして、魅力的です。

『ようこそ!スマイリーバーガーへ』。店員が愛想悪い、でもって怖い。そんな店なのに元気に営業続けてこられた理由が描かれてますね。なるほど、バーガーが絶品。実際、描かれているバーガーがおいしそうで、こんなの近くにあったら食べにいってみたい! そう思わせるような説得力。お客がまたこの店のこと、よくわかってるんですね。店長のバイト時代から通ってる常連さんとか何人もいるんだ。しかし、その頃から接客で舌打ちとか、それ指導されながらも今なお直ってないとか、しかも店長という立場で! みたいなモヤモヤはあるけれど、それでも支持されているこの人! 変わらず通っている常連の見ている、感じているもの、それがわかるようになれば、無愛想組ふたりの見方、きっと変わりそうだ、なんて思っておりますよ。実際、できる店員、南町田さんの可愛げはなんとなく伝わってきてますよね。そんな具合に愛せる店になるといいなと思いながら読んでいますよ。

『中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます』は、なかなかにハラハラさせてくれる展開です。はじめてのトイレ介護に四苦八苦という話。なるほど、片マヒのある人を抱えて、移動を手伝ってというの、こんなにも大変だというの。ええ、よくよくわかろうものでした。これはおそらくはコツがあるのだろう。それを知れば、体得すれば、もっとうまく、効率よく、スムーズに、できるようになるのだろう。そう思うのですが、ここで説明される、研修でおむつ触った時間なんて10分程度、しかも実習も実践とは大違いというの、これ、こうした現場の苦労というのがしのばれるエピソードですよね。そして最後になんだか怖ろしげなフリがあって、ああ、もしかして徘徊とか!? うん、怖い、すごく怖いラストでした。大事にならなかったから、こうして漫画にできるんだとは思うんですが、ほんと、はやく安心させてほしいですよ。

  • 『まんがタウン』第17巻第12号(2016年12月号)

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