2016年12月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』リコがですよ、届いたナギからの年賀状、掲げるみたいにして、その表情の晴れやかさ、ああ、嬉しいんだろうなあ、嬉しいんだな、生き生きとその様子が見えて素晴しいですよ。『ざしきわらしと僕』は裕貴とざわ子が一緒にコタツに入って、あたたまりながらミカン食べてます。キボちゃんがミカン転がしてるのもなんか面白いですね。そして『ちんまり経理のヒメ先輩』、ヒメ、お年玉のポチ袋持ってくいって首をかしげてる。もらったの嬉しいのかな? どうなのかな? ちょっとからぬこの表情。あれ、私、お年玉もらっちゃっていいのかな? みたいなこと思ってるのかな、なんていろいろ思わせるその表情、とてもいいと思います。

『ローカル女子の遠吠え』は富士山の話題。雲春、この人がまたやらかしました、っていうんですが、いや、この感覚は県外の人間にはわからんのじゃない? 静岡側と山梨側、ふたりの富士山過激派の前で、富士山の帰属にかかわる質問をしてしまった。いや、しかし、これ、まさかの展開でした。あの辺の県境は曖昧なままなんですよ。って、マジで!? そんなことってありえるの? 8合目から上は浅間大社の所有地だから静岡のもの。これに対し山梨側の言い分は、神域だから所有権を主張するのは野暮。これ、つまるところ、山頂は静岡ってことなんじゃないの? ほんと、この富士山に関しては譲る気のない過激派ふたりのやりとり。これはなかなかに片付きそうもない県民感情感じさせます。そしてお参り、初詣。りん子のなんともいえない絵馬。でも、これ、天は自ら助くるものを助くだそうですから、むしろよいのではないでしょうか。って、これ、西洋の諺か。最後の、新しい手帳に向かうりん子の真摯さ、これとてもよかった。でもって反省? 今回はめずらしくはっち優勢ですね。

『課長と私のおかず道』、保志さん、椎名につきあってといわれて、ああ、頭が、理解がついていってないですよ。今度の日曜ヒマ? 空いてますがと答えたら、待ち合わせ10時といって無理矢理予定いれられた。うおお、こんなのありなんかー。すごいカルチャーショック。自分なら、暇だが貴様のために割く時間はない、っていって断るパターン。うん、それだけに保志さんの善良さがわかろうものです。保志私服、シンプル、オーソドックスで素晴しい。対し椎名のチャラいこと。もうすぐ姪の誕生日だから、プレゼントを一緒に選んでくれ。なるほど、これが警戒させない言い訳ってやつか。ともあれ、買い物から食事になだれこんで、昼食はスパニッシュオムレツ、ここでもおかず道を、ひいては南条課長のことを忘れない保志ですよ。なんだか複雑な気持ち抱えながらも、その正体には気づかない。そしてそれは、保志と椎名がデートをしていたらしい、その話を聞いてなにか思うところあるっぽい南条課長にしても同様なのかしら。ええ、恋に、愛に、奥手な、あるいは不器用なふたりでありますよ。

『おしかけツインテール』、冒頭、テストの点数が下げってきてる花梨と、このところ調子がいい、ベストの点数とっちゃったっていう杏夏。それがふたりとも同じ点だっての、しみじみ面白く、ほんと、でも、杏夏、悪い子じゃないなあ。一緒に勉強会しようって誘ってくれた。ほんと、最初はあんなに意地悪そうに描かれてたのに、全然そんなんじゃないよって、口でいってるような悪い子じゃないよって、むしろいい子だよ、なんてたって友達ってやつだよ、そんな風に描かれるもんですから、花梨が杏夏と違う高校にいこうとしてると知って、ああ、青天の霹靂、ショック受けちゃってるのがですね、ほんと、いい子だなって、ずっと一緒にいるつもりでいたのに、困っちゃったねって。その困った気持ちと、応援したい気持ちの板挟み。こんなの見せられたら、すっかり杏夏のこと好きになっちゃいますよね。短い中学編。これで終わりだそうですが、杏夏、今後本編にも出てきたりするのかなあ。そんなこと思わせられて、ほんと、今、再会したら、どんな風になるんだろう。杏夏、きっといい表情見せてくれるだろうって思うんですね。

『ざしきわらしと僕』はコタツの魔力。バドミントンしようぜってやってきた希が、0.03秒でコタツに吸い込まれる。すごいな、そんなにか。コタツは暖かいだけじゃなく、いろいろ便利。そうした話もしてますけど、それよりもコタツに入るとなにか距離が近づいてるように感じられる。そんな雰囲気が素晴しい。お婆ちゃんにご飯食べてくか聞かれて、希、晩ご飯およばれです。おでんを食べるんですけど、熱いおでんをはふはふいいながら食べて、すっかりあったまっちゃって、コタツから出るどころか廊下にまで出て冷たい空気に当たってるのね。この描写はすごかった。そしてちょっと大人っぽい希? ああ、裕貴が彼女の横顔に見たもの、どういう感情だったのだろう。ふくらみのある、いいシーンでありました。そしてお婆ちゃんに聞く昔の不思議な話。山崩れから村民を守った不思議な光る女の子の伝説。もしかしてざわ子では!? うん、思った、思った。だから裕貴がすぐに確認してくれたの、よかったですよ。でもざわ子には覚えがない。人違いなのか、あるいは本当にただ忘れてるだけなのか。わからないのだけど、ここからのざわ子と裕貴の雰囲気、それがとてもよくって、ええ、ざわ子は妹なのか。姉じゃなくって、妹でいいんだ。こうしたところに、ちょっとざわ子の余裕みたいなもの感じたんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第26巻第2号(2017年2月号)

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