2017年2月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2017年3月号

『まんがタイムきらら』2017年3月号、一昨日の続きです。

三者三葉』、やっぱり扉が素晴しい。今月は双葉。お昼を食べてるところですね。快活そうな服装、手にはおにぎり、それがもう見事に素敵。最高なのではないでしょうか。でも、双葉、こんな小さなおにぎりみっつで足りるんでしょうか。さて本編は、キャンプの夜ですよ。パジャマパーティの亜種を期待してみたり、猫が足りないと苦情が出たり、そしてよりによって怖い話に水を向けてしまった双葉の自爆行為ですよ。なんで怖い話苦手なのに、わざわざ話題にしてしまったのか。しかも涙目で。でも、さすがですよ、このメンバー。怖い話たってね、具体的な怖い話ばっかり。ネズミが壁かじってたとか、ヒグマの食害とか、いや、こんな山でヒグマの話は嫌だな……。ほんと、双葉は元気で明るくて朗らかなのに、怖い話なんて弱点があって、それがおかしいというか可愛いというか、でもって皆の即物的な様子、最高ですよ。その翌日のレクリエーションでは葉山ちゃんの弱点がこれでもかと描かれて、というか、葉子様が酷い……。いや、この人の基本はこちらでしたね。忘れてたわけじゃないんですけど、なんだか久しぶりでした。

『きらきら☆スタディー — 絶対合格宣言』、いいんちょ、千代の秘密が明らかになりましたね。ひとり暮らしという彼女の家を訊ねてみれば、そこには変わり果てた千代の姿が……。なんと、猫耳、ええと、なんだろう、魔法少女? いやプリキュアとかそっち系か、のコスプレしながらアニメ見て、ヒロイン応援しているっていう。って、待って、待って、どうなってんだ、これ。ええ、これ、誰かすぐにはわからないレベルだ……。人生終わった……、落ち込んでしまう千代がいい。頑張って励ますも全然励ましが通じない。そして千代の口から語られるこれまでのこと。ああ、子供時代の千代、可愛いなあ。家が、親が厳しくて、受験、勉強に明け暮れてきたのが、高校で反発した。無理いって一人暮らしして、そしてそこでたまたま見たアニメにはまってしまった……。あー、小さい頃からほどほどに見せて、それなりに免疫つけとかんからー。とは思うけど、これ、たとえどんな道を選んでもオタクになった的素質を感じるんですけど……。でも、この子にとってアニメがどれほどに救いであったか、それがわかる描写。あの、衝撃的という、その出会いの描写、あの表情、目が開けたんだろうなあ。ほんと、これ泣けるわ。この子のこれから、どうか支えてあげて、そう願わずにはおられない展開。いや、もうぐっときた、というか、え? そういう展開になるの!? ちょいとびっくりさせられる宣言、出ましたよ。

『ぽんこつヒーローアイリーン』、マリーヌちゃん、素晴しいわ。地球マニアの子ですよ。まだまだ地球を、日本を見足りない。あれも見たい、これも見たい、猫カフェにいきたい! でもひとりでいくのはちょっと……。誰かつきそいを見繕って、というのでツーシャがピックアップされる。これ、マリーヌの打算、日本行きをスムーズに運ばせるための下準備の徹底、見事でした。そしてツーシャ、この子の自虐的性格。そしてアイリーン、マリーヌの関係にドキドキするところ。いやあ、この子もこの子で実に個性的です。そして日本到着。そこからもめちゃくちゃ面白かった。ツーシャ、猫アレルギー発覚。ああ、マリーヌ、すごくいいやつ! ツーシャが苦しんでるのに自分ばっかり楽しむなんてできない。あの毅然とした態度、よいわあ。ツーシャの百合への目覚めもいかす。ほんと、いいキャラクター。ふたりともに日本を堪能していて、でもってアイリーンとの交流もおかしい。マリーヌの感情のいったりきたり、それが極端というか切り返しがきつすぎて、ついていきにくいんですよ! そしてツーシャの長所、マリーヌが見出しましたね。ええ、ふたり、仲良くなったみたいで、実にいい話でした。きっとマリーヌ、ツーシャもありだと思うんですよ。ねえ。

『スロウスタート』は、花名と万年さん、ふたりの会話中心でしたよ。生活がだらけてしまってるひろえさん。栄依子のことやたら怖れてるのがおかしかったです。今回は、ふたりのこれまで、いろいろ鬱屈させてきた気持ちが晴れる、そんな話でしたね。ひろえは、ずっと開けずにいた荷物。その気持ちの重荷とともに開梱して、ああ、ひとり悩んできたこと、それが解けたのだなあ。けど、ひろえの悩み、その鬱屈、それはひろえひとりのものでなく、多くの人に通じる、そうしたものだと思うんですよ。自分もそうです。ずっと流しも手放しもできないままに抱え込んでしまってること、もの、たくさんありますよ。そして花名の鬱屈、ないしは自虐でもあるのでしょうか。苦いチョコレート。苦いコーヒー。その苦さに落ち着いてきた日々のこと。ああ、本当、この子の一年、どれほどひとり、その苦さを飲み込んできたのだろう。そしてついにその花名の自分へのしばりが解かれる日がきて、ええ、これはきます。これは、胸にきます。ほんと、がまんしきれないものありました。

『泣きむしストラテジー』。クレアが実にあかんですね。ゴキブリが出た、それで牡丹のもとに転がり込んで、でも、これを牡丹を泣かせるチャンスかも知れない。そう思うクレア、ああ、成長したのかも知れませんね! いえ、ごめんなさい、全然駄目でした! クレア、牡丹組のバタバタがあれば、つくし、アメリア組の、ええとなんだろう、ほのぼの? 意外と気弱? そうかお箸は苦手でしたか。そんな様子が描かれる。でもって、このふたりが助けを請われてクレア、牡丹組のバタバタに加わるんですが、おお、アメリアさん、大活躍。しかし、それで感謝されても嬉しくない。抱き付かれて、堕天するでしょ!! って、そんなせりふもなかなか聞けるもんじゃありませんよ。

  • 『まんがタイムきらら』第15巻第3号(2017年3月号)

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