2017年11月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2018年1月号

『まんがタイムオリジナル』2018年1月号、一昨日の続きです。

『コスプレ先生の絵画教室』。サンタクロースの衣装着て、袋からそんな箱出したら、そりゃ中身を期待しますよ、ななみさん! 生徒さんたちがっかりして、それでななみもウケなかったとがっかりして、ええ、誰もががっかりですよ。まなの発案で、クリスマスケーキ、の飾りのマジパン人形を作ることになりました。って、またマニアックな。ケーキ本体は作らないんだ。これ、ななみがさすがにうまくって、あの、まな人形、すごくいいですね。まながうまく作れなかった人形のまわりを、これまた出来のいいバラの花や葉っぱで飾りつける残酷とかもおかしかったです。もりもり作られていくマジパン大作が土台のケーキを潰してしまってたり、そしてこれを教室に持っていったら、課題と勘違いされてしまうとか。描くの難しいといっていた生徒さんたちが、食べてしまうと聞いてもったいないとスケッチしだすのもよかった。ええ、その気持ちわかりますよ。できたって嬉しそうにスケッチを持ってくるところね、あの表情が素敵でした。

『ぎんぶら』。今回はコスプレ惑星なんだ、と思ったら、もっともっと先に進んでましたよ! なんと、アバターを使うんだ。冬眠中、意識だけを擬体に移して生活するとか、おお、まさにSF。でも、人気のキャラかぶりとか、出向かえてくれた市長が中身はメタボのおっさんとか、ほんと、夢とか希望とかを打ち壊していくスタイル、さすがであります。デフォルトアバターのわびしさとかもおかしくて、ああ、自分は棒人間になるタイプだ。人気アバターが抽選になったり、納期優先で自分のアバターを用意できなかったクリエイターとか、こういう発想もおかしくって、そしてアバター選びが暴くその人の本質みたいなのね。おかしい。ほんと、おかしい。ライオンになりたかったコギ太郎とかもいい。リリーは恐竜だし! ほんと、この自由さ。で、やっぱりなんか酷い目にあってる権田原! 酷い目というか、わびしいなあ! しかしこの世界、見た目、スタイル、そうしたものの持つ意味がものすごく希薄になりそうですね。本体がおっさんでも、アバターが美女ならそれでいい、みたいなことにもなったりするのかしらん。人の意識のありかたが問われる、そんな環境だと思いましたよ。

『歌詠みもみじ』。もみじ、負傷! って、待って、待って、墨をする、その動作で手首やっちゃったの!? 右手をギプスで固定して、吊っちゃって、見るも痛々しい。そんなもみじの日課というかライフワークというか、川柳の代詠み? いや、代筆だけか、あのもたくさする感じがおかしくって、ほんと煽り力が高くなってるよ。皆が甘やかしてくれることが嬉しいもみじもなんか可愛い。ギプスに寄せ書きするのもね、青春っぽいっていうんだけど、クラスの子がわーって集まってくるのがね、ああ、みんないっぺんやってみたかったんだね! で、まったく無意味な激励メッセージがでかでかと書かれて、ほんと、いっぺんやってみたかったんだね! 皆からちやほやされて、いや、支えられたことが嬉しかったみたいですね、もみじ。ギプスもいい記念品になったようで、と思ったら、貸しは帰さないといけないのか! 厳しい友人たちだ。でも、この遠慮のなさは近しさの証拠だなあ。

『部屋にマッチョの霊がいます』。アッコが成仏できない理由、本人が知ってるんじゃないか疑惑を確かめるべく、そうしたシチュエーション描いた映画を一緒に見た木葉です。浄霊の参考にとかいってますけど、実は疑っている。そんな木葉が、神奈子と一緒にアッコのこと話したり、そしてどうしても頑張りすぎてしまう涼さんのこと、自発的に助けようとして動けるようになったりね、すっかり変わった。ダメダメだった、そんな自分から、ちょっとだけでも頼もしいダメダメになれたって、自分でも思えるようになった。それがアッコのおかげだって、自然と思えた木葉のその気持ちが素敵なエピソードでした。アッコと木葉、本当にいい出会いだったのだと思いますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第37巻第1号(2018年1月号)

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