2018年2月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2018年3月号

『まんがタイムきらら』2018年3月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。花名とたまてでありますよ。ふたり制服にカーディガン、セーターを着ているのですが、花名はピンク、たまては淡いブルー、その対比、なんだか対照的ながらもうまいこと調和して、いいですね、このふたり。ちょっと見下ろし構図? 強めのパースペクティブ印象的で、これ、よりポップ感を押し出す所以であるのかな? ええ、なんだかとってもポップな雰囲気。けど、花名がちょっとたまてに引っぱられてるっぽいのは、この子のらしさありますよね。

『スロウスタート』。前回登場の兆野綴さん。今回は冒頭から登場して、ああ、花名との出会い、あれが嬉しかったんだなあ。頼られたって、勘違いなんですけど、喜んでて、それを友達、溝端創、通称つっくんに報告してる。このつづりさん、クラスに友達とかいないのかも知れない。先生から指摘されて悔しそうにしていて、その悔しさをかわいい後輩にぶつけるのか。花名の悩みをともに解消したい、その気持ち全面に出して、それが花名を困惑させる。今回ね、この先輩の介入でちょびっと人間関係に揺れ動きが生じてるみたいなのがね、面白かったのですね。具体的にいうと、たまてが軽度のジェラシー。というかたまて、この子は栄依子のことどう思ってるのか。花名がいらないなら私がその先輩頂いちゃってもいいかしら? いいとも! おっと、ちょっとハメをはずしてしまいました。つづり先輩を前にして、花名の心のうちに揺れ動く気持ちが切なくて、出逢えた友人たちの大切さ、その喜びがあり、けれど語れないものもあるんだっていう、そうした気持ち。ええ、今は悩みだろうなあ。それを抱えて、けれどいつか笑い話みたいに振り返れる日がきたらいいですね。今の重みが、軽く思える、そんな過去になればいいですね。そして楽しい思い出ばかりが残ればいいですね。

城下町のダンデライオン』。高校の創立祭で劇をやります。題材はとりあえずおおまかに決められて、そして主役はお姫様がアンジェリカに、王子様が櫻田遥にと決められて、あれ? 茜様じゃないのんか? ああ、そうだ、茜様は卒業されて大学生になられたのでした。アンジェのからみで、まだ高校に通ってらっしゃいますけど。今回のアンジェと茜様のやりとり、突然プリンセスが興奮しますとか、めちゃくちゃ面白かったな。でもって、この時のやりとり、クラスの子に誤解されて、アンジェが遥のことを好きなんじゃないかって、噂がどんどん大きくなる。分身能力活用して噂の訂正に奔走する、させる? 岬の頑張り、焦り? これ、おかしいな。でもって、ちょっとずつ自分の望みを口にしていくアンジェ、これとってもいいですね。でも、王子役に茜様抜擢は阻止! この時折のドタバタした感じも面白い。いい感じにキャラクターが動いていると思いました。

『佐藤さんはPJK』。留年を繰り返して女子高生を続けている佐藤さん。それもまた奇行でありますが、今回は鈴木千春、この子の奇行がより一層に加速して、え? ダンボール箱に入ってストーキングしてるの? あれがバレないの、ゲームだからよ? いくらなんでも、これは漫画だからバレるよ? ええ、バレてました。見事にバレて、放置されてました。佐藤さんのこと知りたい一心で、ラッキーアイテムというダンボール箱を猫から奪って装備して、佐藤さんを尾行する。完璧な変装とかいってますけど、あからさまにおかしいから。佐藤さん、これ、一目で把握してるよね? 元家主の猫との会話、あれ、本当に通じてるのかどうか微妙にわからないのがおかしかった。でもって、猫に襲われるダンボール千春の様子見て面白がってたり、もうバレてることあからさま。で、見られてることわかって行動してるよね。あのビールも、千春をサカナに一杯てな風情なんじゃないかまで思ってしまいました。で、居酒屋でバレそうになった千春。汗かいたダンボールって! ここでバレるのかー!? って思ったけど、よく考えたら、ダンボールが汗かいてるのは漫画的な表現で、実際にかいてるわけじゃないよね。ふう、一種の叙述トリックってやつですかい(?)。今回、最後の落ちがよかったですね。全部バレてた千春が佐藤さんと話してる時のこと。お母さんにいろいろ心配されてる千春を見て、もしかして箱入り娘? この台詞。気の効いた一言、きれいな落ちだと思いましたよ。

三者三葉』。ああ、刑部聖と関口乃々華、ふたりがついに登場ですよ。前回、聖にメッセージを送った葉子様、ちゃんと連絡取り合えたのですね。三人で会うというその様子、見たい見たいという双葉だけど、さすがに後をつけるのはやめたんだ。常識のあるいい子だなあ! 葉山ちゃんと一緒に、葉子様の抜けたバイトの穴を埋めるんだ。いい友達だなあ! それに引き換え山Gときたら……。なんか今回の描写、関口さん、やたら可愛くてびっくりしましたよ。扉の私服もめちゃ可愛い。薗部の紹介するカット、制服姿もめちゃ可愛い。でもって、この三人の邂逅。ああ、三人、それぞれに経験してきたこと、出会ってきた人達のおかげでいろいろと変わったんだ、成長があったんだって実感させられる、そんな一時でしたよ。このお嬢様お茶会、次回に続くのだそうですが、うおお、必見! ほんと、次回こそがまさしく本番!? と、それはいいとして、ですわよとかいってたら引かれちゃうという聖の指摘に狼狽するお嬢ふたりがおかしくて、そして双葉視点の葉子様、姫カットがふたつ入ってる! この漫画序盤のノリを彷彿とさせる姫カット。これ、もう、最高だな。ほんと、最高に面白かったです。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第3号(2018年3月号)

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