2018年5月1日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2018年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2018年6月号、昨日の続きです。

すわっぷ⇔すわっぷ』。自分の後ろ姿を見ることができる、その特別さにふと気づいてしまった夏子 in 春子。夢芽から、夏子の背中にほくろがあること知らされて、赤面する夏子なのだけれど、いわれてみたら気になってきた、確認したいとう、なにこの自然な裸への導入。いや、自然か? ともあれ、裸になることの違和感はやっぱりあるようで、あの戸惑い、遠慮して帰ろうかという申し出あらば、それはそれで困る。じゃあ、4人全員でと、ほんと、なんだ、このおかしなの。背中見せるだけなら、ブラウスを下から少しまくりあげるだけでよかったんじゃ? 普通にお風呂にいくというので解決ですね。風呂は秋穂の家のを借りるんですね。しかし、こうして入浴して、自分の体を外から見るという、不思議な感触。その違和感? みたいなのちょっと感じられるのが面白かったと思います。しかし、春子、夏子、今回の描写なんか見てると思うのですが、ふたり、なんかどんどん深みに進んでいくのに、どうにも無自覚なんですよね。気づいたら随分な深さってやつなんじゃないかって思わされますよ。

『先パイがお呼びです!』。体育祭の応援団。よりこはどうする? 応援団、略して援団。なんか地獄の特訓があるとか、声が出なくなるとか、不穏な噂が流れてる。その実際を確認しにきなこのところへいくというのですね。けど、ほんと、きなこ、なんでこんなに不思議なんだ。生徒会室がピカピカしている。なぜ? ミラーボールが設置されてるから! って、なんでそんなもんが! ピカピカしてると仕事がはかどる。先輩はそういうのだけど、わからない……。よりこの感想、全体的によくわからないってのに、全力で共感でしたよ。ちょっと変わったシチュエーションでふたりきり。援団の話を聞いてみたりして、厳しいんだけど絆が深まったり恋が芽生えたりするよって、援団ラブってやつだよって教えてくれたのはいいけど、よりこ、興味はなさそうですね。むしろ、援団での絆よりも、生徒会室での絆の方に注目したい、そんな雰囲気ただよわせるふたりです。微妙に距離が近い。きなこは、こっちにきてほしいなんていっちゃうし、ほんと、このふたりの関係ね。援団ラブならぬ、生徒会室ラブを期待したくなるところです。

『はるみねーしょん』。これ、面白かった。漫符とかいったりしますよね。驚いたときのギザギザした記号とか、焦りの汗、怒りの青筋。そういうのを、はるみが作ってきました。透明の板に描いて、必要に応じて配置する。ユキから他にもあるかといわれて取り出す、その時に「ゴソゴソ」と書かれた板を置いてるのね、あれ、ほんと、強烈におかしかったです。実際の感情とは違う記号をつけておかしいっていうのはオーソドックスなやりかたですよね。けど、この漫画がそれをやると、オーソドックスなおかしみに、なにかまた一味違う独特の風がただよって、二重におかしいんですね。で、唐突な「おわり」。いや、終わらんのですけど、でもここで「おわり」のネタを入れたからこそ、最後の最後、はるみが「おわり」札を置いてからのおかしさがきわだったのだと思います。「おわり」。「提供 芳文社」。ほんと、これ、見るだに笑ってしまう。実に大威力でしたよ。

『はやしたてまつり♪』。おお、大人たちが本気を見せてくれましたね。さなみたちが学校についたら、そこはいつもとはまるで違っていて、並ぶ出店に、そして舞台が待っていたっていうんですね。ここにお祭りを再現したい。そうした思いが広がって、ここまでのものが実現したんだ。いわおもわくわくして、ニコニコしてという、この高揚感。うずうずとする。落ち着かない。そわそわ、どきどき、そうした気持ちの感触が実によく伝わって、そんな彼女らが、舞台について、演奏はじめるとなると、ああ、一気に空気が違ってしまうんだ。さなみのあの表情。穏やかさたたえて、そしてそこにるなが、ふうが加わっていく。ひとりひとりの気持ちがモノローグでもって語られて、その言葉に浮かぶのは、彼女らのこれまでですよね。不思議と静かで、あたかも対話し寄り添うようなその様子に、ああよかった、よかったなあと、そうした思いのわきあがって、しかたありませんでした。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第14巻第6号(2018年6月号)

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