2018年5月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2018年6月号

『まんがタイムきらら』2018年6月号、昨日の続きです。

『みゃーこせんせぇ』。生徒会長はネトゲ廃人。この情報をもって読み進める今回。ゲーム内アイテムが入手できるシリアルコードが付属するという本をですね、買いに走った生徒会長、そしてみゃーこ先生。見事に書店でかちあってしまったのはいいんだけど、先生、生徒会長、烏崎のこと認識しないし! 眼鏡はずして髪をしばったら、それでもうわからなくなるんだ。うん、わかる。困るよね。うん。女の人は、シチュエーションでいろいろ変化するからね。みゃーこ先生のプライベート、よかったですよ。街に出る時は普通の格好するんだ。でもって自宅ではいつものアレな格好。生徒会長を自宅に招いてのやり取り、これが面白くて、ふたりともにいつもとはちょっと違った立場での交流、その感触、雰囲気、実によかったです。隠したいことがバレる、その恐怖といいますか、しかもゲーム内ですでに知り合いだったとかね、いたたまれない感がばっちりで、そして生徒会長、開きなおりましたね。買えなかった本を先生に頼んで通販してもらおうっていうくだり。いやあ、いい感じじゃないですか。この、ちょっと本来の関係から逸脱して成立するなにか。こういうの好きなんですよね。

『初春が咲く』。この漫画、ゆったりとしたテンポとか、こちらの感情で埋めるべく空けられたと解釈していいものでしょうか、余白、空白多めにとられてる感触とか、実にいいと思います。でもって今回ちょっと思ったんですが、柚子とみどりのやりとり、お母さんみたいだっていわれたみどりの返しに、今や懐かしの『あずまんが大王』的なニュアンスなど感じとってしまって、ええ、面白い。これまでの、いろんな四コマのタッチ、テイストを感じるのは、この漫画が一種オーソドックスな系譜のうちにあるからかも知れない。それでもって、独特のネタの繰り出し。高校生たちの主に学校での日常に、恋愛の機微、押したかと思いきや、そっけなく退いてかわすみたいな、そんな軽快さもって、ひらひらとはばたくような自由さが心地いい。初回にも思ったことですが、やっぱり私はこの漫画、好きです。連載になるとのこと、支持した人が結構あったということでしょうか。ありがたいですね。

『グラスのマーメイド』。あれ? あれ? こんな漫画だったっけ? と思ったら、冒頭、のっけからの夢オチですよ。ええ、アイドルはありません。これ、ワイン売り場にて働く女子たちの漫画。今回は、長雨をうけての客の不入り。ひととおりやること終わらしちゃって、そしてできた時間を利用してのポップづくりですよ。お客さんに向けたメッセージとでもいったらいいのでしょうか。文字メイン、文章主体にしても、情報メインでシンプルにまとめたものあれば、詩的に情景描写するような心情に訴えるものまで幅広く、そしてそこに加わるワンポイントのビジュアルですよ。ヒメのポップ、その可愛さ、好評だけどちょっと恥ずかしいからって、後輩には伏せてたんですね。そしてルミとらんぷの挑戦です。ルミの、なんだこれ、不思議すぎるよ。聞こえてきたワインの声、それを受けて自分なりに表現してみせたのか。そしてらんぷの、ワイン擬人化。今風だ! これがSNSでウケるというのもまた今風。しかし、仕事のやり方、ポップのスタイルでもって皆の個性が伝わるというの。いいエピソードだったって思います。

『佐藤さんはPJK』。PJK佐藤に自分の名前を呼んでもらえた。超ご機嫌なめいですが、いや、この位置関係、どう見てもめいのこと視野に入ってませんでしたよね? ともあれ、めいのこのくだりを受けて、自分も佐藤から名前を呼ばれたことのないことに思いいたった千春。それ、結構なショックか。ああ、ショックかもなあ。あまりに落ち込んで、授業中にため息。先生も、あまりの様子に同情してくれた? 親身なつっこみが逆にいたたまれないって感じ、なんかわかりますよ。そして放課後、佐藤と一緒に街に出て、ゲームセンターいったりして、そこで楽しそうにしてる様子、ちょっとハイになった感じとか、これ、千春の美点よくよく押し出していたって思いましたよ。すごくチャーミング。すごく魅力的に描かれていました。プリントシールのラクガキで名前を書くよう仕向けるくだりも面白かった。チとサトって、千春のチと佐藤のサトか。なんで、そんな書き方したの!? そしてクレーンゲームでとったマスコット、これをめぐるいろいろ、これも実によかったです。そして最後に明かされるめいの真実。渡辺めい……。鳩の名前なのか……。これ、知ってしまうと、めい、立ち直れないかも知れませんね。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第6号(2018年6月号)

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