2018年5月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2018年7月号

『まんがタイムきららMAX』2018年7月号、昨日の続きです。

『どうして私が美術科に!?』。2学期が終わって、皆で打ち上げ。そこで通知表の話、成績の話になるんですけど、上がって嬉しい人があれば、残る皆が同じ成績で連帯感持ったりなんかして、ちょっとした疎外感? 一点突破で得意科目、専門科目に注力するものあらば、全体にまんべんなく力を振り分けているものもあって、こうしたところに見える性格、個性。そして、同時に鬱屈した気持ちなんてものがあるっていうんですね。そうなのか、紫苑、蒼にコンプレックスを持っているのか。桃音に話す自分の気持ち。年下や同い年、蒼に対しては、どうしても嫉妬の感情を抑えられないというその告白。しかもこれを桃音にしたのは、どこか桃音のことを見下してるからじゃないかって、ああ、自分のこと、しっかり見つめてるんだね、この子は。こうした気持ち、鬱屈、これはありますよ。どうしてもある。どんなものにもある。とりわけ、技量、才能がものをいう世界、しかもその差が一目瞭然になるものだと、なおさらですよね。人を気にしても仕方ない、けれど悔しかったり妬んだり、ええ、自分も、ジャンルこそは違いますが、それに似た場にいたことがあるので、わかりますよ。けど、そうした気持ちを人に話せること、それは紫苑が鬱屈した感情をもてあますことなく受け止める、その一歩をもう踏み出して、越えはじめている証拠なのだと思う。きっと紫苑は大丈夫、そう思えるものもあったのですね。そして、紫苑憧れのK. Suzunoなる作家さん。まさかの蒼のお母さん! そらそうか、そら、蒼の家に飾ってあるわ! この紫苑の驚き。さあ、これ、どう転がるのだろう。なかなか意外な展開きましたよ。

『魔法少女のカレイなる余生』。白鳥ななほし、実技の授業でひとりだけうまくいかなかった。あれまあ、しじまはあんなにちゃんとできたのに、ななほし駄目だったかあ。そういえば、ななほしの成績、下の下だって人物紹介にもありましたね。そんなななほしのこと応援しようと思ったしじまの取り組みね、これは本当にメインじゃないんだけど、ほんと見事にななほしから却下されちゃうんだけど、いやいや、いい友達じゃないですか。リラですよ。ななほしの悩み、リラが聞いてくれて、結構ズバズバ思ったこといってくれちゃうんですけど、この気の使わなさ、さすがリラさんって感じではあるんですけど、でもそのアドバイスは適切なものだったのだと思う。自信もなにも失いかけていたななほしを奮起させて、そして自信をつけさせるためにちょっとした手伝いをしてやる。小さく背を押してくれたんですね。まずは気持ちからだけでも、きっと大丈夫だって、いけるって、そんな気にさせてくれたんですね。ほんと、小さな達成だけど、ななほしにとっては確かな自信になったんじゃないでしょうか。そんなななほしを遠くから見守ってたリラの、そのクールさも素晴しいです。

『本日わたしは炎上しました』。連載になりましたね。今回は、最近話題のバーチャルユー、いやいや、バーチャルミーチューバーを話題にしまして、ええ、これ、実際にあったこと、うまいことピックアップして、顔バレしたとかね、けどむしろファンには喜ばれたとかね、ええ、ええ、ありました、ありました。この漫画、まぎれもなく時事系だな。今回は人気Vtuberの身元を特定してやろうなんていうんだけど、カナエ、ほんと、悪どいな。けど、カナエが悪いやつだっての、漫画の中でもがっちり指摘されるし、最後に酷い目にあうのも決まってカナエだから、まさしく自業自得ってやつ。この悪は必ず成敗されるという安心感、それがあってこそカナエの狼藉も楽しく読めるのでしょうね。しかし今回のターゲット、まさかのクロイだっていうの、あっさりバレるくだりもおかしかったんですが、そこからの攻防、自分の欲をいかに満足させるかの駆け引きが酷くて、ええ、この漫画で駄目なの、カナエだけじゃなかった……。ネットで人望、ほぼマイナスになってるカナエがいい。そして、SNSチュイッターユーザーを見下すカナエと、見下されても当然やで! っていう展開。ほんと、酷いんだけど、あながちカナエだけが酷いわけじゃないっていうのがなんともいえず、うん、この漫画は時事系だな。ずっとおっさんのふりしてたクロイの危機管理、これとても正しかったと思う。その危機管理をカナエが台無しにしてしまったの、それでクロイが面倒ごと抱えちゃうことになったの、うん、やっぱりカナエはクロイに当初の要求どおり従うべきなんじゃないか? って、クロイはほんと心が広いなあ。

『ももいろジャンキー』。美耶がデートだから可愛い服を買うっていうの、竜子がすっと真顔になるのおかしかったですよ。美耶のデート相手、ももですね。そうか、一緒に映画にいくんだ。ふたりの様子を見守るはなと竜子。これ、ふたりの出会い、仲良くなるきっかけにもなってますね。さて、美耶、可愛い服着ておめかしして、その様子は本当に素敵なお姉さんじゃありませんか。むしろはなと竜子が、自分たちの服装、おめかし大丈夫かなって心配する。いや、ちゃんと素敵ですよ、ふたりとも、個性が生きてます。見にいったのはキラキュアの映画。美耶、事前準備がばっちりっていうの、これ、もものために予習したのか、あるいはもとから見てたのか? いや、もとから見てた可能性あるな。なんてったって自称5歳児がいるからな……。映画館でライトを欲しがる竜子、ちょっと可愛いかった。この、なんだかイベントに参加したいみたいな感覚ね、一般人だからこその気負わない感じがあって悪くない。それでもって、映画の内容にもしっかり引き込まれて、っていうか、美耶にリンクしすぎなのが笑えて、そして泣けます。今回の、美耶のむくわれた感じ。なによりでした。最後の、はなと竜子も加わって和気あいあいと打ち解けて話すところなんかもなによりでした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第15巻第7号(2018年7月号)

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