2016年12月23日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号、昨日の続きです。

『ちんまり経理のヒメ先輩』。ヒメ先輩が機械もの苦手苦手で、かかってきた秀ちゃんからの電話、パソコン立ち上げてもらえます? そういわれて、あからさまに嫌な顔。ああー、苦手なんだなあってわかる。けど、今の子だったら授業でコンピュータ使うよね? とは思うけど、それでも苦手って人、きっといるんだろうなあ。秀ちゃん、資料を忘れた。なので、ネットプリントでコンビニに出力して欲しい。おおー、こういうのやったことない。しかも秀ちゃん、この作業慣れてるんだ。画面も見えないのに的確な支持出すとか、自分にゃきっとできねえよ。パコソン苦手で馴染みのない用語に戸惑うヒメさん、素敵でしたよ。でもブラウザはともかくブックマはあきませんよ。略称、こいつはあきません。ヒメ、ドラッグ&ドロップができない。死んだ母ゆずりなのか! 必死の思いでPC操作するヒメ。その鬼気迫る様子たるや尋常でなく、でももうほんとおかしかった。コンピュータ、もっと進化して、ヒメにも使いやすくこなれたらいいですね。

『お役所忍務のススメ』は、気配もなく忍び寄るおじさんの話です。課長の同期の大原さん。娘が忍者課のファンで、って、わー、よかったじゃん、しのぶー。そう思ったら、あ、娘の心を奪った……。そうか大原にとって忍者課は敵なのか。パパさん、影が薄い。それを気になさってるのか。でもそれを忍者向きの素養だっていってしのぶに褒めてもらえて、でも特段嬉しそうではない感じ? そう思っていたんだけど、ほんと、忍者大好き、いつでもポジティブ、そんなしのぶに師匠認定されるわ、さらには地味で目立たない、そのことを、問題なく当たり前を当たり前にこなしてるからと、それはすごいことなんだと評価してもらえて、ほんと、このしのぶの言葉、多くの人に元気を与える、そんな言葉だったと思います。そして大原さん、娘にしのぶから師匠と呼ばれたこと伝えたら一気に株があがって、影薄くなりたいって……。いや、悩まなくっていいっすよ! 少なくとも、しのぶ的価値観じゃかなりいけてるわけですから!

『君のパンツに一目惚れ』、ゲストです。絹森萌黄君。入学式、後ろに座ってた女の子から素敵だったからって声かけられて、一瞬喜んでみたものの、素敵だっていうのはパンツのことだった。パンツのゴムのところに、名前とそれからクマのワンポイントが刺繍で入っていて、母ちゃんめ、やりやがったな、ってなところなんですが、なにが縁になりますものか、女の子に気にいられてしまった。しかもこれがきっかけで、クラスでのあだ名が決まってしまって、それがクマパン。本名より先にクマパンが定着してしまった……。つらい、つらいな、絹森。でも、女の子、それもかなり可愛い女の子、小桜つぼみにそんなにモテて、よかったじゃないか、といってもつぼみが好きなのはクマのパンツなんですが、ねえ、そもそもなんでパンツが露出しとったのよって話でもあって、つぼみには見せパンと思われてたし、母ちゃんに文句いったら、なんでパンツ見えてたの? ほんと根本のところを反省させられることになる……。萌黄、なんだかんだでつぼみと繋り持ててよかったじゃん、というのは外野の無責任な感想なんでしょうね。本人は思い悩んでいて、しかもクラスからはつぼみから告白されたと勘違いされていて、このなんともいえないナンセンス。おかしかったです。

『アテナの初恋』、素晴しいわ。地上の情報を収集するフクロウ部隊を統括するグラウクス。本人もフクロウなんだけど、その功績が認められて人の姿になれるまでになってるのか。すごいよな。こういう設定、神話から汲み上げて、こうやって漫画にして面白く読ませてくれるのもまたいい感じで、このグラウクス、アテナのことをね、お奇麗になってって褒めて、お、いい感じじゃん、そう思ってたら、え!? お世辞なの!? まさか、これが後々に効いてくるとは思いませんでした。元鳥だからと部下から疎まれたり、さらにはハメられそうになったり、でもこうした悪意に慣れてるんだろうなあ。グラウクス、アテナの目の前で、アテナの力も借りず、全部自力で解決しちゃった。そんなグラウクスのさらなる出世を受けて、アテナ様、お前みたいな部下を持って誇りに思うよ。その言葉、アテナの本音もちゃんと理解しながら、お世辞とわかっていても嬉しいものですね。ああ、部下と上司という関係を維持するためなのかい? あるいは? ええ、人間も神様も失敗しながら成長していく、最後の言葉が素敵でした。アテナ、グラウクスの誉め言葉、お世辞なんかじゃないって気づいたんでしょうね。

メェ〜探偵フワロ』、めちゃくちゃ面白いよ。フワロ氏、このところ小説の分野で活躍していたけど、やっぱり自分は探偵がいいのだと、そういってホールスの事務所に押し掛けるってんだから困ったおっさんです。じっと座って思索をめぐらせるホールスの周囲をぐるぐる歩いてみたり、って、それで羊数える効果が発生するのか! すごいな、ちょっとした必殺技じゃん。ほんと、ホールス、ペース崩されっぱなし。イライラが募っているの、ものすごく伝わってきて、しまいには我慢強い彼も降参してしまう。フワロ氏の捜査のやりかた、興味もないのに聞いてるホールスが不憫。しかも、その手法っていうの、途中からセクハラトークになって、あからさまに興味を失ってるホールスがすごい。めちゃくちゃ面白い。全然話きいてない。最高だ。そして、ホールスからフワロに譲られた人探しの依頼、これがまたすごい。うおー、往年の女優、どう見てもヴィヴィアンじゃん! フワロ、思いっきり拒絶するけど、あまりの展開に、ホールス、状況理解できてへんし! ヴィヴィアンに引き合わせた時も、ホールス、顔色失ってますよね。ほんと、予想もしないヴィヴィアン落ちに心底やられました。そしてヴィヴィアンの驚愕の過去! あー、そうか。じいさんへの愛の終焉、それが彼女をここまで変貌させたのか……。ちょっと切ない恋の挿話。そして新たな恋の育まれている今、ああ、ヴィヴィアンのその情熱! ちょっとフワロ氏には届かないようですねえ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第26巻第2号(2017年2月号)

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