2012年5月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。いや、もう、なにこれ、素晴しい。チノ、千夜、シャロの三人が、って、主人公がいないよ! しかし綺麗な表紙です。キャミソールでいいのでしょうか、髪や目の色に合わせた淡い青、黄色、緑の色合いとても美しく、三人の周りには色とりどりの熱帯魚や金魚が泳ぐ。髪や裾の感じを見るに水中ってわけじゃない、けれどなにか重力感じさせない、そんな浮遊感のあるイラスト。素敵です。

ご注文はうさぎですか?』、素晴しいですね。扉に電話で話す5人のイラスト。表情の違い、くつろいだ雰囲気、レトロの受話器も可愛くて、ほんと、素敵。というわけで、今回はコミュニケーション、おしゃべりがテーマなのか。導入がふるっていました。今日はいい天気、といいながらインドアを貫こうとするチノさんには、ああ、すごく共感ですよ。ボトルシップを作っている、もうすぐ完成する、っていうんですが、ココアに散歩にいこうと誘われて、外出することになるんですね。カラーをいかして綺麗な街並み描いて、ええ、この街の風景、ほんと魅力的。あの看板とか、すごいよね。ほんとう、見事な意匠だと思います。さてさて、皆の休日、リゼの可愛いものに対する嗜好、それを似合わないと思ってるんだろうなあ。バイトするシャロ、趣味と思われてるのね。千夜もカラーにちゃんと間に合って、レトロモダン様式、可愛いです。けど、今回のメインはチノとココアでありまして、人付き合いの苦手というチノ。対して誰ともすぐに親しくなれるココア。って、この青山ブルーマウンテンさん、最近映画になった小説って『うさぎになったバリスタ』? で、これって、なにかの伏線になってたりする? 考えすぎかも知れませんが、ちょっと興味出ますよね。チノは、人付き合いが苦手と、実際以上に思い過ぎてるんじゃないかなあ。そんな風にも感じられるんですが、その苦手意識が、リゼに似てるロゼさんのおかげで柔らいだのだとしたら、ほんと、よかったなあ。いやアレリゼじゃろ、には笑ってしまったんですけど! ちょっといつもよりおしゃべりしたい気分のチノ。ひとりでなにかする、そんな一日も楽しいけれど、誰かとおしゃべりして過ごす、そんな日も楽しいんだなっていう、そんなエピソード。小さな話、けど、チノにとっては小さくなんてなかったんだな。あの、誰かとお話ししたくてそわそわしてるのなんてね、なんて可愛いんだろう。ほんと、いいエピソード。導入から、うまく出来事の流れを作って、繋いで、過不足ないと感じさせる、ほんとうまい構成。カラーページも目に美しく、華やかで、素敵でした。

きんいろモザイク』、素晴しいですね。新しいクラスで、新しい担任の先生。A組しの、カレン、陽子のクラスですね、家庭科の久世橋先生って、あっ、ふと思ったんだけど、この漫画って、登場人物の名前、京都の地名に由来してるの? って、うわ、ほんと、そうっぽい。猪熊通とかあるんだ! 知らんかった! 閑話休題、久世橋先生、真面目でピシっとしてて、厳しい先生。カレンの服装、びしびし指導するんですね。カレンの言い訳とか、すごくおかしいんだけど、それがしの相手となれば、ただただ怖れさせてしまって、なるほど、これが久世橋先生の悩みなんだ。可愛いと思うあまりに見つめてしまうと怖がられる。それで悩んでる、なんとかしたいと思ってるところをカレンに見付けられて、そしてアリス、しのからは、その視線の向こうにある愛情、ちゃんと気付いてもらえていて、ああ、先生との和解も近い! そう思ったら、わあ、やっぱり根っから真面目で、厳しいのもそのとおりなんだ! いい落ちでした。面白かったです。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は文化祭での陸上部の出し物、それが陸上に関係ないといってがっかりする椿なんですけど、まあ、それは仕方ないよなあ。で、文化祭で陸上部、なにをするかといったらLSD喫茶、って、これ外聞悪いなあ! ここで関東大会に出る浅見さん北川さんと、椿たち文化祭組にわかれて、ちゃんと陸上のエピソードも織り込まれるのが素晴しい。しかし、あの浅見さんを辟易させる北川さん、すごくいいな。人恋しいだけっていうけど、ほんとなのか? それ以上のなにかも感じるんだけど……。今回は準備の風景、次回こそが文化祭本番ですね。高山さんの隠れた才能、これもどう生きてくるのか。すごく楽しみですよ。

『アナタ好みのヒロインがアナタを倒しに来た件について』、ゲストです。正義のヒロインもの、っていったらいいんでしょうか。あまりに正義のヒロイン、紅月リアが強すぎるから悪の組織からクレームがついて、だからヤラれるかわりにヒロインに自分の好みを押し付けることができるという取引がなされたっていうんですね。なんか不思議な前提だなあ。リアは魔法少女をやりたいみたいだけど、今回は幼稚園児プレイを要求されて、もうぶちのめしてやれよ、こんな連中、と思ったら、そうはいかないのか。そこでおこなわれてるのは、セクハラといっていいものじゃないかなあ。ヒロインがセクハラを受けるのが毎回、となるとちょっと辛いかもと思えます。自分から望んでやってる、じゃなくて、やらされてる感が強いのが楽しみにくさにつながってると感じました。

『ソラミちゃんの唄』、ゲストです。冒頭を見れば、おお、音楽ものか。趣味で曲作って、録音して、発表して、それを趣味にしてる人、と思ったら、加えてひきこもり一直線なのか。浪人生、なのに勉強もせず音楽ばっかり、って、もうそっち方面に進んじまえよ! と思ったりしたんですが、そういうつもりはないんですね。この人は勉強からの逃避で音楽をやってる、みたいなところもあるのかなあ。けど、あんだけ熱中できるのなら、音楽をメインに据えちゃったらいいのに、なんて思ったりしたんですね。この主人公、ソラミにはちょっと複雑な事情があるようで、お母さんと対面できない。仲が悪いわけじゃないけど、双方直面できない事情、わだかまりみたいなのがあるみたいですね。逃げてることはわかってる。けど、なかなか乗り越えられない。音楽はフレーバーなのかな? けどそれも軸にして、問題を受け止め越えていく、そんな話になっていくのかな? ちょっと続けて見てみたい、そう思わせる第1回でしたよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第7号(2012年7月号)

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