2015年10月31日土曜日

ダ・ヴィンチ系女子高生

 そうでした、思い出しました。私が駒倉葛尾という作家と出会ったのは、『教師諸君!!』という漫画が最初で、その時も、趣味でおっさんや爺さんが罵り合う歴史まんがを描いていた旨、書かれておりました。ということ踏まえれば、この漫画こそは、作者の表現のルーツに立ち返る、そうしたものに他ならないのではないだろうか! ある意味、得意ジャンル? それだけに生き生きとしたおっさんたちの生態見て取ることができて、そのおっさんっていうのもレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロといったビッグネーム。ところが、これ、美術やなにかの大家というより、その当時の変わりものと出会いましたといった風。面白くってですね、そして時にちょっと感心させられるところなどあるのですね。

この漫画は、先にもいいましたように、レオナルド・ダ・ヴィンチなど、ルネサンス期にその才能を発揮した大芸術家探訪といった風味のある漫画であります。とはいえ、けれど、学習漫画といったような感じはなく、むしろかつての中世を脱し、文化芸術の花開かんとする時代の人々、その時代の風物に出会い、知る、そうした感触の方がより強く感じられて、そうしたところが面白いといった漫画なのでありますね。

主人公、黒中みどり、この子のキャラクターがいいのかも知れませんね。特段、ルネサンス期の事情に詳しいわけでなく、また美術、芸術に造形が深いわけでもない。今風、といっても、駒倉葛尾漫画の登場人物なので、本当の今風の女の子って感じでもないのですけど、なんのかんのいっても真面目で、なんのかんのいっても知的よね。ともあれ、普通の子みどりが、なんだかぷいっと昔のイタリアにタイムスリップしちゃって、そしてレオナルドと出会う。壮年のレオナルドに出会ったかと思えば、青年の、少年の、老年のと、時代もなにも飛び越えて、結構ランダムな感じで出会っていく、その時々のレオナルドのキャラクターの違いよう。若い頃の方が偏屈って、なんやねん、君! でもそんなレオナルドも、何度となく出会っているうちにクロナカと打ち解けて、なんだか年の離れた友達みたいになって、その関係、ちょっと気の置けないみたいな? それが悪くないんですよね。というか、レオナルドからしたら、クロナカはオカルトそのものだよなあ。

ルネサンスの頃には、ナイフもフォークもなかったとか、そういう当時あるあるネタ、なんか嬉しかったですね。そうなんですよ。昔の時代のもろもろ、女性というものの扱われ方とか、時代時代で変わる常識の違いも効いている。レオナルドの若い頃には認められなかった解剖が、ソフォニスバの時代にまで下れば、男ならできるようになっているとか、けれどそうなってくると、女だからと許されないことやら画題やらが問題になってきて、ほんと、こういうもので伝えてくれる時代時代の意識の違い、面白いし刺激的で、しかも出会う人、経験したものについて、クロナカ、持ち帰って調べるでしょう。その調べてる時にアドバイスくれる高階先輩とか司書教諭の若桑先生とかがまたよくって、しっかりした知識や当時のこと教えてくれたかと思えば、あるいは先生に顕著なんですけど、乙女ゲームの知識とか盛り込んでくれたりしましてね、なんだろう、結構カオス? けど、こうしたやりとりがあってこそでしょう、簡単に割り切ってわかったつもりになってはいけない、そうした過去と今の前提となるものの違いやら、同じように感じ、思うこともあるってことが、自然と伝わってくる、そんな風に思えてくるんですね。

しかし、クロナカ、この子が本当に魅力的。さっぱりしてて、度胸があって、そして男装がめちゃくちゃ可愛いの! ほんと、クロナカ、最高だと思う。そんなクロナカが直面する本当の貴婦人の実際とかね、このネタもほんと最高で、いや、もう、そらそうだよなあ! そして驚愕のカバー下。あ、なんか面白小ネタきちゃった? とか思ったら、違うのか! 最初はこういう設定だったのかー! まさしくヒロイン下剋上物語! いや、でも、若桑先生ならぬ高階みどり(仮名)、彼女も実に魅力的だと思いますよ。

2015年10月30日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2015年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2015年12月号、一昨日の続きです。

『カスタムメイド!』は、なんで、いきなり赤ずきんちゃん? なんか、文化祭とか演劇とか、そんな話してましたっけ? とか思ったけれど、まあ、ユウさまが可愛いからいいか。これ、結局はマサキの考えた漫画だったわけですけれど、それであの全然おつかいがはかどらないユウさま。もうね、マサキにとってユウがどういう存在なのか、わかろうものです。病気のはずのお婆さん、まあ、マサキなんですけど、歓迎の飾り付けしたり、自分から迎えにいったり、そうしたら家が留守だから狼の役割なくなって、ともない猟師の役も薄くなってという、ほんと、この根底から駄目な赤ずきんちゃん。アサヒがね、全然余裕なくって、ほんと面白くて、つくづくいいキャラクターでありました。

『ばーどすとらいく!』、なんと、まさかのクルとクロの秘密。すごいのね。クルの任務を妨害すべく送り込まれたクロだけれど、まさかそのクロがクルと姉妹であったとは、どういう運命のいたずらなのでしょう!? いや、まあ、本当の姉妹ってわけじゃないらしいんですけど、というか、総統、あんたが育ての親か! というか、孵卵の親? いつもコミカルなポジションにある、そんな総統のシリアスで、そして真摯な側面が見えて、いやあ、いい上司じゃありませんか! でもって、クルとクロが義理の、育ちの姉妹であるとふたり納得して、姉がクル、妹がクロ。そうと決まれば、とたんに全力で甘えだすクロですよ。ああ、なんかもうほんとおかしいなあ。なんだかんだでいい姉妹っぽいですよね。そしてまさかのせっか、妹志願! いや、いいよそれ、がんがんいっちゃって!

『へんてこバスと飴玉くるり』、いったいこれ、どういうこと!? 月光号、まさかのレース出場。それに伴いレース仕様になっちゃってるんですが、この上背でレースとか、ひっくりかえらへんの!? 大山国際ダウンヒルレース。って、これ、今、鳥取? 米子っていってるから鳥取で確定か。そこでアオイと因縁ありそうな女の子、ミシェル・マルタンが絡んできて、これはいったい? 決着? なになに? って、これ、さんざんのっけから盛り上げたと思ったら、ミシェルいきなりのペナルティとか、さらに月光号、煙幕、マキビシ、オイル噴射とか、それだって反則だろう! チキチキマシンな感じのレースになってますね。しかし、ミシェルの狙っているもの、まさかのビー玉ちゃんで、さあ、このレースどうなる? って、両方リタイヤじゃん! って、レース仕様の月光号にビー玉ちゃん、乗ってたの! ほんと、これ、次回に続くって、ここからまだレース続けるの!? ほんと、想像を超えた展開にわくわくですよ。

『癒さレクチャー!』! もう、この漫画、大好きですよ。さて今回は新機軸、なんと麗がもやもや指数を使わない! 財布にお金が足りなくても、たとえ嫌なこといわれても、気持ちをぐっとおさえて、妥協するって決めたんだ! 聖、もやシスマネジメントね! って、この子のポジティブシンキング、毎回すごいな。ともあれ、麗、もやシスをためません。かわりにゆるゆるをためることにして、聖を褒める、しおりも褒める、七瀬のことも……、うん、ばっちり褒める! ゆるシスをためるっていうんですけど、この麗の姿勢、素晴しいじゃん。ほんと、褒められて赤面の七瀬も可愛いじゃん。けど、ついにさとりの境地に達したと思われた麗も、七瀬の攻撃に陥落。ついに発動、500もやシス!!! もう、最高だな、この漫画! 冒頭からの麗の表情、言動、ずっと面白いしさ、あのお風呂で溺れかけた時っていうの、あれなんか、すごい強烈だったし、でもって、ためてためて、じらしてじらして、いっぱいいっぱいまでに力がたわんだところで、渾身の500もやシス! もう、たまらんですね! 最高ですよ。もう、ほんと、大好き。すっかり地が出てしまってる麗のムキーッも素晴しい。そしてもやシスのパラドックス。ああ、ほんと、人というのはえてしてそういうものかも知れない! しかし、ほんと、皆かわいいわ。面白いわ。麗、ぷにりたいわ。そして駄目押し、まさかの聖、50もやシスですよ!

  • 『まんがタイムきららキャラット』第11巻第12号(2015年12月号)

2015年10月29日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2015年12月号

『まんがタイムオリジナル』2015年12月号、一昨日の続きです。

『北斎のむすめ。』は、お栄が風邪ひいて寝込んでるんですね。しかし、弱ってるからか辰に甘えたりして、そういうのなんだか面白い。悪くない感じだったんですね。あの、目の前がぐらぐらする、なんての典型的で、ほんといつになく弱気で、実は地震でした、皆に置き去りにされて、ほんと展開いかします。栄の世話をしてる辰がですね、なんか頼れるお姉さんで、しかもなんだか色っぽくて実に素敵。ほんと、いいキャラクターが揃ってるいい漫画。歌川一門もおかしければ、北斎の身内も同様で、ほんと、皆ちょっとずつダメなのが最高です。

『歌詠みもみじ』もいい感じ。母娘げんかが川柳合戦。そんな母の娘にさずけたためになる歌、これがいかして、そうかあ、腕時計かあ。でも、今どきは腕時計してない人も多いから、ちょっとわかりにくくなってるかも知れませんね。今回は、家族の情景がメインです。けれどそれもまた面白くって、仲良し家族ですよ。ちょっと父が不遇な感じですが、それもまたよしといいましょうか。そしてママさんの幼ない頃の写真。もみじにそっくり。そうかあ、育つとアホ毛が伸びていくんだ! この母娘の似かた、あるいは父母両方に似てるのかもっていうのが、ええ、やっぱりよかったんですね。

『あかるい夫婦計画』。丸文字、これ懐かしいなあ! 自分は、これ、子供の頃に見て、正直なんというか、目を疑った。自分より年長の文化じゃないかなあ。普通に見えるお姉ちゃんが、字をかいたらこんな変体少女文字で、なんだこれは! って驚きたおした覚えがあるんですよ。他に面白かったのは、ネコだと思っての話。ああ、ネコ好きだからネコに見えてしまうのか! うん、眼鏡かけよう。でもって夫がツヤツヤ。ほんと、この人はどんなことでも素直に反映されそうな予感がします。

『ぎんぶら』、うおー、この星いいなあ。快眠惑星スリッグ。最高級寝具で有名っていうんですが、あまりに心地良くて、そのまま起きないレベル、って、やべえなそれ。でも、ほんと、いい寝具ってすごいらしいですよね。起きないとか、三日三晩眠るとか、そんなレベルのものはさすがにないにしても、ほんと、質のいい眠りというの、自分も体験してみたい。でもって、スリッグ星人の価値観。これも素晴しい。基本、睡眠優先。ついでお茶の時間優先。この仕事よりも休息優先の価値観。ほんと、これ、見習いたい。かくありたい。そう思わされました。

  • 『まんがタイムオリジナル』第34巻第12号(2015年12月号)

2015年10月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2015年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2015年12月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』、TVアニメ化決定とのニュースつきでありますよ。真ん中に青葉、その両手に先輩ふたり、八神さんに滝本さんの手をとりまして、とてもほがらか、晴れを感じさせるいいイラストであります。三人のうしろには、登場人物、ずらり、いっぱい、勢揃い? してまして、このにぎやかさ。これだけの人が、ゲームをもって繋がって、仕事をしているという、そうした広がりも感じさせれてくれる表紙だと思いました。しかし、こうして青葉見てみれば、高校生かあるいは中学生みたいに見えますね。いつまでも初々しいお嬢さんであります。

GA — 芸術科アートデザインクラス』、ああ、この漫画の、このふところの深さったら! 冒頭に語られた美術という選択の意義についての問い掛け。将来本当に役に立つかどうかもわからないのにね。うん、自分も学んだことを、ちっとも役立ててない……。この問いをうけた人、いったい誰なのだろうと思ったら、宇佐美先生。学生のころ、この学校の情報クラスに在席していて、その時に友人からいわれた言葉がその後の進路を決定させたというんですが、ああ、本当にこれはすごい。その友人は、美術がきらいだったんじゃない。むしろ美術は、絵は好きだったという、それが明かされるくだりなど、実にスリリングで、これまでに思っていたこと、感じていたことが、がらりと色を変え、様子を変えるのですよ。その時の、宇佐美先生の内心の、そこに息づき、動いていた感情、思いはどうだったのか。あるいは、その友人の思いたるやいかなるものであったろうか。その答えは描かれず、描かれないからこそ、宇佐美先生はなおも思いつづけている、そうしたことがわかる。ええ、なにもかも答えが用意されてる、そんな漫画じゃないんだな。読み手である私が感じ、思い、どうだろうと考えをめぐらすように、この登場人物たちも、その時、その瞬間に、いろいろを感じ、考えている。ゆえに、伝わるものもあるのだ。そう思わされた今回。本当、見事な展開、見事なテーマであったと思います。

『まちカドまぞく』、シャミ子がゆるキャラになるそうですよ! って、ああ、着ぐるみの中身。おお、その選ばれた理由よ。背が、背が小さいからか……。うん、着ぐるみは背の低い人がいいんだそうですね。背の高い人間が着ると、でかくてちょっと怖くなっちゃう。しかし、この着ぐるみ活動がですよ、まさか新たな出会いに繋がろうとは。シャミ子のピンチを救った女の子がですね、コスプレぶらり旅? いや、シャミ子さん、それどういう発想なんですか。魔法少女のコスチュームを着てらっしゃるんです。シャミ子のピンチ再び。しかも、その彼女の持ってる情報がやたら偏っていて、シャミ子、焦りまくる。おかしかったなあ。でもこのお嬢さん、けんかっぱやそう? とか思ったら、いやいや、すごくいい子じゃないの。危機管理発動させたシャミ子にも、親切な手を差し延べて、こんな弱そうな子、しばかないわよ!! って、見るからに弱そうなのか、シャミ子。ほんと、おかしかった。陽夏木ミカンさん。桃にミカンと、フルーティな面々。しかし、誤解のもとは桃。仲良いの? とか思っちゃうやりとり見せてましたけど、ほんと、また面白い仲間が増えてわくわくですね。

Aチャンネル』、お、昔の話ですか? るんちゃんとトオルの小さい時分の話。ショッピングモールでおこづかいもらって、モール内で遊んでなさい。と、そこでるんちゃん、小さな女の子をナンパですよ。渚ちゃん。ちんまりした子、ものすごい美少女。って、待て! この子、知ってる気がする! トオルが自分の人見知りに絶望していたり、そして渚、お金持ちだ! でも、金銭感覚、常識的で、すごいな、いい子じゃん。なのに、どうしてあんな風に……。いや、ナギさん、大好きですよ。お父さんと再会しての見事な笑顔。おおう、こりゃお父さんもメロメロになるわあ。そう思わせる魅力溢れていて、しかし、なんでそれがああなった……。この話、どうもナギは覚えてないようで、トオルの反応など見れば、ああ、これは一生、このまま忘れられたままになっちゃいそうですね。

『ジューンフレンド』、ゲストです。5月という半端な時期に転校してきた女の子。神奈ゆずき。恋をするために編入してきたんだそうです。恋? なんだか変な女の子。この子と席が隣りになって、ちょっと人付き合いが苦手な平山はる。ふたりが仲良くなっていく、そんな話であるようですよ。しかし、はるさん、人間嫌いとか、そういうわけじゃないんですね。ただただ苦手、うまい受け答えができない、そんなタイプで、失敗しては後悔しての繰り返し。けど、ぐいぐいいらっしゃるゆずき、この子の距離の近さ、はる曰くお嬢様パワー? 壁が一切ないというその踏み込み、むしろはるには相性のいいタイプだったといえそうですね。さて、このゆずきの転校の理由。なるほど、見合いが嫌で逃げてきた。家出なん? 好きな相手を作って、絶対に恋愛結婚するのだと決めているのだけど、そんなゆずきは家事が苦手。でもってそいつをはるに教えてもらおうという。それでなお仲良くなっていきそうな予感。友といわれて嬉しそうなはるもよかったですね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第11巻第12号(2015年12月号)

2015年10月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2015年12月号

『まんがタイムオリジナル』2015年12月号、発売されました。表紙はハロウィンですね。『ラディカル・ホスピタル』山下さんは、魔女? って、あ、違うわ、吸血鬼だわ。魔女は赤坂先生。吸血鬼コスプレは『らいか・デイズ』らいかもやってますね。『小森さんは断れない!』小森さんは魔女。皆それぞれに雰囲気違って、見ていてちょっとにぎやかな表紙、元気あふれていい感じです。

『スズちゃんでしょ!』、主役の鈴ちゃん、小心者で細かいいろいろが不安になるタイプっぽいという導入。悪くないなあ、自分もそんな感じだ、って思いながら読んでたら、いや、自分より酷いかも! でも、肝心のものを忘れてしまうみたいなところは、やっぱり似てるかも知れません。和裁士の仕事、今回はそれが描かれて、ああ、呉服店。なんだかいろいろ厳しいところあったり、出入りの人間なのに制服を求められるとかね、なんか大変だなあ、なんて思ったり、そしてお店の若社長。お、どんなポジション? と思ったら、あー、なんかちょっと微妙な感じです。ほんと、この漫画、そうした人の微妙なるところ、うまいこと描き出して、それが面白くて、まさに、さすがであります。

『かでん屋さんの基礎知識』は、先だってから描いている創業セールの、いよいよ当日、いよいよ本番ですね。陸奥さん、来店。一緒に行動していたおじさんがなんと社長、おお、現場あがりの重役が、この日こそとばかりに売り場にやってくる。でも、売り上げには貢献しないのか……。この、久しぶりの現場にうきうきしちゃうおじさんたち、その気持ちなんだか想像できていい感じですよ。そして、さらに深まる草薙の謎。日替わり商品の事情もろもろもあったり、福引が最上階というその理由とは? みたいのあったり、お店の事情? それとも戦略? そういうの見せてくれるの、とてもいい感じです。

『放課後すずなり倶楽部!』、秋に入って、なにやら優良先輩が不調ですよ。物思いにふけってらっしゃる? その表情、憂いもともなって、とても素敵! けど、いったいなんで? というので、皆ではげまします、って、全然はげましになってないっすよ。玉緒がね、優良のことよくわかってる感じで、とてもいい、と思ったら、理解があるからそっと見守るなんてわけでもないっていうんですね。もう、みんな興味津々ですなあ。優良の外面。あるいは社交性。それもいいんだけど、その笑顔の裏にあった憂い、ああー、秋だからね、食べすぎちゃって困ってるのね。指摘するときの千弦の嬉しそうなこと! そして美亜の差し入れスイートポテト。優良さん、ほんと、悩み多き季節でありますね。

『みつめるっ!上野さん』、おお、扉の美少女、どなた!? って、ああ、上野さんか。根津さんの意外な一面。なんと、紅葉が駄目なのか。赤いから? 手形みたいだから? なんと、赤いからか。その理由、申し訳ないけどよくわからない。共感はしにくいなあ。けど、まさかこのわかりにくい紅葉恐怖症、これが後々の展開に繋がろうとは、予想外でした。美術館の大変な時間。今回はそれが描かれて、しかも特別展最終日の日曜ときた。大量の人人人に右往左往させられて、混雑を分散させようとしても失敗。できるだけ多くの来館者を入場させたいのだけど、外に列を作るとそれが減ってしまう。というのが、紅葉のおかげでなんとかなったりね。そして、特別展、若宮の展示をしのぶ根津の言葉ですよ。19で散ったはかない青葉。吉田松陰の言葉を引用したりね、かと思えばなんか台無しな想像にいたったりね、とにもかくにも断末魔が駄目なのか。根津さん、いろいろめんどくさいんですけどね、シビアだったりひねくれてたり、実利的だったり、それでもやっぱりロマンのある人。そのロマンを感じてる、感じさせる時のこの人がすごくいいんですよね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第34巻第12号(2015年12月号)

2015年10月26日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号

『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号、昨日の続きです。

『鬼が出るか蛇が出るか』、優がいい感じに籠絡されてきてる感じでありますよ。これまではお婆様はじめ、いわれるとおりに優に迫ってきた鈴が、このところ随分大人しくしていて、そのかいがいしさ、健気さに、おうおう、優さん、すっかりやられちまってるじゃないの。さて、今回は美来がメインの話でした。優との対話ですよ。美来に以前いわれてたことを気にして、テストで100点とってみせる。どうよ! 鼻高々な素振りに、かわいくて結構好きだよ、くすくす笑いの美来さん。なんて素敵なんだ! ああ、この人、最高だよ。なぜ鈴が優のことを好きになったのか。また、美来の本心とはいかに。そうしたことが語られた今回。なるほど、インプリンティングに似た感情がある。鈴は人の姿を得てはじめて出会った優に、その心をとらわれてしまった。一種の一目惚れ。そしてそれは美来も同様で、優のことを — 、と思ったら、おおう、違った! 違うんか! そっちか! おおう、予想外だったよ。でもほんと、美来さん、素晴しいな。この人並みの常識を持たない彼女。発想が優越的で、その自由さ。最高だと思います。

夢喰いメリー』、イチマからみなとたちの危機を知らされ、現場に急行するメリーと夢路。ジョンとその一行は別の敵と交戦中。無茶はするなといわれても、せねばならない無茶もある。ああ、夢路、かっこいいなあ! メリーも夢路も、危機的状況を前に、退かない。不利な状況に追い込まれたとしても、ギリギリまで諦めることなく、踏ん張る。強いからヒーロー、なんじゃない。そういうことが伝わる、そんなこの漫画のシーンが大好きです。さて、今回、イチマちゃん、頑張りましたね。みなとや夢路たちに向けて放たれた巨大ツララ、その危機的局面に割って入って、必ず助ける、その約束を守るためにその身を呈して、ああ、イチマちゃん、死んじゃったーっ!? って、よかった。生きてた……。これ、ほんとに心配しましたよ。でもって、そして、夢路の力が発現。これはもう、そうこなくっちゃ! なんだけれど、あー、これ、白儀の思うつぼなのか……。そう思えば、夢魔を扇動してこの状況を作り出したのも彼なわけで、そうした中、局地的勝利をおさめるとしても、これからの行く末、いかなる結末が待つのか。いやほんと、優位を敵が常に得ている。はらはらさせられるシチュエーションが続きます。

『怪獣の飼育委員』、これ、本当にいいですよ。かつて、怪獣と人が相容れず、敵対的であった頃のこと描かれて、時は1999年、市街に現れた怪獣を兵器でもって撃退、退治していた。その時に長官として、怪獣対策に辣腕ふるっていたのが大河原長官。しかしこの人もすっかり老いて……。唯音のお隣さんなんですね。物忘れないし痴呆が進んでいるようだ、そんな描写がですね、なんかわびしくて、そう思っていたら、次の展開、まさかの怪獣出現ですよ。ああ、実はずっと一緒に暮らしてた? そんなのかと思ったら、ちょっと違った。本当にこの時に出現したんだ。それをお爺さんは、息子の信夫と思って、一緒に街に出て、それがちょっと騒ぎになって。唯音と宙の機転で、騒ぎは大きくはならなかったのだけど、この人が以前、人にきつく当たっていた時のこと、少し語られて、そのころ、つらいことがあった。そしてそれは唯音のお母さんに補完されて、ああ、信夫さん、その怪獣の騒動に巻き込まれて、命を落としてたんだ。悲しい話です。この、怪獣と大河原氏の最後の対話。これは、あの時に正気が戻ったのか。それとも、それまであえてそう振る舞っていたというのでしょうか。それはわかりません。けれど、わからないからこそ、いろいろと想像する余地がある。この人のつらかったろう人生の、けれどそれは最後にはやわらいだのだろうか。ほんと、静かで、いいエピソードであった、そう思ったんですね。

『そこテストにでます!』、おお、恋する気持ちはすれ違ったり、あるいは鬱屈した思いが選択を誤らせたり、青少年は大変だ。まずね、もみじですよ。もみじとしーなの帰り道。一緒の各停車内にて話していた、それがですね、もうほんと、もみじのいじらしさ描き出しまして、もみじの思うところ、しーなにはバレバレ。もみじは否定的だけど、ちょっとの偶然にも期待したい、そんな思いがあろうこと透けて見えて、そしてしーなのちょっとしたくすぐりも、冗談として受け取れない。もみじ、ちょっと焚き付けられたかたちですけど、ほんと、数馬のこととなると余裕なんてないんですね。そして数馬、かえでの言葉を素直に受け取らなかったんだー! なんで!? というと、受験の失敗などなどの鬱屈した感情、あるいは自信のなさなど、もろもろが働きかけて、まさか、この人が本当に自分のことを? なんて思えなかったんだろうなあ。後悔する数馬の座り込む駅のベンチ。そこをゆきすぎるのが、もみじとしーなの乗った列車。そのすれ違いの情景こそが、彼、彼女の関係を物語るようで、あるいは近付きながらも気付かない、そんな恋する気持ちそのものでもあったのかもなあ。ほんと、関係はシンプル。恋のベクトルも明白。でも、それをその当事者が認識できてないという状況。その、正しく状況を認識させないもの、それこそがこの漫画のテーマなのだろうと認識させられた思いです。

2015年10月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号

『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号、昨日の続きです。

『手を手を合わせて』、地味ながら面白いなあ。クランベリーホテルの隣にできたアラモードホテル。そのオーナー、モニカ・パープルはマロンのライバル。いや、モニカがそう思ってるだけなのかな? 毎日毎日マロンにからみにきて、マロンは結構辟易してるっぽいんですが、それでもへこたれないモニカですよ。さちがモニカのこと気にいっちゃって、それでいろいろ悩みとか聞いちゃって、モニカからいろいろ聞き出すんですね。マロンのことが気にいってる。気にして欲しい。もう大好きだっていう。これまでからんでいたのも、友だちになりたかったからというんだけど、まあ逆効果だったと。マロンはマロンで、雪葉がいろいろ話を聞いていて、いいですね。この不器用なふたりに、それぞれが、それぞれのやりかたでアドバイスして、それで双方から近付いていこうって流れになる。ほんと、そうそうなかなか簡単にはいかないみたいなんだけど、片言での交流から、指と指をあわせるとかね、異星人の交流か! って、古い! 古いですよ! でも、なんかすごくほほえましくて、最後のコマなどとてもよかった。ええ、シンプル、地味ながらも、とてもいいんですよ。

『ゆるキャン△』、これもほんと面白いな。地味。派手な展開とか事件とか絶対ない。けどそれがしみじみと面白くて、おかしくて、実によいですよ。全力で応援してます。さて、リンは原付駆って、ひとりキャンプ。なでしこ、あき、あおいの三人は、連れ立って一緒にキャンプ。それぞれで別行動するんですけど、ITの進歩っていいですね! 写真やらなんやら送りあったりして、それが本当に楽しそうで、しかもリンときたらライブカメラなんて駆使しちゃってね、うわあ、ほんと、これ、楽しそうだわ。離れた場所にあっても、なんだかすごく近しくて、この関係! この距離感! それぞれがマイペースで、無理してない感があって、ほんと、いいよなあ、うらやましい。三人組もね、一緒にいながら無理してないんですよ。すごくマイペース、自然な感じしてて、もう、素晴しい。あとね、この漫画、小ネタが面白い。リンの原付の前を走る車、その後ろからこっちを見てる犬のおかしいこと! で、別れたと思ったら、今度は、ええと、5匹? もう、ほんと、最高でした。描かれる情景がいい。キャラクターも魅力的。ほんと、なんぼほど素晴しいのか。もう、ほれぼれしますね。ボルシチ食べたい。

『ようこそ幻界集落へ!』。おお、めーぷるメイドは、ピグノーズのギターにベースか! ガチのギター! ベース! って感じじゃないんだけど、アイドルが持って、バンドテイストをプラスするために使うには、実に最適なチョイスじゃない? って、そっちばっかりに反応してちゃ駄目ですね。ええ、村の存続をかけたロコドル対決。めーぷるメイド、優勢でのスタート。さあ、神山村の運命や、いかに! グダグダですよね。いろいろ段取りが整ってない上に、緊張して声も出ない、頭も真っ白、みたいな状況。ユニット名くらい決めとこうよ! って、出てきたのが神山村振興委員会っていうの、いや、これ、いいんじゃないかな? ちょっと好感持っちゃうんだけど! 紅虎はじめ、村の皆の声援を受けて、なんとかステージも開始されて、けれど明らかに素人芸。うまくない。バラバラ。失敗だって多い。けど、その頑張りが評価されて、けど、それだけじゃさすがに足りないんじゃないか……? って思ってたら、あー、そういう! セイレーンの歌声をこっそりコーラスに混ぜるとか、ロエさん、したたか! って思ったら、めーぷるメイドも同類かー! やられましたね。なるほどなあ。うまいこと考えてる。出し抜こうとして出し抜かれた、そんな話なのかあ。けれど、これで得たものも確かにあったはず。そうした要素をしっかり盛り込んでいる、そういうところもよかったです。

『はるかなレシーブ』、今のところ練習メイン、ビーチバレーの特性やら戦術やらをレクチャーしてくれる。ええ、遥に対してと、同時に読者である我々に対してもですよね。それが的確といいますか、わかりやすいといいますか、ふんふん、なるほど、そんな感じに飲み込めて、またその作戦を実現するための遥の特訓。その頑張りについても腹に落ちる、努力の方向、なにが足りなくて、なにを身につけようとしているのか、それがわかるから、感情移入あるいは応援したくなる気持ちもわこうというものなのですね。けど、この事前の説明、これがまさか、かなたの問題を物語る前提を用意するものでもあろうとは予想していませんでした。彩紗と遥の話。そこで、かなたと成美の間にかつてあったことが語られて、かなたは逃げた。ボールから逃げた — 。その時のかなたの心情、そいつがありありと感じられ、また、そんなかなたがそばにいるとも知らず発された遥の言葉が彼女を支えた。最後のね、かなたの姿ね、腹が据わりましたね。決意みなぎって、いざ出陣、そんな感ありますね。凛々しくって、ほんと、これは頑張って欲しい。3話かけて、しっかり試合を盛り上げ、読者の気持ちも引き込む、そんな前提組み上げてきましたね。

2015年10月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2015年12月号、発売されました。表紙は『あんハピ♪』、アニメ化を前に、表紙にもばっちり登場。メインの三人、ずらりと並んで、中央のはなこ、左手、ぱっと掲げて、その表情も明るくて、いい元気っぷりであります。そして他には『がっこうぐらし!』、BD/DVDの告知も加え、四人で登場。小さいカットながら、元気一杯な感じですよ。

『呪詛するジンギスカン』、すごいな、フォワードふたり目の羊系ヒロイン? 引きこもり系ヒロイン、どうにも駄目そうな彼女は須藤つみれ。好物はジンギスカン、っていうんですが、あまりに食べすぎた羊肉の霊、そいつが一定量溜まったので、ジンギスカンの幽霊が顕現いたしました! って、奇抜だな! なんか、すごいな! けれど、恨みがあるわけじゃない。呪うとか物騒なことはいってるけど、つみれの、これまでの、おいしいという思いが積み重なってきた、ゆえに好意だけが育っている。名付けられてメエメエ。はたしてこれは、なんなのか。自分の願望が生み出した夢なんじゃないか。つみれがですね、自分のこれまで望んでいたこと、自分の本当に欲しかったものを自覚して、そして立ち直る流れ、よかったと思います。まさか、メエメエを自分の願望と否定して、そして夢に帰して、その悲しく思う気持ちをともに立ち直る力にするの、それがですね、甘い夢、都合のよさを否定するところがですね、よかったって思うんですよ。そしてメエメエ。こいつ、酷い! いや、ほんと、ナイス酷さだと思います。

『魔法少女が将来なりたい職業第1位になりました。』、ゲストです。なるほど、魔法少女が公務員として実在する、そんな世界なんですね。魔法少女、淡路める(17)に憧れて、魔法少女養成学園への入学を夢見る幸楽もね(15)が、友だち本郷レオナ(15)を誘って、ふたりで受験の準備、そして受験しようというんですね。基本的には、受験の状況描くのがメインです。筆記がある。実技がある。実技はその内容が毎回変わるので対策できない。そんな実技で、もね、出遅れて、面接会場に続くアスレチックでもいっぱいいっぱいで、そんな中、足をくじいたレオナを見捨てず、背負ってでも進もうっていうんですね。そうした姿勢が評価されての補欠合格。あ、レオナは普通に合格してるのか。シンプルな話。まだこれから先がありそう、というか、あってくれないと困る、そんな感じの話。魔法少女、第一歩ですね。

『剛田さんがいる保健室』、ゲストです。あ、四コマだ。誤解されやすい剛田豪美と、きれいで可愛いと皆から人気の養護教諭の安本まゆの交流です。剛田さん、いつも生傷がたえないお嬢さん。髪は金髪にして、そうした見た目からも敬遠されやすい子なんだけれど、なんだ、悪い子ではないんだ。流血沙汰は、隣のワンコと決闘したから。髪も白髪染めと間違えてブリーチ使ってしまった。遅刻が多いのも、深夜アニメで夜更ししてるせい。そのギャップに安本先生、まいっちゃったみたいですね。なかなかそのよさを理解してもらえない剛田、彼女のことをわかってくれている人がいる、ええと、先生とそして読者もですよね。そうした秘密にしてる感と、そして、先生目当てにやってくる有象無象を剛田がはらってくれる。そうした、お姫様とナイトみたいな関係。ちょっといろいろくすぐってくれますよね。

2015年10月23日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2015年12月号

『まんがタイムスペシャル』2015年12月号、昨日の続きです。

『なり×ゆきリビング』、篠峰さん、虫あかんのか。お風呂で虫に遭遇。風呂上がりに薄着で過ごして、寝ている時も布団けっとばしちゃって、てきめん風邪をひいちゃったみたいです。とはいっても、本人、気付かないのか。よっぽどこれまで健康できたのか。うらやましいな。篠峰の手の暖かさにダメージ受ける佐藤もおかしいんですけど、ここからはじまる篠峰の奇行。職場、朝一で饅頭食べちゃう。なんかおなかがへって。食べても食べても足りないみたいで。早弁までしちゃう、この状況。いったいなんだろう。戸惑ってる篠峰もおかしい。食欲旺盛、代謝も旺盛な篠峰に変な対応しちゃう佐藤もおかしい。この食欲、風邪のひきはじめだったんですね。ああー、そう。私もそうでした。なんか、ものすごく食べちゃうの。ご飯何膳もおかわりしたりね、それでお菓子とかももりもり食べてね。そしたらたいてい翌日は熱出しちゃってって、あー、これ、ある人、ない人がいるのかあ。不思議に思ってる佐藤。はなたらしてる篠峰。この混乱、おかしかったです。

『うぶコメ!』、おおお、新局面に入りましたね。つばさ先輩が、かなでに宣戦布告! って、これ、そういう案かあ。かなでの先輩、ヒロタカの入れ知恵なんですけど、ヒロタカはこれをよしと、つばさをかなで攻略の手駒と考えてますよね。ともあれ、つばさ先輩、この会話がきっかけとなって、腹をくくる気になるんですが、この時点では力斗のことは忘れよう。部活で会えば思いは募る。だからいっそやめてしまおう。そう思ったところが、力斗に引き止められて、熱く思いを語られて、で、そこでのつばさの台詞ですよ、めちゃくちゃ面白かった。それで口説いてないなんて、お前は鬼かー!! ああ、ここにもアーサー案件です。誠実ってなんだろうね!? かくして、つばさ、部に残留し、さらにたまさかに出会ったかなでに宣戦布告。おお、かなで、結構余裕? かと思ったら、そうでもないみたいなんですけど、かなでのね、力斗もわたさない、つばさのことも諦めない。これはいい。ほんと、ふたりとも気持ちのいい、そんなところあるからいいですよね。

メェ〜探偵フワロ』、アーサーをめぐる女の情念。そいつが後をひいてるんですね。やれもてあそんだと、興味が尾鰭をびしばしつけて、村中に悪い噂が広がって、ああー、アーサーにはつらかろう。フワロ氏もダメージ受けてるみたいで、あのフワロ氏が食欲ないですって!? よっぽどだわ。よっぽどだわ。しかし、アーサーをよく知ってる子供たちのコメント、あれがおかしくって、いい人なのに怖いねーちゃんに好かれるとかさ、でもって、中和。でもって免疫。さらに加えてクモの糸説まで出て、しかし、ここでラウール、まさか助けてくれるんだ。アーサーの買い物先で、いわれるままのアーサーに助け船を出す。誠実ってなんだろうね。そうした言葉を受けて、ああ、アーサー頑張った! リンダを明確にふったーっ! 人類愛的な交際だったの!!? って、リンダさん、人が、人がかわってる! けど、アーサー、自分を振り返って傲慢と。けど、ここまで自覚したからこそ、リンダが傷つくとわかっていても他人に戻ってほしいと。ああ、リンダ、くやしいな。ああ、リンダ、アーサーのこと、決していいかげんに思ってたわけじゃないんだね。ほんと、アーサーをめぐる恋の情景。ぐっときました。胸にせまるものありました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第24巻第12号(2015年12月号)

2015年10月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2015年12月号

『まんがタイムスペシャル』2015年12月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』のリコをメインにしまして、ハロウィンでありますよ。リコは猫耳つけまして、キャッツですか? 猫なお嬢さんの仮装しているんですね。ちょっとセクシー、可愛らしく、この子のキャラクターによくマッチした、そんな格好だと思いますよ。『なり×ゆきリビング』は、佐藤、篠峰のふたりがやっぱりハロウィンの仮装しまして、魔女と狼娘? うん、こちらもとても可愛いと思います。『ざしきわらしと僕』は、普通の感じ? 裕貴とざしきわらし、それから熊の木彫り、仲良い風景です。

『だけど温田さんはひとりでデキない』、おお、まさか前回の続きですよ。富崎が、温田さんに冷たいんです。ファイルをがっつり積んでバリケードにして、そして目もあわせてくれない……。まあ、彼の受けてきたもろもろ、それを思えば気持ちはわかる。そっとして欲しいのに、ぐいぐいこられて、それどころか誤解した周囲からもあれこれいわれる。彼のもんもんとした後悔見れば、温田さん自体には含むところはなさそうですよね。むしろ、周囲がわいわいやったんがあかんのかな。というか、課長か。しかし、今回は終始前向きな温田さん。その姿勢は魅力的で、でもってそして温田さん、富崎のこと……。こと!? いや、これ、なにか展開あるのでしょうか。あって欲しいなあ。

『ローカル女子の遠吠え』。りん子さんと雲春が東京本社で勉強会、っていうのはいいんですけど、雲春のライバル、名々伏氏。ちょっといけすかないイケメン、かと思ったら、わりといいやつじゃん。なんか、この漫画、こういうの多くって面白いな。埼玉がコンプレックスなんだな。でも、それでも埼玉愛はあるようで、ああ、この愛憎の輻輳する感情こそがコンプレックスか……。めんどくさいけど、可愛い青年であります。で、面白いのは静岡サイドですよ。秋津さん、どんだけこじれてるんだ。でもってキュウリやら大根やらにあたる、ってこたあないな、これ、料理してるだけだ。しかし、ほんと、おどろおどろしい料理であります。でも、できはよさそうだな。鶏のハムとか、すごい。そしてハッチの駄目押し。ああ、ハッチ。人生に安らぎを見付けてほしい……。

『前略、パリは甘くて苦いです。』、フランチェスカー! フランスのバカンス、これ、日本人には慣れないだろうなあ。2週間の休み。これ、店も2週間休みなのかな。なんか、バカンス時期になると、街の状況、全然違っちゃうみたいにいいますよね。さて、バカンスの予定がないヨーヘイのためにと、マルティーヌが誘ってくれたのがパリ・プラージュ。へえ、これは知りませんでした。そこでマルティーヌ、ぱっと水着になりまして、ああー、普段は男の子みたいで可愛いのになあ、なんてがっかり、はしないんですけど、いやいや、3段ぶち抜いてくるその威力、すさまじき、でした。ミシェルとフランチェスカも合流して、それでお菓子持ち寄りのパーティみたいになってという、なんだ、この、状況。ヨーヘイの抹茶サブレ、これが高評価で、こういうのいいですよね。ヨーヘイ、サブレの特訓してましたし、努力が実ってますね。

『ロッキング少女なんですの』、ゲストです。クラスメイトのお嬢様、音乃宮さんは、隠れロッカーなんですね。見るからにお嬢様然としたこの人が、隠れてこっそりロックバンドのボーカルをやっているっていうんです。山田、そのことに気付いて、ちょっと鎌かけたら、見るからに動揺して、一旦は否定したのだけれど、音楽聞かせればもうとまらない。ヘッドバンギングはじまっちゃって、もう大変なことに。これ、憧れのお嬢様と秘密を共有しちゃった! みたいに思ってもいいのでしょうか。いいんだと思いますが、お嬢様の裏表、なんともいえんことになってますね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第24巻第12号(2015年12月号)

2015年10月21日水曜日

『まんがタイムファミリー』2015年12月号

『まんがタイムファミリー』2015年12月号、先日の続きです。

『ダ・ヴィンチ系女子高生』、レオナルドのデッサンが燃やされてしまった話の続きですよ。なんてもったいない! って思うのは、彼の評価も固定された後年に生きるものだからこそ、なんでしょうけれど、ほんと、今の価値観と当時の価値観の違いですよ。破廉恥な絵など描かないのです。あー。人体の構造の研究、その価値を認めるも、って、待て待て、努力の痕跡を残すことこそが冒涜なのか。すごいな、まさに心酔しきってるってやつだ。実際、メルツィの考え、これがどれだけ実際を反映してるのかはわかりませんが、こうして実際に話をする機会があれば、漫画に描かれたよりももっと通じない会話をすることになるのだろうなあ。さて、クロナカ、ダ・ヴィンチの素描を後世に残したい。でもそのための努力が裏目に出るんですね。ああー、カビ。一度でも外気に触れさせると、カビが侵食してくるっていいますよね。また他の場所に隠すも、結局は全滅させてしまう。あー、歴史は変えられない! 一抹の悲しさ残る話ですよ、これ。

『あまてる!』、咲耶と楓の生活、楽しそうでなによりじゃありませんか。というか、もう一ヶ月たったのか。咲耶、楓と一緒に現代の文学に親しんで、って、『雨月物語』って現代か!? ああ、神様のスパンだと現代になるのか! これ、無難なところから、咲耶をそっち方面に引き込もうっていう、楓の策略なんでしょうか。ともあれ、その作戦うまくいっているようで、ええ、この楽しそうなふたり、実によかった。天照の方では、咲耶の姉、石長姫の情報入手に成功して、となれば咲耶と楓はお別れになってしまう? そのやりとりもしみじみとして、大変によかったです。舞は萌え語りの落ちに台無しっていってますけど、いや、いいじゃないですか。心温まるものありましたよ。

『いにしえや浪漫堂』、面白かったなあ。今回の物件は五右衛門風呂です。お店の前にでっかい釜が置かれていて、これはなにかと潤が疑問に思っている。染物ですよ、お笑いで使ったんですよ、散々嘘つく店長なんですけど、例の不思議現象で、潤、五右衛門風呂を体験することになる。これがですね、まさかの伝説になってたっていうのが面白いんですよ。突如目の前で消えた潤を見て、これは天女か! かくして天女が使った湯船と祭られて、でもその真相がわかってしまった店長の落胆。ほんと、これ、うまいラスト。さすがベテランの妙です。

『かしこみかしこみ』、山椒が山の神社、桂さんの働く社のお手伝いにいっているというこの話。そうか、桂さん、蛇だから、冬になると眠くなるんだ。山椒で暖をとったり、またさらに奥山からクマの南天が手伝いにきたり、って、もう、南天、めちゃくちゃ面白いな。クマが!! くっクマ!? ぎゃ! クマ! わっ! クマ!! もう誰も彼もが驚いていて、いや、驚く気持ちはわかるんだけど、その声だけが聞こえる状況、ほんと、皆がどんなに驚いているか、描かれないからこそ想像がふくらんで、実に面白かったんですね。そして、なぜムクでなく山椒だったのかの理由、最後に語られて、あー、ムクがくるとこんなことになるんだ。ほんと、山の人気者ですよね。

  • 『まんがタイムファミリー』第33巻第12号(2015年12月号)

2015年10月20日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2015年12月号

『まんがタイムきららMAX』2015年12月号、昨日の続きです。

『きらりブックス迷走中!』、きらりの学友、菊さんがきらりのバイト先に疑念を抱いてらっしゃいます。まあ、きらりが言い淀んだのが原因なんですけど。なんせあの書店、説明がめんどくさい。って、確かに説明するほどに怪しい。って、待って、なんで菊さん、そんな興奮なさってるの? 今回、菊にバイト先のこと説明するという名目で、店のこと、一緒に働く仲間のこと、いろいろ撮影、紹介していくというのですが、これでもって改めて読者にいろいろ周知できるというのはよい流れだったと思います。書店仕事についてはシュリンク作業が語られて、これ、うまいことやってくれるといいんですが、そうでないと角が潰れてしまってたり、あんまりいい印象ないんですよね。ともあれ、でもって、菊に説明できたわけですが、いや誤解も多分に見られますけど、これ、今後も菊さん、関係してくるのでしょうか。ちょっと気になる登場人物です。

『ペンにまします神サマの』、なんかとんでもない展開が最後に待っていて、いや、もう、これ、すごいな。今回は食の話。コンビニ弁当にはもう飽きたってところから、最近ぽえむが太ってきてる。あのね、足もと写してる絵ですよ、最初お腹かと思ってびっくりしましたよ。ともあれ女子4人で料理対決、はいいとして、そもそもの前提知識が間違ってる感があっていい感じ。ネコについての知識がそもそも違うアルペコフ。って、ああ、これ、なにがあろうと寿実が悪いのか。デビューできないとまでいわれる始末。おかしかったなあ。そしてぽえむの料理、なるほどメシマズ属性。って、これも寿実が悪いよね。そして最後にデスピロッテの能力発動して、逆転っていっていいものなんでしょうか。もう、わりと最低な落ちで、皆の無理してる笑顔が最高でした。あと、お箸の鍛錬、これもよかったです。

『裏庭には…!』、いいですね、新登場人物です。すみれがお風呂で遭遇したお嬢さん。ちんまくって奇麗な子。しかしこれ誰なのか。天刻荘の空き部屋204号室は、本当は空き部屋じゃなかったっていうんですね。部屋の主は戸隠あやめ。おお、新入生でも転入生でもない。卒業生だっていうんですね。もう9年住んでる。大先輩といわれて喜ぶ。なんか可愛い人ですよね。すみれのことも、いろいろ見て、よく知ってる。というか、観察してた感がありますね。人見知りで、緊張するたちで、でもすみれ相手だと大丈夫。けど、出ていくよういわれながらも、ずっと抵抗して部屋に籠ってるんですよね。けっこうな強情娘であるようです。あやめ、猫も苦手。部屋には猫を追い払うための武器も常備されていて、って、違うのか。漫画の資料なのか。などなど、いろいろ秘密もありそうなお嬢さんです。すみれ、気をきかして他の寮生には秘密にしてくれてますけど、当の本人は連れてきてほしがってる向きがありますよね。このミスマッチの解消がされる日が楽しみです。

『ふるスクらっち!』、フィギュアづくり、結構順調じゃないですか。原形はほぼ完成、っていうか、もっと迷走するもんだと思ってました。しかしフィギュアの描かれ方がですね、微妙に残念な感じになってまして、ほら、手とか。まだまだそんなにうまくなってるわけじゃないんですよって、発展途上感が演出されていてナイスです。さて、今回は色を塗ります。エリカさんのお店で塗料他を買うんですが、次々呪いの人形コーナーに吸い込まれていく面々がおかしくて、そして塗装の時に着るつなぎ、それから割烹着も入手ですよ。いいですね、女子のつなぎ姿。ストイックな魅力感じさせます。男子の割烹着はすごく微妙で、これもナイス。最近は最初からエアブラシなんですね。カップのうがいとか、なるほど、これ重要です。先生、ちゃんと教えてくれてますね。そして目を入れるのは大輝の仕事。ええ、うまくいって、まりあも大満足。でも、つねに一緒ってのはすごいですよね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第12巻第12号(2015年12月号)

2015年10月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2015年12月号

『まんがタイムきららMAX』2015年12月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』、アニメ2期もはじまって、また盛り上がりを見せようとしているところでありますが、そのタイミングで表紙に青山ブルーマウンテン、そしてモカお姉ちゃんを投入してくるというのですから、なんだろう、ほんと、フリーダムだな。オクトーバーフェスト風? ふたり、民族衣装身につけてウェイトレスやっているんですが、青山さんはビール、お姉ちゃんはティーポット、それぞれ手にして、腕組んで、いかにもくるくるまわりますといった風。青山さんがね、ちょっと照れてるんですね。やる気見せてるお姉ちゃんと、いい対比でありますよ。

いちごの入ったソーダ水』、月の靴箱にたくさんの手紙! 咲太郎の電話に、どうしてくれんだよこれ!! すごんでどうするんですか、姉さん。そこからの、咲太郎の奇行。まあいつもどおりっちゃあいつもどおりですけど、ええ、もう、人相変わるほどですよ。って、あんま可愛くはないな。ラブレターかも知れない可能性を、必死で否定しようとしてる月がもうおかしくて、しかもさらに追加が! 委員長、ほんといいとこで出てくるな。というか、この子、すごく可愛いじゃん。やっぱ、素直になると違うな。うん、いいキャラクターです。委員長、ファンレターだろう、劇の感想だろう、そういってくれて、それでとりあえず決着したみたいなんですけど、うん、あかんな。杏奈は気付いたな。ええ、不穏なもの感じさせる文言、びしばしで、わくわくさせられますよね。

『こみっくがーるず』、翼が風邪。琉姫も風邪。あの、翼のベッドに倒れ込もうとしている琉姫を見てですよ。小夢は、いやあああっ。かおすちゃんにいたっては、太字で、あばっば、ですよ! あばっば! すごいな。あばっば! あの寮母さんが、本当に頼りになった、そんな状況、めずらしいんじゃないかな。ともあれ、熱が下がるまで、ってとこの寮母さん、めちゃくちゃ可愛くて、でもってそれからの翼、琉姫の頑張り。頑張り? いや、もう、ふたりとも頑張らないでいいから寝ときなさいよ! みたいな話。いや、でも、仕事があるから、責任感じるから、おちおち休んでなんていられないんだろうな。まあ、琉姫のいうのが正しいとは思うんですけど、ひくときは、そりゃ、ひくから。眠っている琉姫の姿見て、あらぬこと考えてるかおすちゃんが面白かったです。すっかり忘れてたフーラ先輩の活躍、って、この人、フーラフーラしてるからフーラなのか! ともあれ、ふたりは回復。かわりにかおすちゃんがダウンして、この展開、王道だけど、それだけじゃすまないおかしさありましたよ。

『はんどすたんど!』、ああー、これ、自分もずっと思ってた。今回は平均台。みるからにやばいでしょこれ…。うん、あれはほんとすごいと思う。あの高さ、あの幅。それをただ歩くだけでなく、ステップしたりとんだりはねたり、もうほんと、あれ、無理だわ。この漫画、相当にきちんと体操のことやってくれますね。平均台は高さを調整できる。練習用の低くて幅広のもあります。それでも駄目なら、床のラインで練習します。あの、三人がうつむいて歩いてる絵のおかしさ。アリでも探してるのかって先生のツッコミ。ほんとおかしくって、いいわあ、ノリよし、テンポよし、言葉のピックアップも面白い。さらに、ななみの平均台に乗ろうと苦労してる絵とかね、もうね、笑わずにはおられないって! 見てるだけでおかしい。しまいには抱っこ。最高だったと思う。ひなたのネガティブやらね、いちごのスキップ練習やらね、これって体操によくある光景なのか? わからんけど、わからんけど! もう、実に素晴しかったと思うのです。ランラランラ! ラストの験担ぎ、あれもいいですね。ええ、いい事が…ない。ななみのキャラクター、なにやっても、なにいってもおかしいんやもん。これ、ほんと、すごいですよ。

『あいむあらい部!』、ゲストです。今日から高校生という枝園真衣花。なにか部活を、できれば文化部をって、期待をともに眺めた文化部案内。しかしそこには鋼鉄部なる不穏な名前が……。なんだこれは? あ、わかった、扉見てわかった! メタルだ! 軽音楽部ならぬ重音楽部だ! 軽音楽部に興味のあった真衣花だけど、軽音は一世を風靡して、今なお大人気って、その絵、あれだー! 軽音楽部は後回し、そう思った真衣花が引っ張りこまれたのが鋼鉄部。部長は怪しげなマスクかぶってたし、有岸礼穂先輩は、メシアだなんだ、不穏なこと口走るし、2年生かな? 萩尾莉緒音は普通っぽいけど、手にはハードなアクセサリー。そんな皆が聞かせてくれた音楽は思った以上にいい感じで、それでちょっと興味が出てきたところでギター体験。あー、まるっきりギターを知らないわけじゃないんだ! というわけで、すっかり頭数に入れられて、しかも入部も決まってしまって。これ、いかにも普通の子の真衣花がヘヴィメタルに入れ込んで、そのノリに染まっていく、みたいな漫画になるのかな? その見せ方、今後の展開に期待ですね。

『スタンドびより!』、ゲストです。どんな漫画なのかなって、おお、野球ものなんだ。日野勇気。犬の散歩をしていたら、場外ホームラン、まさかの硬球が勇気を襲う! 翌日の、友人利奈に話してるところ。タンコブができただけとか、どんだけ強いのか。また利奈は利奈で、勇気のこと死んだ扱いにしてる。なるほど、利奈は硬球の怖ろしさを知っている。というか、野球が好きなんですね。勇気がお詫びにサイン入りバットにボールを貰ったっていうの、過敏に反応して、一緒に球場にいこう。これまで門限が厳しいっていってたの、あれは嘘だから。ナイター中継見たかったから嘘ついてたのか! おかしいなあ。嘘をつきとおしてきたんだ。ユニフォームは常に着用。って、この漫画、常識人に見せた利奈の方が度を過してるのか。すごいな。球場で野球観戦。利奈の熱意に勇気はついてこれてないみたいですけど、ちょっとは楽しみを共有できたみたいで、そしてまたホームランボールが勇気を襲う! 野球は野球でも、自分でやるのではなく、マネージャーとかでもなく、純粋に野球ファンとして観戦する楽しみに迫る。この視点、野球ばなれの進んでいる自分にもなにか伝えてくれるものあれば面白そうって思わされますよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第12巻第12号(2015年12月号)

2015年10月18日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2015年12月号

『まんがタイムきららミラク』2015年12月号、一昨日の続きです。

アンネッタの散歩道』、なにやら最後にアンネッタが大変なことに……。それこそ、以前語られていた、夢に見る騎士のこと、それが不安を掻き立てましてね、ええ、まさかアンネッタ、その騎士につれていかれた、再び目覚めることはない、のではないか、そんな気分にさせられるんですね。つい昨日のこと、クリスマスのくるのを楽しみにしていたのに。メイヴたちと楽しく遊んでいたのに、しかしそれがこんなことに。なにが悪かったのだろう。再び出会ったブリギット、彼女の明晰な意識、それを苦手にしたためか。あるいは、自動車の、文明の進歩を否定したためか。世界の変化に背を向けた、その気持ちにつけこまれたりしたなどなのでしょうか。ともあれ、メイヴたちの機転でメアを呼ぶことができた。さあ、これからどうなる? 妖精たちの出番なのでしょうか。

『ミソニのミコト』、変わらず面白いなあ。お祭りから帰ってきてのこと。屋台で買ってきたお土産、そいつをいただきましょうっていうんですが、それがすなわち神様を祀り、神の力を取り入れる、お祭りの一大イベントになろうっていうのですね。さて、そこにやってきた新たな神様。って、おい、天の岩戸なのかい。構ってほしいサインなのかい。めんどくさい神様だな。普通に出てくりゃいいじゃんか、とはいえ、なかなかそうもいかんのかも知れませんね。なので、たこ焼きで釣る。伸ばした手を掴んで、ウカ様一本背負い! って、顔から落ちてるから無効だ、これ! しかし、いきなりお尻出して、ほんと、『音無さん』とこの神様といい、ミラクの神様は、お尻出してばっかだな。式年遷宮のごとに若がえるとか面白い。いいじゃん、ちんまい天照大神様。思いがけない神様との交流。その雰囲気、面白かった。天照大神の、小さいながらも、中身はしっかりしてるとか、大変によかったです。まあ、天田力男に小脇に抱えられて帰るわけですけれど。

ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、おおお、さらに広がっていく感じあって、ナイスですよ、これ! 新マップにてボスと遭遇。焦りはするけど、他のパーティとも共闘できる。といっても、ボスドロップはMVPパーティのものになるのか。これは荒れるな。てなわけで、なんとか勝ちたいと頑張るんですけど、ボンとキャロの初心者っぷりがですね、もう、見事に発揮されて、ほんと、大量のゾンビ引き連れて、他のパーティのところに突っ込んでいくとかね、悪気はないのは私ら読者にはわかるんだけど、他のプレイヤーからしたら、とんだ迷惑行為、パレード? いや、トレインとかいうんですよね。ほら、PKとかできないゲームで、モンスター使って間接PK狙ったりするやつ。あー、それでNPCとか殺されたりするんだよ、って、これは漫画に関係ない愚痴です。失礼しました。ボンもキャロも、よくもわるくも初心者で、MMOのマナー違反を犯してしまったかと思えば、潜在的にライバルである他パーティメンバーに、素直に救いの手を差し延べて、あの、わこのピンチへの介入から、キャロの投薬。ほんと、デコボコだけど、わだかまりもそそげたんじゃなくて? ほんと、いい展開、気持ちのいい展開だったと思います。この漫画は、こうした気持ちよさがあるのがいいのだと思う。ボンもキャロも、あんこもチェリもみんな変わりもので、一癖あって、けれどみんないいやつ。そんないいやつの仲間が増えたの? この新たに出会ったパーティの皆とも知り合いに、友だちになったりするの? ほんと、わくわくさせられる。この出会いに、そしてキャロのバージョンアップに、わくわくさせられっぱなしでしたよ\(^o^)/

『ハートオブtheガール』、これ、ほんと面白いな。人の気持ちのもろもろ、通じない思いや、思いもしなかったうちに落ちてしまった恋心などなど。カコイを攻略せねばならない。そのカコイをゲームに登録した張本人は、カコイへの恋に落ちた。カコイの恋心はのぞみに向かっており、当ののぞみは、手を尽くして、カコイにアタックしようとしている。この複雑に複合している思惑の、その行き交い、絡み合い、時にすれ違う、そうした様子がたまらなくって、ほんと、面白いです。ちょっと情報量過多ではあるんですけどね。今回の、のぞみのレア少女攻略も、かつて登録されたものの攻略されずに終わったハルカちゃん。もう社会人になっていて、クリア対象ではなくなっているっぽいのに、けれど、その攻略をのぞみは成功させてしまう。考えてみれば、よっぽどの変な子ですよね。突然話しかけてきて、ぐいぐい迫って、踏み込んできて、それで相手の心に自分の居場所を作ってしまう。その強さ、その鮮烈さ、これはすごくいい。ほんと、力強く引っ張られる、そんな感覚があるんですね。そしてそれは、その問題の宇宙人、アキにも働きかけているようで、これは、アキも、いずれは大きく変わっていきそうな予感がさせられますね。

箱庭ひなたぼっこ』、終わってしまうのかあ。この雰囲気、このゆったりさが好きだったので、残念ですよ。今回は、皆で芋煮にいきます。紅葉狩りも兼ねていて、けど芋煮会するにいたるまでのやりとり、これがおかしくって、陽向、マタギになりたい疑惑。私ワイルドすぎない? ってツッコミが素で、ほんと、おかしい。紅葉狩りと芋煮会の共通点……、外ってことですよね! いいんか、そんなんで! ほんと、この子らの、こうしたやりとりが好きでした。芋煮をするにあたっても、陽向がとってきたキノコがいかにも毒キノコで、キノコ図鑑見てこれならいけるって蘭がいうんですけど、いや、やめた方がいいと思うなー。この点、どうしても疑わずにおられない自分は、翠子に近いのかも知れません。それからの俳句、というかほとんど川柳なんですけど、それで対決しようという、そのまたゆるさ。そこに表れるのが、侘びとか寂び情緒とか風情って感じがしませんで、けど、それがこの子らなんだろうなあ。あ、いや、蘭のはよかったんじゃないでしょうか。このやりとりもあと一回なんですね。その時がくるのは残念にも思うけれど、でも、それでも楽しみに待ちたいと思います。

  • 『まんがタイムきららミラク』第4巻第12号(2015年12月号)

2015年10月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2015年12月号

『まんがタイムファミリー』2015年12月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期!』、チエちゃんメインで、冬だけに鍋料理でありますよ。鍋からいろいろみつくろって、よそってくるて、はいと差し出してくれている、そんなイラストに、チエちゃんのチエちゃんらしさ、そのよさがあふれています。他に『軍神ちゃんとよばないで』虎千代が鍋? 食べてまして、『かなみ育成中!』では叶美と弟ふたりが、並んでそろって、お味噌汁? いただいておりますよ。なんだろう、このほっこり感。

『寺島さんは悟っている』。なんと寺島さんに浮いた話です。といっても、彼女がなんかしたわけじゃない。代々お寺の世話人を努めている藤岡のぼっちゃん。伊霧のことが好きなんだけど、どうにもそれをいいだせないときている、ちょっとシャイな男の子なんですね。そんな彼と一緒に夏祭りの神社、縁日をまわるんですが、そこでちょっとずつお寺や神社についての知識が身につくようになっている。それがおかしくってですね、なるほど、妻帯肉食は明治に解禁。みたいな話かとばかり思っていたら、神社の息子、神居八百に背を押されて、それで藤岡クン、その気になっちゃった。しかしね、盆踊りが踊り念仏由来って説があるとか知りませんでした。そして最後に藤岡くんの告白。さあ、伊霧はどう受ける? 続きはまた来月! いやあ、これ、うやむやにはせんですよね。どうすんだろう。

『先生と星が教えてくれたこと』、いよいよ受験。というんですが、ああ、そこで語られる琴音のバックグラウンド。夏に先生に話したこと、それから本気で取り組んできていたんですね。教師になりたい。それで必死に頑張ってきて、ああ、どうかその努力が実を結ぶといいなあ。で、ここでそう簡単に結果を出させないというところが、この漫画なんだろうと思いましたよ。二次試験でも挽回は無理っぽい……。そうした状況を前にして、先生、大学ではなく、そのさらに向こうにある目標に目を向けさせようとする。しかし、琴音はすでにその目標に目を向けていて、ああ、先生のこれまで伝えようとしてきたこと、それがしっかり生きているんだなって思わされたんですよ。先生もまだ未熟。だからこそなのかも知れない、体当たりの指導が見事に実を結んでいる。そんな物語。見事です。

『かなみ育成中!』、娘三人集まって、なにかと思えば男の話。いや、つきあってるとかじゃなく、これからの話。そもそも、さきが男性苦手とわかってからの話です。というか、弟たちがすっかり出なくなりましたね。こっちの展開の方が人気あったのかな? 女子校に通っているさき。かくして語られる女子校の現実ってやつが見事にアレで、いやもう、ほんと、どうなんだろう。中学時分のさきのはじけっぷり。いや、この見た目もあいまって、最高だな、本当に。そして、さきの愛想笑いの真実。えらいキャラクターができあがったもんですよ。好みのシチュエーション告白大会、これがおかしくて、いやもう、現実味がないんだけど、というか、結にいたっては、男の幼なじみがいない。前提から存在しないという、ほんと、無茶な理想。というか、叶美も酷いな。未亡人設定なのか。男装結再登場にして、さきの心をわしづかみしちゃったりね、でもって叶美、結のあかんっぷり。もう、完璧に迷走してる、その駄目さがいかします。

『カフェ・ど・関西』、ゲストです。ちんまりとした女の子が主人公。寝坊して急ぐ、そんな彼女の家はミナミにあって、ええと、通天閣が見えるへん。そこから地下鉄乗って、梅田に出てるのかな? 動く歩道で立ち止まってる兄さんに、ここは歩くものだよっていうんですが、確かに関西じゃあ、あれ、歩くなあ。関西では、動く歩道もエスカレーターも、徒歩をブーストするための設備、みたいに思われているフシがあります。ヒロインは梅田みこ。大阪人。他に、奈良出身の春日ほまれがあって、他にも京都、和歌山、兵庫、滋賀出身の女の子がいる模様です。バイト先の喫茶店、店長はさっきの動く歩道の兄さん、東京一。関西に興味があって、こちらに出店することにした東京人。かくして、いわゆる大阪らしさ、関西らしさを描きながら、そればっかりじゃないよ、という註釈があるのは好感もてますよね。でもって、みこのボケにほまれがツッコむ。あの流れは、確かにそんな感じ。悪くないんじゃないかって思ったんですね。

  • 『まんがタイムファミリー』第33巻第12号(2015年12月号)

2015年10月16日金曜日

『まんがタイムきららミラク』2015年12月号

『まんがタイムきららミラク』2015年12月号、発売されました。表紙は『桜Trick』、晴香、優、真ん中には澄会長。三人が、頭にコスモスの花輪つけまして、行列、パレード? なんだかよくわからない、そんな雰囲気なんだけど、それが妙に楽しそうで、面白い表紙になっています。あ、違うのかな? これ、3人で寝そべってるの? 晴香に寄っかかるみたいにしてるすみすみ会長、あ、元会長か、いい笑顔見せてくれて、ナイスですよね。

『ドリーの調査報告書 — 女の子しかいない惑星』、ゲストです。ドリーは、他の惑星からやってきた調査員。正体を隠して、性別のない惑星の、繁殖であるとかもろもろを調査しにやってきたというんですね。ケイ姉とドリーの姉妹ふたり。このうちの、見た目が幼ない方、男にも女にも見えない、そんなドリーが潜入することとなって、そこで出会ったのは、ジロにマイ、そしてシュン。この惑星の人間は、性別を持たず、その見た目も人間でいう15歳くらいでとまってしまう。ジロは35歳。マイは3ヶ月。と、なんだろう、不思議な生態がありそうですよね。そこで皆で、共同生活しているのはいいのだけれど、仕事分担するにはマイは幼なすぎる感じ。というか、目玉焼きは作れるのか。生まれた瞬間に、言葉とか獲得しちゃってる、そんな感じなのかな? そして、ここで繁殖の仕組みが判明して、できることならその実際も目にしたい、そんなドリーの思惑。これは、なにかしら、深みにはまっていきそうな匂いがしますよね。

『あじさい*プラネット』、ゲストです。こちらは、女子ふたりでのルームシェア? 朝、目覚めたら、同居人がだらしなく寝こけているという、この惨状。ビールの空き缶、つまみの空き袋。台所もぐちゃぐちゃで、それを秋乃が怒ったら、ごめん…眠くて聞いてなかった。どうにもあわない同居人、小春との生活上のトラブルもろもろ抱えながらも、これから仲良しになっていくかもしれませんよ、大家さんの言葉に戸惑うのか、あるいはこれが助けになるのか。小春は保育士なんですね。あるいは、託児所とか、そういうのかな? いずれにしても社会人。対し秋乃は学生で、なんだか緩い社会人に、きりきり厳しい学生の、ぶつかったり、反省したり、そんな感じで仲を深めていこうという、そんな様子を描く漫画であるようですよ。

『かんきつパンチ!』、なるほど、デザイン科のある高校の一年生たちの物語。今回はオリエンテーション、林間学校でのできごとが描かれて、ヒロインは蜜柑。この子の自己紹介からはじまる導入、このノリ、テンポ、悪くないですよ。セリフからも人となりがわかる、そんな感じがあって、そしてこの子が知り合っていくデザイン科の仲間。蛍に実桜、そしてすず。それぞれに個性的? 中でも一番個性的なのは蜜柑でしょうか。なんせ、普通科と間違えてデザイン科受けて、しかも受かってしまった。それでよかったのかどうなのか。美術やらデザインやらの基礎はできてないし、なにより不器用だしで、課題の色相環作るのもままならない。蜜柑には双子の妹がいるらしい。しっかりものだっていう、妹、柚。どうも、これ、なんか、普通ではないみたいですよね。夜ですよ、夜。蜜柑が人が変わったようにできる女になる。作業もテキパキ、皆もびっくりして、もしかしたらこの人の変わった蜜柑が柚なんでしょうか。そんな謎めく導入。明かされていない不思議が、いろいろを思わせてくれます。

『よろず屋アルケミスト』、ゲストです。錬金術師、まだ見習い? の女の子、アズキが温泉街にて営む雑貨屋。アズキはいろいろ頑張ってるみたいなんですけど、店は閑古鳥が鳴いている。って、なるほど、見た目が怖いんだ。人が寄りつくどころか、むしろ遠ざけてしまっているというのに、その問題に気付いていないアズキ。そんなアズキの悩みは、店のことに加え、錬金術師の掟がゆえの孤独であるというんですね。そんな彼女が出会った女の子。ええと、行き倒れ。でもって変態。って、これだけ見たら、ろくなキャラクターじゃないな。佐倉もなか。お金がない、無計画のこの人を、なんでかとりあえず雇うことになって、ああ、アズキさん、寂しさに負けた。けれど、もなかのおかげで、店の問題改善されて、お客さんもちょっとずつきてくれるようになりそう。けど、まだまだ軌道にはのっていない感じで、アズキは給金を体で払うはめに……。てな感じで、今はまんまともなかのペースみたいですよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第4巻第12号(2015年12月号)

2015年10月15日木曜日

ビビッド・モンスターズ・クロニクル

 もう、ほんと、素晴しいよ、『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』。MMORPG『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』がつなぐ女の子たちの友情。もうね、『まんがタイムきららミラク』にゲスト掲載された初回にぐっと心ひかれて、でもって第二回目、これにはぐわっと心つかまれて、もうたまらないな、素晴しいよ、涙さそわれる、ほんと、単行本でさ、久しぶりに頭から読んでさ、それでやっぱりじんってくるもんね。

なにがいいのかなあ。面白いところはいろいろあるんですよ。ゲームにて出会ったプレイヤーたち。ボン・キュ・ボンにあんこ、キャロライン=チェンバー(ズ)、そしてチェリム。皆がね、すごくキュートで、魅力的で、それでもって個性的。というか、ちょっとなんか変わりもの集団よね。という、その変わりものっぷりの面白さがある。けど、ゲームのPCなんてのは、変わりもので普通。というところが、オフラインの状況が描かれることで、さらに面白みを加えてくるってんだから、もうね、たまらないわけですよ。

ああ、あんまり書きたくない。是非、実際に本を手にして、いや、電子でもいいけど、その実感でもって確かめて欲しい。だから、ちょっとでも興味を持った人は、ここでUターンだ! 

ギャップがすごいですよね。わりとオン/オフで違いがないのってボン/夢子くらいじゃないのかな。はなやか、とても明るくて、前向き、元気、見ていてすごく嬉しくなっちゃう。そんな子。あ、ギャップあったわ。オンではナイスバディだけど、オフではミニマムバディだったわ。いや、それ美点だと思うよ。だって、可愛いじゃん。

最初にね、あんこ/あずきのギャップにぐわっ! ってやられますよね。もうね、オンだとあんなにしゃんとしてるのに、オフじゃすごく内気で弱気で、夢子と出会っても逃げちゃうくらいだった彼女が、夢子に手握られて、学校でももうお友達だよね? 泣くよな! 泣いちゃうよな。ああ、よかったなあ、あんこ、いやさあずきさん。ほんと、キャロだってそうなんです。不器用で、要領悪くって、でも頑張ってる、そんな彼女らが、ゲームをきっかけにして、友だちができて、その世界が、可能性が広がっていく。ゲームの中での広がりがある。ゲームを離れた、現実においても広がりがある。ふたつの場で、それぞれの場で、育まれていく友情の、その描かれようがしみじみと胸に迫って、ほんと、キャロラインよかったなあ、赤音さん、よかったなあ。ほんと、これ、ナイスをもらってキャロが表情をぱっと明るくさせる、あの場面なんて屈指だったと思う。みんなと一緒に到達したかった……、そう思った時に入るヘルプには、もう読んでるこちらもナイス! ナイス! の連打ですよ。

自分もね、人見知りでさ、人付き合いが得意じゃないの。だからなのかも知れない。以前、遊んだMMOのこと思い出すんですが、あの時に出会った人たち、今でもつながり保っている人もあって、あれは本当によい機会を、交流の場を提供してくれた、懐かしく思うんですが、だからこそ、夢子やあずき、赤音にとっての『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』という場の価値というのを思ってしまう、感情移入の度合いを強めるのかと思うんですね。

ええ、あんなにうまいこと近場にいて、リアルでも友だちになったりなんてしないよ! なんていってしまえば無粋でしょう。そうしたところは、漫画だから、理想だから、夢だから! そういって飲み込んじまえばいいんです。そうすれば、後はこの漫画に魅了されるばかりで、ああ、ほんと、夢子たち、楽しそうだな。いつか、赤音たちとも出会える日がくればいいな。その日がほんと楽しみだな。そう思われて、気持ちが、なんか、うずうずするんですね。なんだか嬉しくなって、うずうずするんですね。

2015年10月14日水曜日

少女決戦オルギア

 先日、『亜人ちゃんは語りたい』の時にもちょろっといってましたけど、テレビでやってたCM見ましてね、それが決め手でしたね。ええ、まったくもって決め手でした。テレビCMで紹介されてて、あ、これ、なんか興味あるっぽいかも、そう思って、講談社だから電子書籍でも出てるだろう、そう思って確認しようと思ったら、その時にはもうタイトル忘れちゃってて、録画でまた確認して、それでようやっと買ったっていうのね。いやもうね、買って、読んで、これ、ハードだな! めちゃくちゃハードじゃん! 打ち拉がれて、泣き濡れて、けれどこれ、面白いなあ。面白かったんですね。

この漫画、可愛い女の子がいっぱいです。まずヒロインが可愛い。舞子。ちんまりして、ちょっと気弱っぽくて、けど、こんな子が、冒頭から、あれですよ。なんか、戦っちゃってるの。表紙でも、両手に剣を持って、なにかただごとではないですよね。本編冒頭でも、そんなどころじゃなくって、エンチャント、降神なんていっちゃって、神様? というか、自分にはこれ、悪魔としか思われないんだけど……、自分の身に降ろして、頭に角なんか生やかしちゃって、でもってマジ殺し合っちゃってる。つらい……。戦ってる相手もね、ちょっと勝気で、わんぱくそうで、けど可愛い子なのよ。それが、それで、あれで、ぐっさりとやられて、死んじゃって、ねえ、ああ、なんだろう、殺伐ですよ、殺伐。最近はやりのサツバツ・ニンジャ漫画もあれだけど、見た目いたいけな美少女なだけ、こっちの方がもっとサツバツなんじゃないのか? なんて思われるほどで、泣けるのですよ。

舞子には、戦う理由があるんですね。大切な友だち、緋乃のことを助けたい、その一心でつらい戦いに身を投じている。負ければ死亡。殺して殺して、殺し合った果てに、ひとり生き残らなければならないというルールでもって、悲壮なバトルロワイヤルを夜な夜な苦闘し続ける。その決意や覚悟がいたましく、そうかと思えば、その夜の戦いの場においても、知人が、友人ができてしまうんですよ! おおう、どうしたらええねん! 今だけは共闘しえたとしても、明日には殺し合うことにもなりかねない。いずれ戦う相手がしぼられれば、戦闘は不可避! おお、どうしたらええねん!

なにかね、この悲劇を回避する手段があるんじゃないか? どうも、そういうの探してるっぽいふたり組があったりしましてね、それが結構な明日への希望みたいな気分になっちゃってるんですけど、でも、これが全然そんなことなくって、最後に友だち同士でやりあっちゃうよ! ってなったら、私は寝込んじゃうかも! とまあ、そこまではなくっとも、後味は悪いかもなあ。と、けれど、それでも、負けられない舞子の戦い。彼女が仮に勝てなかったのだとしても、彼女にとっての救いとなる結末があるのではないか。あるいは、彼女の勝利が、知り合った彼女らの殺戮の上に成り立つものではなくなるのかも知れない。そうした、今の状況、前提となっていることを否定し、乗り越えた先にありうる彼女らの未来、そいつが描かれるんじゃないかな、描かれて欲しいなあ、そう思えるところに引かれているというんですね。

そうそう、甘味喫茶おるぎあ、これ、すごいよね。なんというか、これもまたひとつの救いかと思う。

  • 江島絵理『少女決戦オルギア』第1巻 (ヤンマガKCスペシャル) 東京:講談社,2015年。
  • 江島絵理『少女決戦オルギア』第2巻 (ヤンマガKCスペシャル) 東京:講談社,2015年。
  • 以下続刊

2015年10月13日火曜日

『まんがタイムきらら』2015年11月号

『まんがタイムきらら』2015年11月号、一昨日の続きです。

『サクランボッチ』、八乙女百合と大待小雪が、街中で遭遇ですよ。このふたり、互いに苦手にしあってて、それぞれの思ってることが語られる冒頭、ほんとおかしくて、なんだろう、勝手に苦手にしてるだけだと思うんですよね。その勝手な思い込みやら、小雪の暴発、でもそれを普通に真っ向から受け止めてしまう百合の育ちのよさ。すごかった。互いに苦手がある。小雪はコミュニケーション。百合は常識。そんなふたりが一緒にスーパーマーケットいって、だんだんに打ち解ける。わるくなかった、実によかった、んだけど、最後までしまらない小雪がやっぱりおかしくて、ほんと、頑張りすぎちゃうんだろうなあ。そんな小雪だから、どんなときも真面目に受け止めてくれる百合との相性がよかったんだろうなって思いましたよ。

しゅばりえーる』は、ちょっとめずらしい組みあわせ? 扉にジャスマとソレイユ。こうして見ると、ソレイユってめちゃくちゃ可愛いんだなってわかる。猫のポーズのソレイユと、ちょっと気後れしてる? ジャスマ。ふたりともにとても可愛くていい扉です。さて、本編では、ジャスマとソレイユ、まさかの対決です。いっつもふわふわ、ボケボケしてるソレイユ。けど、この人、本気を出すとこんなに強いのか。ジャスマが剣聖と呼ばれていると知り、やおら本気を出すソレイユ。このソレイユを抑えたりするのかな? と思ったら、ソレイユ、ジャスマを圧倒して、そう思ったら途端にいつもの調子に戻るってのもおかしかったです。けど、この敗北は、ジャスマにとって意味あるものになったみたいですね。そしてジャスマの心のつかえもおりて、ええ、さわやか、いいお話でした。というか、ジャスミンで〜すが可愛すぎでした。

『コミュ障アイドルれいかちゃん』、おかしかった。もうすぐ文化祭、というので、コミュ障のれいかは、なんとかクラスの催しに参加したくない。というのだけど、先輩が気を利かせてくれたものだから、無事、なにごともなく、クラスに貢献できるようになりました。催しの案として出てきたコスプレ喫茶。興味はあるけど、コスプレしてるとか知られたくない、接客もしたくない、なんとか違うものに、違うものにと考える、それがことごとくうまくいかないのがナイスでした。というか、発言できないから、思うようにいくわけなんてないんですよね。衣装の調達でれいか大活躍、あれはおかしかった。でも、この子、結局めちゃくちゃ頑張って、ものすごく貢献してますよね。かくして、クラスの出し物は問題なし。で、問題は生徒会のステージなんだけど……、って、配信で宣伝しちゃったんか! なんか、とんでもないことになりそうな予感。これ、次回、どうなるか描かれるの? いや、ほんと、楽しみにせざるをえないんですが!

My Private D☆Vは得能正太郎であります。下校中の風景を描いた四コマ漫画。雪の降るなか、目をそらしぎみにしている女の子ふたりの、手を見れば互いにつなぎあって、それで意識しあっている……。そんな情景に、ゆr、いやさ、青春を感じるというのですね。いいじゃないか! 百合って思っても! 別に心が汚れちまってるとか、そんなことないよ! なんどでもいうよ! とか力説してしまう私は、もう取り返しのつかないところにまでいってしまっているのかも知れません。しかし、この人の描く漫画、その表情の機微など、なかなか、さすがの一言。寡黙にして雄弁、魅力的な広がりが、あのつながれた手に凝縮されていた、そう思います。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第11号(2015年11月号)

2015年10月12日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2015年11月号

『まんがタイムジャンボ』2015年11月号、一昨日の続きです。

『終活女子高生』、律、沙羅の母のこと、攻略ずみなんですね。今回は律と沙羅のふたり、一緒にお月見にいくことになります。よりによって深夜の学校で。ばっくれようとするも、沙羅の母が娘をすでに売っている。すげえな。ほんと、律のこの行動力、ただものではありません。しかし、それで夜の学校。ただでさえ怖がりの沙羅が、もう大変なことに。って、律、犯罪行為も辞さないのな。さらに、たくさん罠が仕掛けられてるのな。律のエキセントリックさ、これがあんまりにあんまりなんだけれど、それでも律と沙羅の仲良くなっていく、その様がしみじみ感じさせられるものですから、悪くないなあって思ってしまうんですね。そして今回登場の女生徒の霊。あの子、すごく可愛かったですよ。それに、すごくいい子ですよね。この子の、まだきちゃダメという、その言葉の意味を思ってしまいましたよ。

『科目の数だけ恋してる!』、なんと、まさかの最終回か。ああー、好きだったよー。最終回にしてまさかの展開でしたよ。真由美のけいなに対する疑問。なんであたしの妄想が見えるの? あー、それそれ、ずっと疑問に思ってた。けいな、普通に真由美の妄想、共有しちゃってるよなって。けど、それがまさか漫画の中で言及されるとは思いもしなかったので、ちょっと嬉しかったですよ。さて、真由美に請われて妄想してみるけいな。あの国語の妄想のおかしさったらなかったです。そしてけいなの妄想する真由美、これがまた可愛いですよね。って、ここでタケルが出てくるのか。真由美もけいなの妄想を共有。って、ここでまさかのグリーンピースに言及! もう、めちゃくちゃ面白かったですね。妄想を我慢してる真由美もまたよかった。なんだよ、普通に勉強できるんじゃん。でも、あの居眠りしてる時の表情がやばくて、ええ、ほんと、美少女キャラなのに! でもそれでもなんかオーケーなの真由美という人だと思います。

『きつねとパンケーキ』。今回は七五三、というので、紺乃は晴着なのですが、いや、ほんと、奇麗。カラーが見事に映えますね。さて、今回、結構重要なことが語られていたように思うんですね。お寺で出会った蓼科先生。和巳が話を聞かせて欲しいと、大きくなった獣娘のことを知りたいというんですが、その席でのこと。なるほど、一人前になった獣娘、社会人になった獣娘、いるんですね。って、それ、先生のことじゃないの? 先生も獣娘だった、あるいは大人になった獣娘なんじゃないか、みたいに思わされたんですね。そして、先生のいったこと、和巳もちょっと気付いたんですけどね、すべての獣娘が一人前になれるわけではない。どうも今回の話を総合すると、獣娘の成人は人よりもはやい。一人前にならないケースもある。それまでの間、しっかり愛情をそそぐことが大切、ってことみたいですね。和巳なら大丈夫だと思うんだけどなあ。なんて思いながら、けど、ちょっといろいろ心配な話でありますよね。

『あかり先生の言うとーり!』、あかり先生のドッジボール設定、これ、ほんとに面白いな。杏太郎の、ボール圧で弾き出されるっておかしくね? もうほんとおかしくて、杏太郎のポジションもおかしいっていっていいのかな。彼、結構不憫な感じですけど、反面一番おいしい位置にいるのかも知れませんね。しかし今回は先生の弱点が列挙されて、絵が下手、それ指摘されたら泣くのか。なんか可愛いな。でもってナンパに弱い。キャッチセールスにも弱い! っていうか、この人、疑うことを知らないんですね。よく、今まで無事でこれたな……。ほんと、最後の彼氏とか、シュンタの本気を応援しよう。そんな気持ちにさせられましたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第21巻第11号(2015年11月号)

2015年10月11日日曜日

『まんがタイムきらら』2015年11月号

『まんがタイムきらら』2015年11月号、一昨日の続きです。

『オリーブ! — Believe, “Olieve”?』、今回の話、面白いなあ。それに、文化祭にむけて皆のやる気にはずみがつく。その展開も実によかった。と、その前に、扉ですよ。これ、すごくいいなあ。オ・リー・ブとタイトルを読み上げてる、その口元、その表情。すごく素敵でした。本編は、魔法の世界のお菓子が登場ですね。ちぎるとふわふわ浮くわたあめとかあるんだ。すごいな。ふわふわ系の他には、語尾がモチーフの動物っぽくなるビスケットとか、これ、面白いしなにより可愛い。お菓子をかこんでのお茶会、話題は去年の文化祭。オリーブはついつい出してしまう魔法、それを気にしてか、あるいは練習不足か、本番では散々だった。けど、今年は頑張ろう。手品が上達したのはスズのおかげというコニーの言葉。スズはわかってないみたいだけど、読者には通じている。なんだろう、すごくいい言葉じゃん、シチュエーションじゃん。そう思っていたら、皆がお互いに褒めだすという展開。ああ、おばあちゃんの魔法。けど、それで出てきた本音から、文化祭に向けての前向きな言葉に繋がって、ほんと、これ、素晴しい。最後のね、ちゑの気付いたスズのこと、それもまた素敵でした。

『神様とクインテット』、もう、これ、強烈だよなあ。うららの誕生日をサプライズで祝います。というの、中途半端にうららに知られ、それをなんとかしてごまかせないか。トーコが酷くって、言葉を重ねるごとにうららにダメージが入る。あの、うらら大出血の画面とかね、これが美少女四コマというのを忘れるくらい、ある意味でドキドキ☆ビジュアルという、その強烈さ。でも、これもまだまだってんだから、この漫画はものすごい。鼻血あり、よだれあり、しかもそれら、コマ割りさえも楽々超越していくってんだからものすごい。加えてうららの打ち付け行動。流血ヒロインの上に、大号泣って、魚だ! もう、わけわかんないな! 酷いんだけど、もう、わけわからんのだけど、けど、この少々過剰気味の描写の面白さ、ただものではなく、ほんと、最後までぐいぐい引っ張られましたよ。

『担当編集ボツ子さん』、連載になりましたね。のっけからへっぽこ先生って酷いな。とまあ、とりあえず全ボツからのスタート。ボツ子さん、田中をともなって街に出ます。取材と称して、これ、お買い物デートですよね。なんでもない日常の買い物を、気になるあの人と一緒に! なんでもない買い物だからこそ、まるで日常の一シーン、より魅力的なシチュエーションにもなりうるというものなのでしょう、刺子愛にとっては。愛だけが、なんかちょっと嬉しそうなんですよね、ずっと。田中の見つけた可愛い服。愛、普段はこういうの着てるのか。ということは、田中と会うときだけこの格好なのか。というか、愛、渾身の告白が、田中には俺だけがいじめられてるのかと勘違いされて、ああ、不憫だな、ボツ子さん。しかし、この田中、やる気をしっかり見せてくれました。面白いアイディアをもらって描くのではなく、自分で考えた上で描くんだって、その意識。それこそが愛にとって欲しかった言葉なのかも知れませんね。

『ヴぁるばいと!』、今回は静と響乃ふたりの話だったんですけど、面白かったなあ。休憩中に勉強している静。響乃が勉強を見てくれるんだけど、ついついペンを持っていっちゃうっていうのね、これがおかしくて、なるほど、コンビニバイトではよくあることなんですね。そして静の聞く、響乃がバイトをしている理由。いやもうほんと、つばめのこと好きすぎですよね。中学の頃の思い出話にはじまって、つばめへの意地でバイトをしている。というのはいいとして、その本心がですね、静にばっちりバレちゃってて、それであの照れ隠しでしょう。もう、実に魅力的でした。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第11号(2015年11月号)

2015年10月10日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2015年11月号

『まんがタイムジャンボ』2015年11月号、発売されました。表紙は『けいさつのおにーさん』と『レーカン!』、2大連載が揃い踏みであります。天海さんが一日警察署長。制服着まして、きりっと敬礼。その姿、凛々しくて実に素敵です。そして後ろには、穂苅君に手塚さん。もうね、ものすごいマッチング。ばっちりのバランスじゃないですか。この3人の居並ぶ表紙、実にしまったよい表紙になっています。そして『ヒゲとセーラー』初も『きつねとパンケーキ』紺乃も警察の制服でありますよ。

『でっかいんちょ』は、馬肥ゆる秋。委員長もすくすく育って、見事に肥ゆる秋なんだそうですよ。って、ここでもモチの神様か。ほんと、あっちでもこっちでも、ふくよか女子が大人気? うん、いいことです。ふっくら元気な君がステキです。けど、男子の想像に出たほっそり育も素敵だなあって思っちゃったので、すまぬ……、すまぬぅ……。あのお腹叩いて、パンパンスパァン、めちゃくちゃ面白くてですね、してせんじゃんそんなこと!! って、どこの言葉? でも、これ、最後にしっかりやってるというのね、おかしかったわあ。しかし、育と相見君。いいカップルですね。いや、カップルといっちゃっていいのでしょうか。

『ナデシコ!』、イチカちゃん、なんだろう、生き生きしてるじゃないですか。もうすぐハロウィン、パーティーしようよ、仮装パーティー! ミス小盛がものすごく盛り上がってて、しかし冒頭のあの笑顔、なんと可憐! ああ、素晴しい! と思ってたら、休日出勤、スーパーヤマダでハロウィンセール、お菓子を売ることになるんですね。ミス小盛の表情が曇っちゃったよ! 面白かったですよ。売れてない。ハロウィンの認知度は高くとも、他のイベントみたいに定番のなにかがあるわけでもないし、というので、そうそう売り上げもあがらない。というところを、なんとしてでも売らないとというのがチームイチカちゃん。営業部にバカにされたくないんだな、この人……。デパートの様子を見てきてショック受けるミス小盛。もう、予算も規模も全然違うんだよ。ってところで、エミの手作り感溢れるハロウィンイベント。その盛り上がりに店も乗っかってきちゃって、結果オーライ、お菓子も売れました。いや、エミさん、売ること全然考えてませんでしたよね……。けど、これ、イチカちゃん、ほんと、仕事好きですよね。次は保育園のイベント手伝いにいくんだ。ほんと、熱心な人だと思います。目元がちょっと嬉しそうですよね。

『いきなりスーパーガール』、ゲストです。目覚めたら超能力が発現していた。なんと、ユナの一家は超能力一家。大人になると能力が目覚めます。というので、今夜は赤飯らしい。ああー、ちょっと恥ずかしいのね。能力が発現したユナ。意識しないでも勝手に能力が発動してしまい、いろいろトラブルになってしまうっていうんですね。友だちのミホちーのイヤホン抜いちゃったり、またパンツの柄を幻視してしまったり、さらにはスカートまでめくってしまったり。あのね、超能力のこと隠そうと思って、とっさに出たいいわけが、ミホちーの下着姿にずっと興味があって……。なんてことだ。ほんと、めちゃくちゃ面白かったです。しかし、ユナ、これからどうするんでしょう。ミホちーの思ったみたいに、魔法少女に変身しちゃう? けど、この漫画の場合、そういう展開はちょっとなさそうですよね。ユナの困ってる、そんな明日しか想像できません。

『マッチ売りは億万長者の夢を見る』、ゲストです。マッチ売りの少女、レムが、あまりの寒さに売物のマッチで暖をとろうと火をつけたら、そこに現れる幻。ああ、このままこの子は死ぬのね? と思ったら、ああ、商魂たくましいな。売るんだ。これを売るんだ。イリュージョンを売ろうっていうんですね。この展開は面白かった。あの売り文句も実によかった。これ、お客にも童話の登場人物が出てくるというんですね。今回はシンデレラ。パーティーのために芸をしろってことになってるんだ。けど、芸なんてできないからと、レムのマッチに期待する。このシンデレラ、なんだか出来がよろしくなくって、困った子っぽいですね。もとの話では、悲惨だったり悲劇だったり、そんな展開をみせる彼女らの物語ですけど、まあ、シンデレラは大逆転するんだからいいか。ともあれ、この漫画ではシンデレラこそがいじわるで、そしてレムも元気そう。しかし、見事ながしゃどくろでしたね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第21巻第11号(2015年11月号)

2015年10月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2015年11月号

『まんがタイムきらら』2015年11月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』の面々が、見事みごとにハロウィンでありますよ。つみき、姫、真宵の三人娘が、吸血鬼、狼女、そして、ええと、これなんだろう、包帯まいてるんだけど、ええと、あれかい、フランケンシュタインの怪物? みなそれぞれに、ガオーって感じでしてね、それが妙に可愛らしいの。姫がね、赤ずきんちゃんプラス狼って感じで、このキュートさ、かなりの勢い、威力を感じます。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』、これは面白かったなあ。古い洋館に住む幽霊。青白い肌、窪んだ目に流れ続ける涙。いったい自分はなんなのか、そうした疑問を胸に、ただただ館にいつづける彼女のもとに、クロたち一行がやってくるんですね。誰にも見えないはずの幽霊さん、さすがのニジュク、サンジュですよ、当たり前みたいに、普通に見つけてコミュニケーション。クロはカメラを持って、そしてかたわらには新聞記者という青年。謎を、不思議を、誰も撮ったことがないものを求めている。そんな彼が、幽霊の彼女の願いをかなえて、そして一緒に写真に収まるんですが、まさかこんな展開になろうとは予想もしませんでした。いや、なんかおかしいなって思ってたんですよ。なんで、クロにもセンにも見えない彼女と、当たり前みたいに交流しとるのん? と、その疑問があったからこそ、ああそういうことかとこの展開を納得して飲み込めて、ええ、最後の最後にしあわせそうに微笑んで見せた幽霊さんも、そして結局はその姿をクロたちに見せることのなかった新聞記者の彼も、どちらも満足することができたのだなあと、なんだか嬉しくなる話でした。

『不法占拠部(仮)』、ゲストです。女子高生3人のどたばたとやってる、そんな漫画です。なんですが、これ、すごいな。たいてい3人もいれば常識人のひとりくらいはいるもんなんですが、それがまったくいないという。見た目から、しーと呼ばれる彼女こそが常識人でつっこみ役だろう。そう思ってた自分の不見識。いやいや、もうね、ほがらかで素直な愛情振り撒く毬衣に、眼鏡黒髪ロングヘアのしー。さらにショートカットの可愛いきょーちゃん。それぞれに、将棋部、漫研、映研に入りたい、そう思っていたのに、この学校にはどれもない。というので、空き教室を占拠して、理想の部活を目指そう、という話みたいなんだけど、とりあえずは3人ともにやりたいようにやっとるだけだな。しーがね、いきなりでかい将棋盤を取り出す。この子、筆文字、下手糞なのがいいな。毬衣、まーは大量の漫画を取り出して、このね、ふたりとも常識もなにもあったもんじゃない。ああ、きょーが真人間なんだ。いや、映研を否定されてギャン泣きしてますけど。とりあえず、見知らぬ先輩に、勝手に申請出されて、かくしてはじまる不法占拠部(仮)。まださっぱりわからない。というか、メインの3人がわかってないのがすごいよな。けど、これ、親切というより、冷蔵庫を持ち込んだりして私物化してる教室を守りたい先輩、生徒会長の利己的行動だったりせんのかな? なんて思うんですが、どうなんだろう。ともあれ、しーちゃん、気にいりましたよ。

『イリーガルズキングダム』、これもまたハイテンションというか、ぐいぐい引っ張っていく、そんな勢いを感じさせる漫画です。外国人の女の子のもとにやってきた、マントの彼女は一緒に国を作りませんかなんて、ちょっと普通ではない感じなんですね。この子、後ろに白いフードの女の子つれていて、けどその子はずっとしゃべらない。なんなんだろう? 話しかけられた彼女も、なんか警戒して避けたいと思ってるんだけど、なかなか逃がしてはもらえないみたいです。正直、なにがなんだかわからない。ただただ国を作りたい、そのためにいろいろやって国民を勧誘している彼女と、言い寄られて困ってる彼女、そしてちょっと現金な学生さん。白フードの子は、マント娘も知らないみたい。と、謎だらけ、よくわからないままに国づくりがはじまるみたいです。

『プリンセストリオ』、これ、なんかすごい。幼ないころに離ればなれになって、中学で再会した3人。有原結城に伊集院綾子、田中花子、なんですが、子供のころの思い出が、憧れが変な感じに育っているよう、執事との駆け落ちを夢見る綾子は学校でもえらい豪華なドレスを着て、執事とみなした相手に駆け落ちをはかる日々を過している模様。結城は結城で、そんな姫を追う王子で、もちろん学校でもそんな感じの格好してて、いやもう、これ、いわゆる問題児ってやつだな。綾子、結城のふたりがね、校長室への立ち入りを禁じられてるの。これおかしかったわ。校長先生、綾子の父なのね。あまりのふたりのテンションの高さに、ついていけない花子。そうした様子も面白かったんですが、男子トイレにずかずか踏み込んでいく綾子、結城が無茶苦茶で、なんか凄いの入ってきた!! から、確かに変な奴らだ!! 絵の柔軟さや漫画としての表現は、まだ少しつたないのかも知れない、みたいに思いましたけど、有無をいわさない勢いや、もろもろ押し切る、過剰といえるまでのテンション。それは素直に圧倒されましたよ。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第11号(2015年11月号)

2015年10月8日木曜日

『まんがタイム』2015年11月号

『まんがタイム』2015年11月号、昨日の続きです。

『マコトの愛の見つけかた!』、これ、どんどんよくなってくな。1ページ目右肩の、両手に火花ってのも面白くて、あー、火花なのか。火花なのね。でも、火花散らしてるの、小石川さんだけのような気もしますよ。課長がおかしいんですよ。大戸のこと、気にいってるんだけど、そのこと全然あらわにしない、むしろ隠してしまわずにはおられない不器用がために、照れ隠しが厳しいものいいになっちゃいがちだっていうんですね。それで、今回は大戸もくじけそう? 辞表? って、課長の勘違いなんですけど、いやもうほんと、課長、大戸のこと追いつめたんじゃないかってへこんじゃって、それを小石川さんがはげますくだり、面白かったですよ。小石川さん、課長のこと苦手にしてるけど、それでもほっとけない。いい人だなあ。でもって、課長をここまで追いつめるとは、絶対に許さない大戸マコト!! めちゃくちゃ面白い。小石川さん、中桐課長、ふたりともに、表に見える様子とその感情と、それがチグハグになってるのがおかしくて面白いって思うんですね。

『女神さまと呼ばないで!』、これもまた面白い、いい感じでした。運動会なんですね。それで、神奈がはりきっちゃって、というか、熱心なサポートはご遠慮くださいって、これ、マラソンとかじゃないんだから。ほんと、のっけからいかしました。神奈と涼、組が違うんですね。神奈は赤組、涼白組。悲嘆にくれる神奈に、気楽にいこうという涼なんですが、この人、負けず嫌いだな。あんまりにも必死、けれどそれがかっこいいと神奈には好評。でもって、神奈も頑張りたいんだけど、その機会がなかなかこなくて……。その時に見せた微妙な顔、あれおかしかったなあ。空回りする茉莉花。リレーのアンカーで直接対決する神奈、涼の友情。こうしたところも魅力的。最後の茉莉花の嫉妬から整理運動まで、ばっちり楽しく読めました。

『ボンジュール!仲居さん』、朋香が太ったっていうんですが、いやいや大丈夫、全然、ちっとも、すごく、魅力的よ? とまあ、それは置いといて、宮原さんのお菓子の試作、そこから、サラのチャレンジ、そしてさらに朋香の兄康弘の気持ちを上向きにする、それまでの展開、とてもよかったって思うんですよ。さすがフランス人というべきか、味覚に優れるサラ。あの、ガシィって腕組むのね、なんだろう、かっこいいな。けれど兄貴さんは、舌に自信がない。それで腰がひけてしまっていて……、けれど苦手を避けるばかりでなく、知らないことにもチャレンジするサラの姿勢に後押しされて、またうまくいったことを素直に褒められて、ちょっと思うところがあったみたい。単純なのかもしれないけど、人ってこんなだと思う。こういうシンプルで、ちょっとした言葉で元気になれる。暗い顔していたのが、ぱっと明るくなるのがね、ほんととてもよかったのですよ。

『ちょっと舞って!ふわこさん』、おお、ふわこさん、浮かなくなった。体が重い、重力が重いらしいんですが、実際重いみたい。ちょっと沈んでるふわこなんだけど、あゆむからしたら、心配ごとが減る感じ? でも、手をつなぐのは癖になってしまってるし、指摘されるとちょっと照れたりしてね、いやあ、いいじゃん、ふわことあゆむ。そして鬼塚くん。いつもと違って下から上目づかいのふわこ見て、なんか照れてる。ああ、いいねえ、青春じゃん、鬼塚くん。浮かなくなって、勝手の違うふわこ。階段から落ちそうになったり、体育でも活躍できなかったり。そんなふわこに、どんなふわこでも好きだ、ずっと友だちだって、ほんと、あゆむ、青春じゃん。最後にはね、ふわこ、また浮くように戻るんだけど、また心配かけちゃうね、これくらい軽い軽い、このね、やりとり。もう、なんか、微笑ましくって、それにちょっと目頭が熱くなる、そんな感じ。すごくよかったんですね。

  • 『まんがタイム』第35巻第11号(2015年11月号)

2015年10月7日水曜日

『まんがタイム』2015年11月号

『まんがタイム』2015年11月号、発売されました。表紙のテーマは野球でありますね。『おとぼけ課長』がメインで、バッター、まさに今打たんとするその様子。けど、飛んできているボールが『さわらせてっ!あみかさん』あみかさんというのでしょうか。投げるのは『まりあ17』まりあで、キャッチャーは『おひとり食堂』誠一郎。そして表紙右肩には、小さく妖精になった『大家さんは思春期!』チエちゃんがいるんですね。

『さわらせてっ!あみかさん』。今回はバレーボールの練習やるっていうんですが、扉絵のあみかさんのお腹に包まれているボールがね、ああー、この充実感……。納得させるものありました。今回は小ネタ光ってましたね。なんでここまで泳がせたの!? おだづもっこ。おかしくて、そしてモチ神信仰する女子高生。ああああ、君、君のその発想は痴漢のそれだよ! ほんと、あみかさんの魅惑はわかるが、理性をしっかり保たないと! かがりとまひろが出会うんですね。ふたりともに細い! というか、あみかさんのまわり、細い人ばっかだな。優しい子かがりに、においかぎ魔まひろ。このくだりなんかもとてもよかったです。

天子様が来る!』、のっけからのアルパカ。あのインパクト、なんだろう、強烈なものありました。ユキジと焼き肉、あの舎弟が泣いて抗議するのとかね、もう最高におかしくて、アニキ! 気付いてあげようよ! 法廷スケッチ画家も面白くって、なんでそっちに向かおうと思った!? などなど、そうしたおかしな組み合わせ、ほんと、よくも見事に提示してくださるものだと感心です。でもってあの宇宙人。ああー、支配された方がいいかも、ですよ。ほんと、マジリスペクト。

鉄仮面のイブキさん』、女子三人でスイーツバイキング。おお、鬼怒川さんが表情を保てない! その豊かに崩れた表情、おいしさに涙、微笑みも愛らしく、そしてエスプレッソでいー。実に魅力的、この子、本当に可愛らしいですよ。そして肝心の伊吹さんはというと、本人いわく表情崩れてるらしいんですが、相変わらず相楽さんにしかわからない、そんな具合で、いや、でも、エスプレッソ、苦いの苦手ってのはよくわかりましたよ。伊吹さんへの恋心を自覚した喜多くん。今回は、まるっきり蚊帳の外でした。むしろ、女子三人にこそ流れはきていて、ああああ、あの恋話を提示する鬼怒川さん、なんという美しさだろう。でも、ブッキーは寝るのね……。相楽さん、可愛い女の子が好き。伊吹さん、柴犬が好き。もう、まったく全然ダメダメで、けど、伊吹さんのナチュラル告白に射貫かれる相楽、鬼怒川組。ああ、喜多くん、完全に蚊帳の外ですね。うん、鬼怒川さん、可愛かった。ほんと、恐慌をきたしかねないレベルの美少女でした。

『おひとり食堂』、もう、ほんと、面白いな。食堂せいちゃんの店先で行き倒れですよ。いや、行旅死亡人じゃない。ただぶったおれただけで、というか、いびきかいて寝ちゃって、誠一郎はというと、その彼女から託された封筒、漫画の原稿を出版社に届けるっていうんですね。その漫画家さんがおかしかった。目が覚めると、知らない部屋。男の部屋!? と思ったら、置き手紙のテイストがお母さん。出版社からの電話で、彼氏ですか? なんていわれて、ドキッとするけど、なんか誠一郎の蔵書がそのトキメキを台無しにしてくれる。さらにはトイレにいけばお婆ちゃんを思うなど、ほんと、この一連のひとこと感想が見事で、しびれましたね。お店の方はというと、サクマさん来店。もう、ほんと、この人面白いな。カノジョ疑惑から誘拐疑惑に移行するくだり最高で、そして漫画家さんの仕事への姿勢に感動。このテンション! めちゃくちゃいかしました。いつもなら、相手に惚れるのは誠一郎なのに、今回は漫画家さんの方で、あ、なんかいい感じになっちゃったり? と思ったら、駄目押しのお母さん落ちで、ええ、誠一郎、ここぞという時にはずしてくれて最高です。

  • 『まんがタイム』第35巻第11号(2015年11月号)

2015年10月6日火曜日

『まんがタウン』2015年11月号

『まんがタウン』2015年11月号、昨日の続きです。

『ポジティブ先輩ネガティブ先輩』、これ、不定期連載なのか。ポジティブ先輩、天使ゆりあが小型船舶の免許をとったというので、海に出てみれば、見事に遭難。柱に、奇しくも、こちらも「漂流系女子」、これ、面白かったですよ。見た時に、あ、また女三人で遭難だ! って思ったら、この柱でしょう。かなり狙ってますよね。ポジティブ天使が、どんなピンチでもへこたれず、くじけず、明るく元気なのは、はたしていいことなのか悪いことなのか。今回の遭難に関しては、ネガティブ巫女川結笑の方が役にたっていて、ネガティブで、落ち込んで、悲嘆して、けれど非常食も寝袋も、用意してくれたの全部この人。この食料品、管理を決して天使にまかせようとしない、巫女川、神農まつりのふたりが実によかったです。私も同意見でした。サバイバルにおける、危ない橋を渡らないのはいいとして、それが原因でなにもできず死にそうな巫女川、対し物怖じせずどんどんチャレンジしていく天使。ああ、天使ゆりあは早死にするタイプだ……。この、見事な対照、実によく、そして最後にはふたりとも島に順応しはじめてる? 違うんだか似てるんだかってのがまた面白かったです。

『居間には今外国人がいます。』、マッキー、もう受験なんですね。というか、本人はやる気ないっぽいんですが、マイケルがやたらやる気出しちゃって、詰襟着込んで、もう受験戦争時代に逆戻りみたいな、そんな様相見せています。というか、マイケルはその頃の日本を夢見て来日したんだろうなあ。マッキーの周辺にいる、高学歴組、手に職組。いろんな大人から、いろんな意見を聞けるのはいい環境かもなあ。そしてここでミカイールに相談。ああ、ミカイール、なんかお姉さんになってる? なんか素敵なお嬢さんになってる? ああ、時は過ぎていくんだ! マッキーのね、なんだかぴしっとしない子なんだけど、それでもちょっとずつ成長してる、しっかりしてきてる、そういうのがね見えて、かと思えばやっぱりおだてに弱くて、ちょっとしたらその気になっちゃう。と、そんなマッキー、この子の進路はどうなるんだろう。と思ったら、なんと、次回最終回!? おおう、卒業までしっかり描かれるもんだと思ってた! いやはや、驚きましたよ。

『ど先端ナース』は、死神のリパ子君。この人、もう普通にレギュラーキャラ、どころかナースのエースになってしもうとる。さすが育郎、ナースならなんでもいいのか。ろくでもないやつだな、知ってた。椎名とがりへのライバル心がリパ子の行動の原動力になってて、しかしそれで死神のアイデンティティが揺らぐ。かと思えばセールスマンのコバセさんのセールストークに動かされ、それいらんだろうという鎌に心動かされる。ところで、ナース山関と泉の女神、このふたりの関係、どうなっちゃうの? 発展していっちゃうの? そして、リパ子くん、あれ? もう満足して退場? というか、育郎、やっぱりとがりルートを進んでるのかあ。とがり君は、いわゆるツンデレってやつですか。

  • 『まんがタウン』第16巻第11号(2015年11月号)

2015年10月5日月曜日

『まんがタウン』2015年11月号

『まんがタウン』2015年11月号、発売されました。表紙は『あつあつふーふー』をメインにしまして、着物姿の蘭がお好み焼きを鉄板にのせて、運んできている、そんな情景であります。この他には『新クレヨンしんちゃん』、『ちはるさんの娘』、『派遣戦士山田のり子』、そして『漂流系女子高生』の新連載告知カットがございます。

押しかけ時姫』、ああ、こういう展開に! まさかでしたよ。お婆ちゃんのうちに海斗と時姫おとなって、なにかと思えば、姫のために着物を仕立ててくれたっていうんですね。今風の着付けをしてみたりね、また海斗に着物を着せてみたりね、海斗のかっこよさに見事にやられちゃってる時姫が素晴しかったです。そして、蔵から出てきた昔の書物、お婆ちゃんにも海斗にも読めないからと、姫が分類することに。ああ、それで、まさか姫が、野々江の城、一族の顛末を知ってしまうのか。けれど、海斗はまだそのことに気づいていない。この緊張感、時姫の表情。味をしめるくだりもいいんだけど、ほんと、姫、最高でしたね。

『恋するヤンキーガール』は、アヤメたちのこと不良だとなんだといって目をつけている教員ですよ。足を見せなさい、これはセクハラというか、人権問題じゃないの? うん、先生、そりゃあきませんよ。若い女性の先生のいうとおりです。昔の教育幻想と、今の感覚、その相克が見られて面白かったです。というか、若い先生はひいてしまってますよね。件の先生の、アヤメちゃんの友だちに、いろいろあれこれいうんだけど、どれもあんまり効果がない、というか、あのパン落として泣いちゃったの見て、弁償するからって、あれは面白かった。そして、ナギにまで手を出した疑惑! 結局ね、郷田先生ね、アヤメたちのこと理解してくれたみたいで、めでたしめでたしなんですけど、しかし、ほんと、アヤメちゃんたち、不良なのかね?

『漂流系女子高生』、えのきづの新連載です。といっても、第1回目、これだけではなんともいえないなあ。そんな感じです。登場人物は女子高生3人。種子島奈波、宮古、八丈帆佳、以上。ほかにはまるでなし。モブさえもなし。人影もなし。修学旅行にいって、ホテルにて休んで、朝起きたら3人だけが絶海の孤島にいた。宮古は有名なサッカー選手。日焼けが健康的な女の子。八丈はアイドル。種子島だけ、とくに取り柄はないみたい。あ、眼鏡。常識人みたい。種子島は状況に困惑して、どうにか戻れないか、いろいろ心配しているんだけど、宮古、八丈のふたりはなんだかマイペースで、このギャップ。というところで今回は終わり。ええ、まずは顔見せ、次回以降が本番ってところですよ。

  • 『まんがタウン』第16巻第11号(2015年11月号)

2015年10月4日日曜日

バッジとれ〜るセンター

もしかしたら、ちょっとはまってしまってるのかも知れません。『バッジとれ〜るセンター』。Nintendo 3DSで遊べる、クレーンゲームなのですが、これが妙にハートをキャッチしてくれやがりまして、ちょっとウザくて人懐こいバイト、こいつのキャラクターが、なのかなあ。いや、そうじゃない、バッジをコレクションする、コンプリートすると嬉しい、そういうコレクター気質に働きかけてきてる、そこが自分の弱い、あるいは、チョロいところにぐっさり刺さっちまったってことなのでしょう。では、その弱いところとはいったいなんなのでしょうか。

私の弱味はですね、ニッキー、それから『スプラトゥーン』。『スプラトゥーン』については、説明いりませんよね。ちょっと人気で、それからブームで、私の今一番熱心に取り組んでいるゲームです。このゲームのキャラクターがバッジになってて、まだスタートしたばっかりだから、集めやすいということもあって、どうもこうもなくロックされている。そんな具合。では、もうひとり、ニッキーとは誰か? ニッキー、ええ、『いつの間に交換日記』のヒロインですよ。ニッキー、めちゃくちゃ可愛いの。でもね、残念なことに『いつの間に交換日記』はサービス終了しちゃってて、いえね、写真を送れるんですけど、その機能を使って、あかん写真やりとりしてたとかいうんです。えー、マジかー。正直ショックで、もうニッキーには会えない、そう思っていたら、『ニッキーの旅するクイズ』で再会できた。ああ、嬉しいなあ。ええ、ニッキー、大好きなんです。

出遅れちゃったのですよ。最初のころ、このゲームのこと全然理解してなくて、全然プレイしてなくて、また5プレイ90円っていうじゃありませんか。こりゃ遊びにくいなあ、そう思っていたんですが、もうね、とっととやっときゃよかった。だってね、過去にリリースされたバッジ、どんだけあるかさえ、さっぱりわからないんだもの。ここ数日、新作バッジ「恋するニッキー」がリリースされたことからか、ニッキーリバイバルやってくれてて、見たことのないニッキーが毎日出てくるの。で、それを全部とっても、まだどんだけ見知らぬニッキーがあるのか、さっぱりわからないわけ。あー、もうこりゃ残念だー。というわけで、ニッキーのバッジが並ぶはしからとっていく、そんなことをやっています。

まんまとしてやられてるわけですな。

結局はデータに過ぎないものをコレクションして、それでいったいなにがどうなるか、みたいな話もありそうですが、シンプルなクレーンゲーム。わりと面白いし、それにものすごい高いわけでもないから、ちょっと遊ぶのにはいいかな。なんて自分を誤魔化す日々でありますよ。

2015年10月3日土曜日

『まんがホーム』2015年11月号

『まんがホーム』2015年11月号、昨日の続きです。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、すごくいい雰囲気のいいお話でした。パトラちゃんのいつもの場所を占有している女の子がいる。なんでか仲良くなって、一緒に遊ぶようになって、パトラの地球の家来第一号ならぬ、地球の友達第一号になる。パトラちゃんがいいですよね。いつも年下の彼女が、めずらしくお姉ちゃん。すごく面倒見がよくて、もうほんとこの子、すみれのこと、大切にしてるってわかるの。けど、これが一夏の出会い。夏休みでお婆ちゃんのところに遊びにきてたというこの子と、贈り物交して、また来年も遊ぼう、そういって別れる。最後のパトラの言葉が素晴しかった。…いいんだよ、わらわのことなんてそのうち忘れちゃうさ。しみじみとしたその言葉に、この子の大人びた表情が垣間見えて、すごく素敵でした。

『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』は、年月を重ねている、その利点が見事に発揮されていますね。ハロウィーンの季節がやってきました。かくして今年も月夜野さん、大活躍。例の、ちょいこわ看板たちがふたたび店内に溢れて、しかもこれが大人気っていうんですね。ほんと、面白いなあ。しかもバイトくんも参戦。おおう、きらりん吸血鬼娘。超可愛いじゃん! 月夜野さんの看板が人気なのはともかく、バイトくんのお嬢さんも一部で人気だったりして、いやもう、ほんと、その気持ちわかるわ。そして最後にバイトくんへの月夜野さんのお願い。ああー、これが扉のあの子なのか。月夜野さん、友だちができたんですね。

『歌詠みもみじ』もハロウィーン。しかし、この漫画、川柳がね、すごくよいの。気が利いてるし、ちょっとした皮肉、くすぐりなんかもあって、もういっつも感心してるんですよ。今回だと「カワイイは実は自分に言ってるの」。ほんと、この事象に対する批評性、素晴しいわ。よくできてる。漫画としても面白い、悪くないって思ってる、その上に川柳が一味も二味もそえて、これ、作るの大変だろう、漫画としてのネタ、その上に川柳、その双方を組み合わせて面白いと感じるレベルに仕上げていかないといかない。もうほんと、見事、見事で、毎回楽しみに読んでいます。

『マチ姉さんの妄想アワー』、これも本当に面白い。いやもう、理屈がうんぬんじゃなくて、「カチカチ未来」とかね、あのラストの「ひどくね?」の台詞、一発の威力よ。実に切れのいい台詞でした。しかし、今回一番威力のあったのは「多いと不安」ではないかなあ。「アダルト金ちゃん」もかなりきたんですけど、「多いと不安」の、危険な自然派って表現が、そして怯えてる動物たちが、もう本当に冴えてて、最高ですよ、素晴しいです。「光源氏と若紫」って、昔話じゃないじゃん! けど、「あかんやつや!!」から「さいなら私の人権」、そして落ちの「ファミリー誌だぞ」。なんておかしいんだろう。安堂友子からは天才を感じる。ほんと、天才に努力工夫を重ねた、そんな味わいがたまりません。

  • 『まんがホーム』第29巻第11号(2015年11月号)

2015年10月2日金曜日

『まんがホーム』2015年11月号

『まんがホーム』2015年11月号、発売されました。表紙は、秋ということで運動会ですね。『らいか・デイズ』らいかがポンポンを手にチアガールしていまして、格好は体操服っていうのが運動会らしくていいですよね。そして他には、二人三脚する『孔明のヨメ。』、孔明、月明夫妻。『まんがの装丁屋さん』のコミックス告知カットも体操服でありますよ。デフォルメされたキャラクターが可愛いですね。

『孔明のヨメ。』は、孔明、月英サイドは、いずれくる時を思って心配する月英と、強気で妻をメロメロにさせる孔明。謎の勝負といいますか、いやもうイチャイチャしやがってー! なのであります。さて、本編は曹操だったんですよ。青州淳于にて郭嘉と談義する曹操。青州を完全に手中におさめた曹操。そんな彼に、郭嘉が渡したもの、紙だったんですね。これまでの紙よりもずっと品質のよいもの、それを手にして、曹操、一気に発火したごとくに才気ほとばしらせる。ああ、曹操、やっぱりすごい男なんだなあ。そう思わせる一連の描写。目など爛々と燃え立たせて、ああ、なんと色気のある男だろう。紙を見て、それが社会を、天下を変えてしまうと直感する。それからの決断も。もう、見事でありました。

『敗者復活戦!』は、月穂サマと桑原先生の関係が気になるニーナですよ。というか、この子、サスペンスの2時間ドラマ、そんなの見るんだ。そう思ったら、ああー、お母さんが好きなのね。月穂サマの家のこと、いろいろ思って母に話した、それがこれからはじまるドラマのネタバレと思われて、涙目の母ちゃん、なんだろう、可愛い人だなあ。そして、娘に釘を刺すんだけど、それが三国志からの引用とな。疎きは親しきをへだてず。それからも、ニーナ、あれころ月穂サマのことかぎまわろうというんだけど、その策はちょっととりやめみたいですね。夕記の言葉、誤解なんだけど、それを聞き入れて、それでとりあえずこの疑惑は棚上げです。最後のね、月穂サマ、ニーナの企て気付いてたんだけど、帯電でうやむや。ええ、こんな感じがいいのですよね。

『いぬにほん印刷製版部』、驚きました、次回で終わっちゃうのかあ。仕事に慣れてきた紙谷。もしかしたらボーナス出るかもよ、なんて話に浮かれちゃうんだけど、ああ、昔出てたボーナスが最近なくなってたのか……。会長から聞く会社のなりたち。教育さんにずいぶん世話になったとか、それから会社の名前の由来とか、なんだかほのぼのと読んでいたら、おお、これ、フリだったのか。教育さんの定期刊行物が廃刊。印刷費も削減して、いぬにほんから他に乗り換えることに……。オンデマンドがうまくいきはじめたらこれだよ。けど、これが印刷業界の実際なんだろうなあ。どこもコストをさげたい。簡単なものなら、自前で名刺でもチラシでも刷っちゃう。そんな時代です。転換期を迎えて、どのような選択をしていけばいいのか。潰れたりはせんだろう。しかし、いぬにほんの、紙谷の将来はどうなるんだろう。いよいよなにか不安にさせられる、そんなラストでしたよ。

『つれない教師の落とし方』、ゲストです。落とし方って、なんだかいやな感じだなあ。と思ったら、あれ、なんか思ったのと違う感じだよ? ずっと好きだったと告白して、つきあうことになって、と思ったら、速攻で破局。あー、告白した相手が新任の先生だったっていうんですね。先生は教卓で青い顔、そして少年は教室に生徒として座ってて、この距離感よ! 天国が一気に地獄。その失恋の顛末、ショックの様、ありありと語られて、面白いんだか、切ないんだか。いや、描写としては面白いに振ってますよね。八木先生と早乙女少年のままならぬ恋模様。思い余って、授業中に、重ねて先生に恋心を伝える彼に、先生は百人一首、藤原敦忠の歌ですねと答える。はぐらかしている? いや、そうじゃない。歌に詠まれし心をや我が身のことと重ねつつ、かなわぬ思いをその胸の裡に隠さんとする、先生の表情にこそ切なさはつのろうというもので、ええ、早乙女くん、君はまだ青いな。そう思わないではおられない、そんな第一話でありました。

  • 『まんがホーム』第29巻第11号(2015年11月号)

2015年10月1日木曜日

亜人ちゃんは語りたい

 ちょっと、高橋鉄男、モテすぎだろう。『亜人ちゃんは語りたい』。以前から結構気になっていたタイトルでした。表紙が可愛いですよね。これ、亜人、バンパイアの小鳥遊ひかり。けど、表紙を見ただけでは、この子が亜人なのかどうなのかはさっぱりわからなくって、また亜人とはどういうものかわからない。なんか戦ったりするのかなあ。とか思いながら、ずっと手にせずいました。気持ちがね、後ろ向きですよね。以前なら、どんなのかわからないけど、とりあえず買っちゃおう! そんなところが、最近はずいぶん億劫になってしまった。いけません。というわけで、買いました。テレビでやってたCM見ましてね、それが決め手でしたね。そして読みました。ええ、とてもよかったですよ。

なにがいいのか。登場人物、とりわけ亜人の子ら、先生もですけど、みんながね、健気でそしてチャーミングなんですね。ひかりとか、エヘヘ! ですよ、エヘヘ!

亜人というのは、物語やら伝承に出てくる人に似て人でない存在をいうんですね。とりあえずこの漫画に出てくるのは、バンパイアにデュラハン、雪女、そしてサキュバス。そのうちの3人が学生で、女子高生、傷つきやすかったり、時には苛烈にその思いを表明したり、そうしたところは普通の子、人間のそれと大きく違わない。むしろ、あえて同じように描いているからこその面白さ、意味というのがあるのかも知れない、なんて思わされるところが大であったのでした。

劇中において、亜人はかつてこそは差別されたこともあったが、近年は社会に受け入れられるようになってきている、というんですね。日常生活の不利をサポートする制度があるなど、そうした設定に現実味みたいなものを感じたりもして、彼女らのバックグラウンド、この物語世界の広がりというのが感じられて面白い。主人公は高橋鉄男。亜人に対する興味を持った生物教師。彼があかりをはじめとする亜人の子らと交流していく、そうしたところに生じるおかしみやほのぼのを味わおう、そうした趣向と思っておけばほぼ間違いないのだろうと思います。

けれど、ただほのぼのではないんですよね。高橋とあかりがはじめてであった時の描写。エヘヘ! アハハに至る直前の描写を見れば、社会においては受け入れられているはずの亜人、けれど彼らに対する差別や嫌悪の感情が人々の中にまだ残っているということがうかがえます。また亜人の側からしても、たとえば見た目こそは人に変わりないあかり、この子にしても、日常生活において人との違いを意識しないではおられない。そうしたもろもろがコンプレックスになって、心に影を落としている……。

人が優しいですよね。そうした違いを意識させないように、自ら歩み寄ろうとする人がいる。ことなにかあれば支えようとする人があり、時には盾にでもなろうとする、そんな人もいる。それは亜人である場合もあれば、家族、友人、教師、様々な立場やつながりを持つ人たちで、こうした優しさは現実にだってある。けれどそうした優しさの存在することが、反面、この漫画に描かれる社会に存在する悪意を感じさせて、そういう点でこの漫画は大変にリアルなのだろうと思う。

自分たちと違うものに向けられる悪意。異質なものを排除しようとする圧力。それらが直接に描かれることはなくとも、見えない悪意から大切な人を守りたい、そうした気持ちが描かれることでじわじわと意識される。フィクションにすることで、現実にはありえない、おこりえないできごとを描くことで、光があてられる現実がある、そうしたことを思わされました。押しつけがましくなく、そっと、気づく人にはわかる、それくらいの程度で伝えられるテーマ。本当にそれが作者の描きたかったことなのかどうかは、私にはわからないんですけどね。けれど、そうした色を感じとって、だからこそ、互いに守り、支えあいながら、自分たちの楽しい暮らしを大切にしている彼女らの健気さ、それが胸を打つのだと思うのですね。

しかし、それにしても高橋鉄男はモテすぎだと思う。いや、ほんと、モテすぎだと思うんですよ。